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医療法人財団 神戸海星病院

(兵庫県 神戸市灘区)

柴沼 均 病院長

最終更新日:2022/12/14

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紡がれてきた歴史を胸に、愛あふれた診療を

六甲山麓にある閑静な住宅街にたたずむ「神戸海星病院」は、150年にわたって地域住民の健康を支えてきた歴史ある病院だ。2006年に完成した新病棟は、雄大な外観と明るくスタイリッシュな空間が美しく印象的。長い歴史の中にはカトリック系団体が経営母体を担っていたこともあるそうで、院内のあちこちにはマリア像の姿も見られ清廉な雰囲気も漂っている。2022年4月に就任した柴沼均(しばぬま・なお)病院長は、病院について「キリスト教徒のための病院だと思っている人もいますが、そんなことはなく地域の皆さんのための病院です。実際、私もこの病院で生まれた地元民の一人なんです」とほほ笑む。その後の改編で残念ながら産婦人科はなくなってしまったものの、現在は、整形外科・眼科を中心に幅広い診療科を設け「愛と奉仕」の精神で診療にあたっている。そこで今回は、時代によって姿を変えながらも、こだわり続ける医療の質やホスピタリティーについて、詳しく話を聞かせてもらった。(取材日2022年11月11日)

まずはこちらの病院の成り立ちについて教えてください。

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当院は、1871年に「神戸万国病院」という名称で、神戸に居住する在留外国人のための病院としてドイツ人が創立した古い病院です。戦災での倒壊など大きな困難に見舞われる時もありましたが、患者さまやそのご家族、地域の皆さまに支えていただき、2021年には創立150周年を迎えることができました。自分自身が病院長に就任し、あらためてこの歴史について考えると身の引き締まる思いがします。また、それと同時に、次の50年、100年に向けた取り組みをしていかなくてはいけないと感じます。ここまで神戸海星病院に関わってきた多くの人の思いや歴史を大切にしながらも、より地域に必要とされる、より皆さまに貢献できる病院へと進化していけるよう、先進的で質の高い医療に積極的に取り組んでいきたいと考えています。

整形外科や眼科に特に注力されていると伺いました。

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整形外科では、膝関節・股関節置換術を中心に多くの手術を行っており、ロボティックアーム手術支援システムを導入しているのが特色です。このシステムを使用することで、より適切な位置へ人工関節を設置できるようになりました。これまで人間の経験や感覚に頼っていた部分が数値化されますので曖昧な部分がなくなり、より安全性に配慮でき、患者さまにとっても負担の少ない手術が可能です。術後にはリハビリテーションを通して、日常生活へ復帰できるようサポートしています。眼科では、全国も早い時期から取り組んできた白内障手術をはじめ、網膜硝子体手術、角膜移植のような眼科領域の希少疾患、難病に対する手術も常時対応可能です。また、バセドウ病眼症、IgG4関連疾患などの眼窩(がんか)疾患、眼内炎症、眼腫瘍、眼瞼下垂をはじめとする眼形成外科疾患など、幅広く対応しています。

内科や循環器内科にも医師が加わるなど、変化があるそうですね。

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われわれは地域の皆さまのための病院ですから、地域ニーズにお応えすることが何よりも大切だと考えています。高齢化が進む日本において、生活習慣病をはじめとする循環器疾患は地域の皆さまにとっても大きな不安の種になっていることでしょう。その不安を少しでも少なくするために、より良い医療をお届けできる体制を構築しているところです。また、治療においては必要な診療科の医師が連携をとるチーム医療を推進しています。眼科や整形外科、皮膚科であっても、安全に手術を行うためには循環器領域の管理が必要です。患者さん目線に立ってみれば、受診しているのは「診療科」ではなく「神戸海星病院」です。診療科はあくまでも入り口。患者さまの安心・安全のためにも診療科の垣根を超えて、病院が一丸となって治療に取り組むことが大切だと考えています。

「地域を支えるために変化する」という強い意志を感じます。

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当院は駅からも遠く、利便性という意味で優れているわけではありません。それなのに、これほど長く続けてこられた理由は何かというと、地域の皆さまに必要としていただいたからだと思っています。今はあらゆる面で変化するスピードが早い時代であり、不安定な時代でもあります。実際、新型コロナウイルスのような感染症や災害など、何が起きるかわかりません。「歴史があるから大丈夫だろう」とあぐらをかいている暇はないのです。実際に周りを見渡すと、この地域にも核家族が増え、高齢化が進んだことで一人暮らしの高齢者の数がぐんと増えました。この人たちをどう守っていくか。日々考え、われわれにできることを見つけ出して取り組むことこそが、この地域に病院がある安心を守り、未来へとつないでいくために必要なことだと思っています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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われわれは小規模な病院ではありますが、だからこそできることがたくさんあるはずです。これまでに築いてきた地域の方々との信頼関係を大切にしながらも、今後ますます進むであろう超高齢社会に向けて、新しいことにもどんどん挑戦していきたいと考えています。同時に医療用AI(人工知能)の導入も積極的に進めていきたいですし、開業医の先生方や介護、訪問看護ステーションとの連携を深めて「安心できる地域での暮らし」を支えるのもわれわれの仕事ではないかと感じています。あらゆる面において、知識や技術、設備の更新を進めていきたいですね。また、それと同時に、医療はやはり「人と人のつながり」でもあるはずだとも感じます。われわれの理念でもある「愛と奉仕 Love and Service」を忘れることなく、ホスピタリティーあふれた病院であり続けることにもこだわっていきたいです。

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柴沼 均 病院長

1989年神戸大学医学部卒業後、同大学医学部附属病院整形外科入局。三田市民病院、三菱神戸病院に勤務し、人工関節手術やリウマチ治療について研鑽を積む。米国NIH(アメリカ国立衛生研究所) への留学を経て、2004年より神戸海星病院整形外科で勤務。2022年4月1日より病院長に就任。手術支援ロボットの導入など先進的な取り組みを進める傍ら、愛のある医療人の育成にも力を注いでいる。

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