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20200428 1

学校法人藤田学園藤田医科大学病院

地元から海外までを視野に先進の機器を整え、研究を土台にした安心できる医療を追求

先進の医療と優しい医療をキーワードに、患者第一主義を貫く
多職種の医療職を養成する藤田医科大学伝統のチーム医療を実践

名古屋市の東、豊明市の広大な敷地に立つ『藤田医科大学病院』。同じ敷地内に医師、看護師、リハビリテーションの療法士など多くの医療人を育成する藤田医科大学や藤田医科大学看護専門学校があり、医療現場で多職種が協働するチーム医療を実践してきた。現在では、高度な先端医療を提供する特定機能病院、地域がん診療連携拠点病院、救命救急センター、総合周産期母子医療センターなど地域医療の中核となる役割を担いつつ、医療安全の体制強化や地域と連携して患者を最後まで支える仕組みづくりにまい進する。
創立以来、約50年間受け継がれてきたのは患者第一主義。湯澤由紀夫病院長は「優しさ」と「先進の医療」をキーワードとして挙げる。例えば、手術支援ロボットなどで患者の体に優しく、安全な手術に努め、術後は急性期リハビリで早期退院に導く。さらに、地域の医師と協力した在宅療養や緩和ケア病棟も活用し、シームレスに手厚いサポートを行う体制を築いている。

病院長メッセージ

湯澤 由紀夫病院長

湯澤 由紀夫病院長

1981年名古屋大学医学部卒業。名古屋第一赤十字病院で研修後、内科勤務。1987年より3年間米国ニューヨーク州立大学バッファロー校病理学教室に留学。帰国後は名古屋大学大学院病態内科学講座腎臓内科学に勤務。2010年4月藤田医科大学医学部腎内科学教授着任、同大学病院副院長を経て2014年4月より現職。日本腎臓学会腎臓専門医。専門は慢性腎臓病、IgA腎症、糖尿病性腎症。

2019 年12 月より開始した、院内ラジオ「フジタイム」

2019年12月より開始した、院内ラジオ「フジタイム」

「ふじたまちかど保健室」では地域住民の健康と暮らしを支える活動を行う

「ふじたまちかど保健室」では地域住民の健康と暮らしを支える活動を行う

国際医療機能評価「JCI認証」や
医療ロボットにも積極的にチャレンジ

患者第一主義を掲げる同院は、平成30年に国際的な医療機能評価の「JCI認証」を受審した。患者中心の高水準な医療を行い続けており、東海地方の医療をけん引する大学病院として、高度な先端医療の分野でも挑戦が続く。

病床数1435床の規模を有する大学病院として、高度先進医療を積極的に提供する同院。病院長は、「当院の特徴は、手術支援ロボット、リハビリロボットに代表されるように、先進的な医療にチャレンジしていることと、創立から約50年受け継がれてきた患者さんファースト、すなわち患者さんに寄り添う優しい医療を提供していることです」と力強く話す。
同院は平成30年8月に、JCIの大学病院プログラム認証を、99・8%の達成率で取得。その認証基準は「患者中心の診療」に関する部分だけで663項目、全体で1270項目もあり、「第三者の目で、本当に患者さんファーストの安全で質の高い医療が行えているかどうかを厳しくチェックしてもらいたかったのです」と語る。
また、同院は大学病院として早期に緩和ケア病棟を持つなど患者に最後まで寄り添う姿勢も特徴だ。地域のクリニックと同大学の訪問看護師、リハビリスタッフなどが連携し、退院後も地域ぐるみで支える活動を20年以上継続している。平成25年には介護事業も展開する承認を受け、大学内に地域包括ケア中核センターを開設した。
加えて、令和元年から始めたのが院内ラジオ。医療チームに患者も積極的に参加することで、入院患者に少しでも楽しんでもらおうという同院の優しさの象徴といえる。「医師やメディカルスタッフだけでなく、おいしい給食を作る職員、優れた機器の導入に奔走する職員、病院ボランティアの人など、多くの人々に当院が支えられていることを紹介したいと思っています」と湯澤病院長。患者第一主義の医療はさらに進化していきそうだ。

