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神戸大学医学部附属病院

(兵庫県 神戸市中央区)

眞庭 謙昌 病院長

最終更新日:2021/04/20

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患者中心の医療をモットーに地域に貢献

1869年の開院以来、兵庫県下および阪神地区の地域医療への貢献はもとより、関西医療圏の中心的役割を担い続けてきた「神戸大学医学部附属病院」。「特定機能病院」「エイズ治療拠点病院」「災害拠点病院」として、さらに2019年9月には「がんゲノム医療拠点病院」に指定され、先進的かつ専門性の高い医療で市民の健康を支えている。近年は低侵襲治療を可能とするための手術ナビゲーション装置や手術支援ロボットなど、先進的医療の開発・研究にも力を注ぐほか、大学病院の使命である教育においては、患者に優しい医療を提供できる人間性豊かな医療人の育成に向けた独自の取り組みを行っている。兵庫の中核を担う医療機関としての同院の役割、めざす病院のあり方について2021年2月に病院長に就任した眞庭謙昌先生に話を聞いた。(取材日2021年2月1日)

地域における貴院の役割についてお聞かせください。

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一般病院で受け入れが困難とされた患者さんに、治療の可能性を創造することは大学病院の使命です。地域医療の「最後の砦」として、高度かつ専門的な医療の実践に努めるとともに、別の機能を担っている周辺の病院と連携を図りながら集約的な医療を提供し、地域全体の医療の質を上げていくことが重要な役目だと考えています。地域医療連携の構築に向け、2020年には兵庫県と共同で「疾病別医療需給分析・展開事業」を開始しました。協力を得られた医療機関から、患者臨床情報や診療データなどを提供してもらい、集約・分析し、圏域ごとの医療提供の傾向や問題点の把握に役立てています。地域医療のシンクタンクの機能を担い、健康格差の縮小をめざすのと同時に、神戸市医師会、兵庫県医師会との連携によって患者さんの紹介・逆紹介を推進して、地域医療連携の活性化につなげていきたいと思います。

研究や医療開発にも積極的に取り組まれていますね。

2

医療産業都市を推進する神戸市では、「神戸大学医学部附属病院 国際がん医療・研究センター(ICCRC)」を拠点に先進的・革新的な医療技術や医薬品・医療機器の研究・開発が展開されています。2020年2月には産学官医連携による「神戸未来医療構想」がスタートし、大学と民間企業の共同研究による医療技術開発がさらに加速しました。当院も同センターと共同で先進的ながん治療や体への負担が少ない低侵襲の鏡視下手術などを推進するほか、次世代の手術支援ロボットの研究を行い、前立腺がん手術への実用化をめざし開発を進めている段階です。今後は適用範囲の拡大も視野に、遠隔化や自動化に向けた改良を進めていく予定です。世界的にも高いレベルでの臨床、先端医療技術の開発にまい進し、地域の患者さんに質の高い医療を提供しつつ、それと同時に日本の優れた技術を世界に向けて発信していきたいですね。

教育機関として、貴院ではどのような取り組みをされていますか?

3

医療人の育成も大学病院の重要な役目です。医療人にとって、医療的知識や高い専門性が必要であることは言うまでもありませんが、複数の職種が共有する医療現場で円滑、効率的に医療を遂行し、患者さんに満足してもらえる医療を行うには、十分な意思疎通ができるコミュニケーション能力と豊かな人間性が求められます。このような学びは机に向かって勉強するだけで身につくものではありません。当院では総合臨床教育センターを設置して、実際の医療現場の中で多職種合同教育を実践し、院内にとどまらず地域の関連病院で実習を行うなど、職種・職域を超えた横断的な医学教育、臨床研修を行っています。研修医、看護師だけでなくコメディカルスタッフや事務職員など、医療を支える人材を体系的・一元的に育成することでチーム医療の連携強化を図り、医療全体の質向上につなげていきたいと考えています。

眞庭病院長の専門分野についてお聞かせください。

4

専門は呼吸器外科で、肺がんの治療、手術に長年携わってきました。呼吸器外科に進んだのは日本でも肺がんが増え、治療の必要性を実感していたこと、当時上司だった医師が非常に熱心だったことが理由です。患者さんに社会復帰していただくために、手術そのものにベストを尽くすのはもちろん、そのための準備や手術の選択すべてにおいて、一切妥協しない姿勢に心を打たれました。肺がん手術はかつて開胸法が主流でしたが、低侵襲の内視鏡手術が進歩し、今ではロボット支援手術も行われるようになりました。また外科手術だけでは完治が難しい場合は、放射線治療や免疫療法などを組み合わせた集学的治療も確立されてきています。集学的治療においては各専門の協力が必要不可欠なため、当院では呼吸器外科・内科をはじめ各部門の連携を強めた呼吸器センターを院内に設置し、カンファレンスを通じてベストな治療法を議論する体制を整えています。

最後に今後の展望をお聞かせください。

5

地域の中核を担う高度急性期病院として、専門性の高い先進医療に取り組む一方で、体への負担が少ない低侵襲手術を推進するなど、患者さんに優しい医療を提供していくこともわれわれの務めだと考えています。高度な医療を提供できる環境を充実させ、治療に満足していただくのを重視しているのはもちろんのこと、基本理念はやはり患者さん中心の医療の実践です。大学病院は敷居が高い、行きづらいといった患者さんの不安な気持ちにまで目を向け、心のこもった医療の提供によって、「ここなら安心して任せられる」「この病院で良かった」と思ってもらえるような病院で在り続けたいと思います。患者さんに喜んでもらえること、それは私たち医療人にとっての喜びでもあります。職員全員が「自分たちが患者さんを守っていくんだ」という気持ちを1つに、これからも病院一丸となって信頼される病院をめざしていくつもりです。

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眞庭 謙昌 病院長

1990年神戸大学医学部卒業後、同大学医学部第二外科学教室に入局。兵庫県立成人病センター、国立療養所兵庫中央病院などの呼吸器外科での勤務を経て、1994年より神戸大学医学部附属病院第二外科で勤務。2001年から米国ニューヨーク市の病院で2年間勤務。2012年神戸大学大学院医学研究科外科学講座呼吸器外科学分野教授に就任。2021年2月に現職就任。

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