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原泌尿器科病院

(兵庫県 神戸市中央区)

井上 貴昭 副院長

最終更新日:2021/10/25

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結石治療と透析を強みに、地域医療を支える

1971年に開業した「原泌尿器科病院」は、42床の一般病床と54床の透析専用病床を有する神戸市の泌尿器科・腎臓内科を専門とする病院だ。結石治療と透析療法に特化し、患者のQOL(生活の質)を考慮した低侵襲な治療を提供することをモットーとしている。同院が力を入れているものは、体外衝撃波結石破砕術を用いた結石治療や、内視鏡下でレーザーを用いて行う前立腺肥大症の治療、そして54床のベッドが用意された透析治療や専門のスタッフによる栄養指導・服薬指導など。2019年からは内視鏡を用いた治療のスペシャリストである井上貴昭先生が副院長として診療に加わった。また、2020年からはオンライン診療を始めるなど、患者目線に立った治療をテーマに掲げ、現代のライフスタイルに合わせた医療を提供している。「地域の人はもとより、離れている患者さんにも安心が届けられるように、これからも病院や医療環境をアップグレードさせていきたい」と熱く語る井上副院長に、同院での取り組みについて聞いた。(取材日2021年10月14日)

貴院の成り立ちと歴史について教えてください。

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当院は、1971年神戸市に「原泌尿器科医院」として開業しました。泌尿器科の単科でのスタートでしたが、救急に対応するなど長く地域の皆さまの健康を支えてきました。開院当初から泌尿器科の疾患の診療のほか、人工透析にも対応しています。現在は電子カルテと連動した中央監視システムを活用し、一般病床42床の他に透析専用に54床を用意して、毎日多くの患者さんに来院いただいています。初代病院長からの理念である「患者さん本位の医療を提供すること」を継承し、「患者さんとともに病気について考え、信念を持って真摯に医療を行うこと」を基本理念とし、スタッフ一丸となって診療に取り組むととともに、高齢社会の中で泌尿器科専門の病院が担う役割の大きさを感じながら、先進機器の導入から送迎サービスまで、常に「質の高い医療サービス」の提供をめざした取り組みを行っています。

貴院が担う役割について教えてください。

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当院は泌尿器科の専門病院ですので、泌尿器の疾患に対して良性・悪性を問わず、検査から治療までを一貫して行っています。尿路結石症、排尿障害、性感染症などの一般的な泌尿器科診療のほか、がん、前立腺肥大症、尿道狭窄症などに対する手術も内視鏡手術を中心に低侵襲手術を幅広く行うほか、膀胱内出血や睾丸回転症といった緊急性の高い治療にも対応しています。また、腎臓病や慢性腎不全の指導や管理にも力を入れ、ドクターはもとより薬剤師や管理栄養士といった多職種が連携して生活改善の指導も行っています。中でも私が専門とする尿路結石症の受診数は増加傾向にあり、遠方からも多くお越しいただいています。一般的に大人の男性がなるイメージの疾患ですが、その年齢は赤ちゃんから高齢者までと幅広く、近年は女性の患者さんも増えています。当院では兵庫県立こども病院と連携してお子さんの手術を行うなど、広域での医療貢献にも力を注いでいます。

井上副院長が加わり変わったことは?

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1つは、手術室の全面リニューアルです。開腹手術や腹腔鏡手術も良い治療ではありますが、再発が多い尿路結石症に対して低侵襲治療を追求したいという考えから、4Kの高画質モニターや細径の機器や器具なども新しく導入し、内視鏡手術に特化した設備を整えた手術室に整えました。内視鏡を用いた手術に特化した設備ですし、作業もできる限り無駄を省き、準備や処置をルーティーン化することで、一日に行える手術の件数を増やすことができました。尿路結石症の内視鏡下手術は、どこの泌尿器科でも対応が可能というわけではありません。当院では後進の育成をすべく、内視鏡手術のスペシャリストを育てることにも力を入れています。日本だけでなく海外にも目を向け、ITを使った教育の場を設けるほか、医療と産業の連携にも取り組んでいます。

診療でこだわっているものがありましたら教えてください。

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当院の理念にあるように、患者さんとともに病気について考えること、そして信念をもって真摯に医療を提供することに努めています。そして、治療によって生活の質を落とすことにつながらないように、こだわっています。例えば、尿路結石症は三大疼痛ともいわれるほどの激しい痛みが走ります。その上、再発率も高いもの。ですから1回目の痛みの記憶がトラウマにならないよう、治療には痛みを残さない、記憶を残さないようにも心がけています。また、受診された当⽇に即⽇ESWL(体外衝撃波結⽯破砕術)を実施することで、お仕事を休んで受診された⽅が受診された当日に⼿術を受け、経過が良ければ翌⽇から普段の⽣活やお仕事に戻られることも可能となります。また、術後の尿管ステント留置を極力、行わないで済むようにするカテーテルフリーも実行しています。患者さんに「あの治療なら次も受けられる」と思ってもらえればうれしいですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

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当院には、難症例の患者さんや若年層の患者さんも多くお越しになります。それだけに、内視鏡を用いた治療を軸に今後さらに専門性を磨き、先進的な医療技術の追求に努めていきたいと思います。その取り組みの1つとして、2020年5月からオンライン診療を始めました。過去に当院で手術した人の経過観察などを中心に行っています。今後は病診連携を強めて、通院が困難な人や遠方の患者さんであっても、ご自宅近くのクリニックや病院で経過観察や画像診断を行いながら、必要があれば当院で手術などの治療を受けるといったITを活用したシステムを構築していきたいと考えています。また、内視鏡を用いた治療について、多くの先生方が行えるようになればと思い、育成にも力を入れています。自分の持っている技術を一人だけのものにするつもりはなく、多くの医師につなぎ、日本の医療貢献に役立てることができればと思います。

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井上 貴昭 副院長

2003年関西医科大学卒業後、同大学の関連病院の泌尿器科で研鑽を積む。がん治療や腹腔鏡を用いた手術など多くの手術を行う中で、内視鏡を用いた手術に可能性を感じて、この術式の研鑽を重ねてきた。後進の指導にも尽力するほか、大学や企業でのセミナーで講師も務める。2019年4月から現職。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医。

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