TOPICS

安心して医療を受けられる病院へ
JCI認証挑戦で業務改善を進める

JCI国際認証を取得するため、同院は2年がかりで準備し、領域ごとの多職種チームであらゆる点を見直した。例えば、救急患者が迷わないように外壁10メートルごとに「救急科」の方向を示すサインを設置し、万一、薬剤などが目に入ったときのためにフロアごとに目洗い器を設置するなど、多数の設備や業務を改善。患者がより安心できる病院になっている。

より優しい医療を患者へ届けるべく、職員全員一丸となってJCIの認定取得に臨んだという

より優しい医療を患者へ届けるべく、職員全員一丸となってJCIの認定取得に臨んだという

ロボット支援手術

ロボット支援手術の様子。同院では術者の教育にも注力している

ロボット支援手術の様子。同院では術者の教育にも注力している

術者はコックピットでアームを操作して手術を行う

術者はコックピットでアームを操作して手術を行う

平成21年からロボット支援手術に取り組み
技術向上のためのトレーニングセンターも開設

ロボット支援手術は、従来の内視鏡手術をさらに向上させることのできる革新的な技術だ。執刀医はロボットのコックピットで3次元画像を見ながらアームを操作して手術するため、まるで患者の体の中に自分の目や手が入っているような感覚で、精細な手技が行えるという。同院は、平成20年に手術支援ロボットを導入し、平成21年1月の1例目の手術から、11年間実績を積み重ねてきた同分野の草分け的存在だ。平成24年に泌尿器科領域のロボット支援手術が保険適用され、平成30年から多くの領域の手術に保険適用範囲が広がった。
また、同院は平成24年にロボット支援手術トレーニングセンターをオープン。基本操作を教えることはもちろん、献体でロボット支援手術の訓練が積める数少ない施設だ。ここ数年でロボット支援手術の需要は高まっており、全国からロボット手術の指導者をめざす外科医師が集まっている。

ロボット支援手術 消化器外科

宇山 一朗先生

消化器外科教授
宇山 一朗先生

1985年岐阜大学医学部卒業。慶應義塾大学外科学教室、練馬総合病院勤務を経て、1997年藤田医科大学医学部消化器外科学講座講師、2006年から教授を務める。海外で見たロボット支援手術に衝撃を受け、ロボット導入に尽力。2009年ロボット支援下胃がん切除手術を成功。

ロボット支援でより高精度な手術を実現
食道、胃、直腸のがん手術が保険適用に

同院の消化器外科は、平成21年から胃がんのロボット支援手術を手がけ始めた。平成30年から保険適用となった食道がん、胃がん、直腸がんのロボット支援手術でも豊富な経験を有し、国内および世界のロボット支援手術をリードし続ける。

消化器外科では平成の初めから腹腔鏡・胸腔鏡を用いた低侵襲手術に積極的に取り組み、さらにロボットを活用する経験を積み重ねてきた。宇山一朗先生は「ロボットは不可能な手術を可能にするものではありませんが、従来の腹腔鏡手術で問題となっていた動作制限や器具の手ぶれなどの問題を緩和し、より高精度で安全に低侵襲手術を行うことを可能にしました」とメリットを解説する。同院の年間ロボット支援手術数は、胃がんで86例、食道がんで37例、直腸がんで68例(平成31年1月~令和元年12月)。さらに、結腸がん、膵臓がん、肝臓がんなどでもロボット支援手術の実績を有している。
また、機能を高めた新型のロボットが発売される度に、迅速に導入。「これまでの腹腔鏡手術では小さな手術創で開腹手術と同等の術後成績をめざしましたが、ロボット支援手術では開腹手術より優れた成績を目標としています」と話すように、その可能性は大きく広がっている。

