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社会医療法人神鋼記念会 神鋼記念病院

(兵庫県 神戸市中央区)

東山 洋 病院長

最終更新日:2021/09/27

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得意分野を選択、集中させ地域社会に貢献

JR灘駅、阪急春日野道駅から徒歩約7分、阪神岩屋駅からも徒歩約9分という便利な立地にある「社会医療法人神鋼記念会 神鋼記念病院」。神戸製鋼所の所内診療所としてスタートし、2015年に社会医療法人に改組。その際、名称変更を求められ「神鋼記念病院」と改称したが、その後も地域の人から「神鋼病院」と呼ばれ、親しまれる。29の診療科と333病床を有し、国指定がん診療連携拠点病院、DPC特定病院群でもある。東山洋病院長が就任したのは、ちょうど社会医療法人に改組した2015年の4月。就任早々、手術支援ロボットを導入し2017年に直腸がん手術も開始。さらに、病院に在籍する病院職員とボランティアら多職種が一丸となったチーム医療の実践が大事、との考えのもと職員全員に「ワークライフバランス」を考慮した労働時間を推進する、働き方改革を実行するなど、精力的に病院経営へまい進する東山病院長に、同院の強みから将来展望までを聞いた。
(取材日2019年12月9日)

病院の成り立ちと地域における役割を教えてください。

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当院は1915年に株式会社神戸製鋼所の医療施設として開設されたことに始まります。その後、2度の移転と3度の建て替えを行い1994年、神戸製鋼所発祥の地であるこの場所に現病院が完成しました。そして1998年には神戸製鋼所から経営的に独立、2015年にはより公的な医療機関をめざし社会医療法人化を行い、名称を神鋼記念病院と変更しました。神鋼という名前が残せたのは、神鋼が神戸市民に親しまれる愛称だと認められたからでしょう。私が病院長に就任したのもちょうどこの年で、手術支援ロボットを導入し前立腺がん手術にも着手しました。当院は民間病院の範疇にありますが、地域医療支援病院となっています。333床の民間病院で高度急性期と急性期医療を担うことは、なかなか厳しいのですが、働き方改革や人材育成により、当院独自の強みを生かした病院運営を行っております。

病院の理念や運営に注ぐ想いはいかがでしょうか?

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当院が昔から大切にしていることは、紹介患者さん、救急患者さんを断らないという姿勢です。口で言うのは簡単ですが、姿勢として貫いていくのはなかなか大変です。しかし「神鋼記念病院へ行けば何とかしてくれる」「困ったときに最も頼りになる」と思ってもらえるような病院であり続けるためには、この姿勢は変えられません。私は、病院の評価は患者さんの満足度であり、病院の財産はここで働く職員であると考えます。全職員が一丸となって患者さんのために全力を尽くす、という意識で、チーム医療を実践していくということが大事です。今はもう1人の図抜けた医師がどうこうという時代ではないと考えています。そして患者さんには切れ目のない医療サービスの提供に努めています。手術をしたらそれで終わりではなく、ずっと包括的に地域ケアを行っていく。そのためにも今後は、地域医療支援室の役割がさらに重要となっていくと考えています。

診療実績や特徴のある診療についても伺います。

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病院統計では、病床稼働率や平均外来患者数、救急車搬送台数などについては、急性期病院としては高いほうだと思います。病病連携、病診連携も積極的に行っており、当院への紹介率は80%近く、逆紹介率は140%という月もあります。手術については、7室しかない手術室で小さな手術をたくさんやろうというのではなく、がんに特化した手術を多く行っています。中でも当院が得意とするのは乳腺の診療・乳がん治療です。乳腺部門は乳腺科、形成外科で構成され、放射線診断・治療科、病理診断科、腫瘍内科と緊密に連携をとり専門性の高い診断と治療を行っています。再発の可能性が低いと考えられる患者さんの場合は乳房同時再建も可能ですし、遺伝子の問題には専門のカウンセラーがあたるなど、全国から来られる患者さんの求めに応じて診療レベルを上げることに精進しています。

難病治療にも注力しているそうですね。

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難病の代表例として多くの患者さんが苦しむ膠原病に対して、膠原病リウマチ部門を2010年に設立し、地域連携医療を通じた初診の外来を行っています。治療には抗がん剤と同じように免疫を抑制するための分子標的薬を用いますが、副作用として大きく問題になっているのが間質性肺炎です。咳や呼吸困難を伴うため専門の医師がいなければ投薬も困難ですが、呼吸器内科の間質性肺炎を専門とする医師が全面的にサポートしています。また国指定がん診療連携拠点病院の当院では、手術支援ロボットでの直腸がん手術にも積極的に取り組んでおり、術後の排便障害で悩む患者さんのために排便機能障害の外来を開設。医師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士も加わった多職種チームが対応にあたります。白血病などの血液のがん治療では、血液内科と血液疾患移植部門、細胞治療室が連携しています。19床の無菌室を保持していることも非常に大きな特徴ですね。

最後に先生ご自身のことと、病院の将来展望をお聞かせください。

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私は肝胆膵外科、血管外科を専門に長く手術・臨床に携わってきました。臓器移植手術を学ぶためにドイツへ留学した経験もあります。今も時々呼んでもらえる外科手術にはやりがいを感じています。とはいえ、現在は病院の経営と向き合う立場です。当院は「地域社会の信頼と期待に応える」という明確な方針をもって医療を行っていますが、患者さんが満足される医療レベルが伴わなければ、神戸市民の皆さんに対して存在価値をアピールすることはできません。神戸市民に親しまれてきた「神鋼病院」であり続けるためにも、当院の強みを生かした選択と集中が必要だと考えています。超高齢社会における3大疾患ともいえる悪性腫瘍・動脈硬化性疾患、・呼吸器疾患のみならず、リウマチなどの膠原病・代謝疾患・神経難病に加え、救急疾患への対応や、乳房再建手術など、当院での得意分野を駆使して、地域医療に貢献してまいります。

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東山 洋 病院長

1982年に京都大学医学部を卒業後、京都大学医学部附属病院外科へ入局。1993年ドイツKurhessisches Diakonissenhaus Kassel血管外科留学を経て、1995年社会保険小倉記念病院外科部長に着任。1997年大阪赤十字病院外科副部長、2007年神鋼病院肝胆膵外科部長。2015年に神鋼記念病院病院長に就任。

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