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独立行政法人労働者健康安全機構 神戸労災病院

(兵庫県 神戸市中央区)

脇田 昇 院長

最終更新日:2021/08/26

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働く人たちの疾病を支え、高齢者医療に注力

三宮駅からバスや⾞で山手に向かい、数分登ったところにある「独立行政法人労働者健康安全機構 神戸労災病院」。病院入り口にはシンボルツリーの大きなクスノキがあり、長年地域に親しまれてきた同院の歴史を感じる。循環器疾患、消化器疾患、整形外科、総合内科の4つの治療を軸に、地域の基幹病院として急性期医療を担っている同病院は、高齢者医療や予防にも注力。近隣病院や高齢者施設との連携で、患者の豊かな生活を支えることを重要視している。院長の脇田昇先生は、2021年4月から同病院の院長に就任したばかりだが、31年同病院に勤めてきたベテラン。先進医療の提供や設備整備に努め、全スタッフの患者に対するホスピタリティーこそ同病院の強みであると話す。「患者さんの健やかな人生を支える一助になる」とにこやかに語る脇田院⻑。治すことに重点を置いた医療から、診療科や連携病院へとつなぐ医療、そして生活全般を支援する医療と、患者の人生そのものに寄り添う医療提供をめざし、多様な取り組みを行っているという。今回は脇田院長に同病院の診療の強みや、高齢者医療や両立支援への取り組みなどについて聞いた。
(取材⽇2021年7⽉19⽇)

病院の成り立ちや基本理念について、お話しください。

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当病院は、1964年に労働災害への対応を主な目的として開設されました。当時は高度経済成長期にあたり、多くの労災患者さんを受け入れておりましたが、近年においては働く人たちの労働環境や労働衛生の改善が進んだことで、ケガや疾病の治療にだけ力を入れるのではなく、健康診断や人間ドックといった予防分野、地域社会の高齢化にも対応して診療の幅を広げてまいりました。「良質で心のこもった医療を働く人と地域のために」という病院理念のもと、19の診療科と316の病床で幅広いニーズに対応できる体制を整えています。24時間365⽇緊急性の⾼い患者さんを受け⼊れる二次救急医療を中心に、循環器疾患、消化器疾患、整形外科手術、総合内科の4つを重点医療として、近隣地域の人々の急性期治療を支えながら、多様なニーズや将来的な不安や悩みにまで手を差し伸べられるような医療を提供していきたいと思っています。

特に力を入れている診療分野とその特色を教えてください。

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それぞれの診療分野が非常に高いレベルでの医療追求をめざしていますが、中でも循環器や消化器疾患治療では、カテーテル手術や内視鏡手術、腹腔鏡手術など低侵襲治療に注力しています。整形外科領域では、各分野の専門医師をそろえて治療を行っており、特に重点を置く脊椎脊髄外科、手外科・上肢外科、関節外科分野では遠方から訪れる患者さんもいます。総合内科も特徴的で、不明熱など担当科の選別が困難な疾患に対応したり、持病が複数ある高齢者に適切な治療を素早く提供できるように努めたりと、多岐にわたる疾患・業務に対応しています。さらに、透析治療では当科所属担当医師が担当し、新規透析導入患者さんだけでなく、他院重症透析患者さんや他科の手術を受ける患者さんの受入れ・管理なども積極的に行っています。専門分野が異なる医師同士も、週2回のカンファレンスを行って、各科とも緊密に連携し合って診療にあたるように努めています。

チーム医療を重要視されているのですね。

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はい。ほかにも、循環器内科と心臓血管外科や、消化器内科と消化器外科のように、内科系診療科と外科系診療科がチームを組んで、不整脈や心筋梗塞、消化器疾患などを治療しています。「チーム医療」にはさまざまありますが、当院がめざす1つの形は他科との知識・技術の共有化です。例えば、心臓疾患は内科で診断をつけて外科が治療をするという形でのすみ分けができますが、下肢の血管疾患は、内科でも外科でも治療を行っており、それぞれ治療法や得意とする部分が異なります。患者さん自身がさまざまな治療を知って適切な選択ができるような医療提供が大事だということから、日頃から他科との連携を強化しています。また、長寿社会となったことで、何度も手術や入院が必要となることもあるでしょう。そういった場合には、院内で過去の病歴を共有し、各科の垣根を越えた慎重な検査・手術を実施し、お一人お一人に合った治療法を提案するようにもしています。

近隣病院や施設との連携についても注力されているそうですね。

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高齢化が進む社会にどのように取り組んでいくかは、私たち中核病院の大きな課題でもあります。近隣の開業医の先生や医療機関との連携を充実させ、地域全体やご家族、介護者を含めた協力関係をしっかりと築いていきながら、地域包括ケアシステムの中でその役割を果たしていきたいと考えています。具体的な取り組みとしては、高齢者住居施設や介護施設など10施設以上と連携関係を構築しており、受診の受け入れ、救急応諾だけでなく、予防にも注力し、健康診断や人間ドックの紹介、健康寿命のための講演会なども始めています。また、フレイルに対しての外来を設け、専門としたスタッフのもと、栄養指導や筋力アップを実施して介護予防にも努めています。今後は健康検査とリハビリを合わせた短期入院なども検討し、その人の病気だけでなく生活そのものを支えていく病院として、スムーズな連携システムの構築へさらに力を入れていくつもりです。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

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手術や治療で治すことを目的とした「点の医療」から、病診連携で「線の医療」体制に変わりましたが、今後はさらに、その患者さんの生活まで支える「面の医療」の重要性が高まってくると考えます。自宅で過ごす患者さんに、訪問介護やデイケア、行政、ボランティアなどが入り、うまくつながり合うためには、当院が主導となって力を尽くしていくことが重要だと感じています。その一環として行っている取り組みに、病気のある人が働くことを支援する両立支援があります。がん、糖尿病、脳卒中、メンタルヘルスなど、病気がありながらも働くことが当たり前の時代を迎えている中、法律や雇用条件の改定は追いついていないのが現状です。当院が属する労働者健康安全機構は「治療と仕事の両立支援」を展開しています。当院でも「産業保健総合支援センター」と連携して事業者の産業保健活動等を支援しています。何かお困りの際はいつでもご相談ください。

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脇田 昇 院長

1980年神戸大学医学部卒業後、神戸大学第二外科入局。関連病院で研鑽を積み、同大学大学院で4年間の研究に打ち込む。その後、3年半大阪府済生会中津病院勤務して、神戸労災病院へ。31年間のキャリアを経て、2021年4月より現職。心臓血管外科を専門として、下肢閉塞性動脈硬化症をはじめとした下肢血管治療のエキスパートとして難易度の高い手術にも数多く取り組む。温厚な人柄で同病院のチーム医療を牽引。

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