ロボット支援手術 泌尿器科

白木 良一先生

泌尿器科教授
白木 良一先生

1984年慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学病院研修医、国家公務員共済組合立川病院医員、ミズーリ州セントルイス・ワシントン大学外科客員研究員を経て、1995年藤田医科大学医学部泌尿器科学講師に着任。2009年から泌尿器科学教授を務める。

前立腺・腎臓・膀胱がんでロボットを活用
がんだけを切除して臓器の機能を温存する

泌尿器科は小児から高齢者まで、性別を問わず、泌尿器の疾患を幅広く診療。特に前立腺がん、腎臓がん、膀胱がんの手術では、精密な動きができる手術支援ロボットを活用し、低侵襲な手術をより安全に提供するための体制を整えている。

同科では平成21年からロボット支援手術に取り組み、平成24年の前立腺がんのロボット支援手術保険収載を機に、年々症例数を伸ばしている。現在、健康保険でロボット支援手術が受けられるのは、前立腺がん、腎臓がん、膀胱がんの3つで、同院でも積極的にこの手術を実施。白木良一先生によると、ロボット支援手術は手術創が小さく、術後回復が早いといった腹腔鏡手術の良さを受け継ぎながら、さらに手術精度を高められる技術だという。ロボットアームには関節がついているので、人の手と同じように細かく動かせる。「特に『縫う』動きは腹腔鏡手術と比べて非常にスムーズです」
がん手術では腫瘍以外の部分をほとんど傷つけずに切除でき、排尿などの機能温存が期待できる。さらに、「ロボットは細かい手技が求められる良性疾患手術、小児や女性の手術などで真価を発揮するようになるでしょう」と白木先生。同科ではこれらのロボット手術にも取り組んでいるそうだ。

ロボット支援手術 耳鼻咽喉科

楯谷 一郎先生

耳鼻咽喉科教授
楯谷 一郎先生

1994年京都大学医学部卒業。京都大学医学部附属病院の耳鼻咽喉科で研鑽を積む。京都大学大学院医学研究科准教授を経て、2019年藤田医科大学耳鼻咽喉科学教授に就任。京都大学時代から耳鼻咽喉科領域のロボット支援手術で実績を有する。

機能温存と治療を両立するロボット手術
実績豊富なベテランを中心に準備が進む

年間約1300件(平成31年1月~令和元年12月)の手術を行う同院の耳鼻咽喉科。令和元年7月には、同院に着任した楯谷一郎教授が中咽頭がんのロボット支援手術を実施した。耳鼻咽喉科領域でも、手術支援ロボットへの期待は大きい。

同科は、咽頭がん、喉頭がんなど頭頸部がんの手術のほか、聴力回復、鼻の通りを良くする、声を出しやすくするなど、耳、鼻、喉の機能改善を目的とした手術を実施。現在、同科で行うロボット支援手術のターゲットは咽頭と喉頭のがんだ。楯谷先生は、「声を出す、飲み込むといった機能に直結する部分ですから、がんを切除した上で、それらの機能を残すことが課題でした。機能温存を実現するために手術支援ロボットを用いて口から器具を入れ、がんの部分だけを精密に切除する方法が開発されたのです」と話す。
日本では楯谷先生が中心となり平成27~28年に、耳鼻咽喉科領域のロボット支援手術の将来的な保険適用をめざす先進医療Bとして3大学で多施設共同臨床試験を実施。平成30年8月に薬機法で手術支援ロボットを頭頸部の経口手術に用いることが認められた。近い将来に健康保険適用となるのも期待されている(治療開始時期のため正式治療費は未定。令和2年2月時点)。

脳神経外科

廣瀬 雄一先生

脳神経外科教授
廣瀬 雄一先生

1987年慶應義塾大学医学部卒業。同大学病院での研修後、関東の複数病院で研鑽を積む。専門は悪性脳腫瘍の治療。国立精神神経センター神経研究所では約2年間研究に従事。2006年藤田医科大学医学部脳神経外科学助教授に就任。2010年より現職。

それぞれの患者に合った術法で治療を進める

それぞれの患者に合った術法で治療を進める

関係各科と連携し、スムーズかつ安全な手術をめざす

関係各科と連携し、スムーズかつ安全な手術をめざす

脳腫瘍と神経疾患に対する外科治療を軸に
予後の良い治療の提供に力を尽くす

難治性てんかんなどの神経疾患や、脳腫瘍に対する外科治療を主とする脳神経外科。脳腫瘍の遺伝子解析による個別化治療や内視鏡を用いた低侵襲手術など、日々進展する技術を取り入れ、より高度な治療を追求するとともに、人材育成にも注力。

発症すれば、思考や行動といった日常生活への影響も懸念される脳神経疾患。その治療には確かな診断力と、必要な治療を実現できる高い技術力が求められる。同科は、脳腫瘍の中でも悪性腫瘍の治療を専門とする廣瀬雄一先生をはじめ、良性腫瘍の手術や、難治性てんかんなど神経疾患に対する外科治療といった、専門分野が異なる医師が複数在籍する。一口に腫瘍といっても、悪性と良性では治療の考え方が異なり、求められる手技にも違いがあるそうだが、同科では良性腫瘍における頭蓋底領域の手術を専門とする医師が治療に対応している。
「さまざまな疾患に対して高い精度の治療が提供できる体制が整っていると自負しています」
放射線科や麻酔科とも連携し、新しい検査や術式による診療にも積極的に取り組んでいる同科。また若手医師には、脳神経疾患全般の診療に携わる機会を設けるなど、未来の医療を担う人材育成にも尽力している。

脳卒中治療

中原 一郎先生

医学部脳卒中科教授
中原 一郎先生

1983年東京医科歯科大学医学部卒業後、京都大学医学部脳神経外科学入局。国立循環器病センター医長、小倉記念病院脳卒中センター長などを経て、2015年から藤田医科大学医学部脳神経外科学教授、2016年より現職。

ICTの導入により治療開始までの時間の短縮に成功

ICTの導入により治療開始までの時間の短縮に成功

同大学と企業が共同開発した新鋭の脳血管撮影装置

同大学と企業が共同開発した新鋭の脳血管撮影装置

内科と外科が脳卒中治療において常に協力
適切な治療を組み合わせて迅速に提供する

同院は24時間365日体制で急性期の脳卒中患者を受け入れている。その窓口となり、内科、外科、救急科をつなぐ役割を果たすのが脳卒中部門だ。すべての脳卒中患者を断らずに受け入れる姿勢で、地域医療の要として機能している。

一般的に脳卒中治療は、脳神経外科または脳神経内科の一方が担当することが多いが、同院では関連するすべての診療科の医師が常に協力し、手術、血管内治療、内科的治療を組み合わせた治療を提供する部門を設けている。
「部門を一つにすることにより、迅速で適切な治療を選び提供することが可能になりました」と中原一郎先生。脳卒中の中で最も多い脳梗塞。近年では薬で血栓を溶かす血栓溶解療法に加え、血管内治療を行うと予後が改善することが立証され「内科、外科、血管内治療の包括的な連携がますます重要です」と語る。同院では、ICT技術を用いて多数の検査・診断の進行状況を情報共有するシステムの開発と臨床導入も主導し、患者到着から治療開始までにかかる時間の短縮に成功。血行再建を駆使した脳血管外科手術、先進的な脳血管内治療、エビデンスを踏まえた創造性のある治療プロトコルの構築により、国内屈指の包括的脳卒中治療をめざす。

リハビリテーション科

大高 洋平先生

リハビリテーション科教授
大高 洋平先生

1997年慶應義塾大学医学部卒業。関連施設での勤務を経て、2011年慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室助教を務める。2019年9月より藤田医科大学リハビリテーション医学教授に就任。

企業と共同開発を行った歩行訓練ロボット

企業と共同開発を行った歩行訓練ロボット

客観的、定量的な歩行分析に基づく訓練

客観的、定量的な歩行分析に基づく訓練

ロボットなど先進技術とチーム医療を核に
「活動を育む」リハビリを提供

超急性期から回復期まで多数の入院患者を支え、生活復帰に導いている同院のリハビリテーション科。歩行訓練ロボットなど先進的なリハビリテーション機器を企業と共同開発し、安全な環境のもとで患者が活動する手助けを行っている。

常勤医16人、リハビリ専門スタッフ165人の充実した陣容を誇り、先進的なリハビリを実践する同科。受傷・発症直後からの超急性期リハビリ、手術前後の周術期リハビリ、急性期を経た患者への回復期リハビリの提供を担い、リハビリを受ける患者の割合は同院の全入院患者の4割に達する。
従来の経験と勘によるリハビリから脱却し、科学的な根拠に基づいたものにするため、同科では多くの企業と共同研究を実施。代表例が片麻痺の患者を対象とした歩行訓練ロボットで、同大学のリハビリ理論を具現化し、最小限の手助けをしながら、患者が自力で歩くことができるまで導いている。臨床研究では通常のリハビリより早く歩けるようになることが確かめられた。
平成30年に新しく始まった回復期リハビリテーション病棟は、快適な居住性と活動的な雰囲気を併せ持つ。
「リハビリは活動を育む医学です。活動することで能力を引き出すことができるのです」と大高洋平先生は話す。

産婦人科

藤井 多久磨先生

産婦人科教授
藤井 多久磨先生

1987年慶應義塾大学医学部卒業。国立がん研究センター研究所、米国エール大学にて研究を行い、2005年より慶應義塾大学専任講師を務める。婦人科悪性腫瘍の診療を専門とし、内視鏡手術や子宮頸がんに対する子宮温存手術を得意とする。2013年より現職。

コルポスコープを用いた精密検査も同院の特徴

コルポスコープを用いた精密検査も同院の特徴

子宮温存療法に関する資料

子宮温存療法に関する資料

患者の希望や病態に即した治療法を提案
高い診断力を強みに女性の人生を支える

妊娠・分娩の管理、不妊治療、婦人科腫瘍の治療、更年期障害など、産婦人科では女性にまつわるさまざまな医療の提供に尽力。若年層での発症も珍しくない悪性疾患の治療では、病気を治すだけでなく「産む」機能を守ることも重視する。

産婦人科の中でも婦人科疾患全般の診療に応じる婦人科は、特に腫瘍疾患に対する、腹腔鏡手術やロボット支援手術による低侵襲手術を強みとしてきた。治療に際して専用の拡大鏡で患部をくまなく観察し病態を診断するコルポスコープ診を行うのが特色の一つだ。また婦人科がんは20代など若年層が罹患するケースもあり、治療後の妊娠・出産を望む患者は少なくないという。藤井多久磨先生は「最優先するのは、患者さんの命を守ること」と前置きしながら「患者さんと十分に対話を重ね、円錐切除術や、腹式広汎性子宮頸部摘出術といった子宮温存療法による治療を視野に入れながら、産む機能を守りながらも病変を取り除く治療に注力しています」と語る。また同院は総合周産期母子医療センターに指定され、産科を中心に合併症妊娠やハイリスクな妊娠にも対応できる体制が整っている。女性の生を守るだけでなく、新たな命を育み産むサポートが充実しているのも強みといえよう。

ハートチーム

循環器内科、心臓血管外科と多職種が協働
大動脈弁狭窄症の新しい低侵襲治療を提供

同院の循環器内科と心臓血管外科は、両科合同のハートチームを構成し、TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)という先進的治療を行っている。両科の協力で、これまで開胸手術に耐えられなかったような患者も治療を受けられるようになった。

井澤 英夫先生

循環器内科教授
井澤 英夫先生
1989年名古屋大学医学部卒業。名古屋大学循環器内科学講座講師、藤田医科大学ばんたね病院病院長などを経て、2020年に藤田医科大学病院医学部循環器内科学教授に就任。

高木 靖先生

心臓血管外科教授
高木 靖先生
1985年名古屋大学医学部卒業後、同大学胸部外科学講座入局。愛知県内の病院やトロント大学で心臓血管外科の研鑽を積み、2013年から現職。

ハートチームでは、循環器内科と心臓血管外科が一緒に患者を診療している。看護師、薬剤師、リハビリテーションスタッフ、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなども加わる院内多職種ハートチームを構築。今後は地域のクリニックの医師や医療・介護従事者も加わる地域ハートチームへ発展させる準備を進めている。
循環器内科の井澤英夫先生は、両科が協働するメリットについて「心筋梗塞や弁膜症の治療には外科手術と内科的治療がありますが、それを選択する際に適切な判断ができますし、手術する場合も画像診断に精通した医師と外科手術が得意な医師が組むことで、より精密に術式を検討できます」と説明。また、心臓血管外科の高木靖先生は「低侵襲な治療法が次々登場していますが、メリットとデメリットがあります。
例えば10年後を考えた場合はどうなのかなど、患者さんの年齢や状態を考慮して、両科でしっかりと話し合って治療選択を行っています」と話す。将来は心臓のロボット支援手術も選択肢として加える予定だ。
同チームが取り組む先進的な治療方法の一つがTAVIだ。弁膜症の一種、大動脈弁狭窄症を、内科と外科が血管造影装置と手術台を備えたハイブリッド手術室で協働して治療する。治療には高度な技術を要するが、患者の身体的負担は少なく、これまで治療手段がなかった高齢患者に対しても低侵襲に治療できるようになった。また同院には多職種チームが備わっているため、術前・術後のリハビリや栄養指導で患者を退院まで導き、その後も心臓の働きが弱った患者をサポートし続ける体制が整っていることも特徴だ。

TOPICS

内科がカテーテルで人工弁留置
外科のアシストで安全確保へ

TAVIは大動脈弁狭窄症に対して、カテーテルを心臓まで挿入し、人工弁を留置する新しい治療法。両科の協力が必須で、同院では症例の8割は大腿の血管からアプローチしているが、それが難しい場合は外科が胸を小切開して心臓の先端からカテーテルを刺してアプローチする。場合によっては開心手術に切り替えるなど、何重にも安全対策が取られている。

経カテーテル大動脈弁留置術の様子

経カテーテル大動脈弁留置術の様子

乳腺外科

喜島 祐子先生

乳腺外科教授
喜島 祐子先生

1993年鹿児島大学医学部卒業後、同大学第一外科学教室に入局し、乳がん手術を担当。聖マリアンナ医科大学病院横浜市西部病院では乳房再建手技を学ぶ。鹿児島大学医学部第一外科学教室助手、講師を経て、2018年8月から現職を務めている。

症例集を使用し、患者に合わせた治療後のイメージを共有

症例集を使用し、患者に合わせた治療後のイメージを共有

エコー検査を行う喜島祐子先生

エコー検査を行う喜島祐子先生

術後も美しい乳房を温存したい女性のため
整容性とがん根治性の両立をめざす

医療の進歩により、乳がんは早期に発見すれば治る病気になってきたが、乳房を失うことに対する患者の不安や悩みは大きい。そんな患者のために、同院は十分ながん切除を行いつつ、整容性に優れた乳房温存手術を提供し、満足度を高めている。

同院は、早期乳がんに対しての乳房部分切除、いわゆる「乳房温存手術」を積極的に実施。女性にとって希望の持てる手術だが、喜島祐子先生は「乳房が小さい日本人の場合、切除範囲が大きいと乳房の変形が起きることも」と指摘する。平成25年に保険適用となった乳房全摘手術と、インプラントを用いた乳房再建手術を選択する患者が増加。だが、ごくまれに起こるリスクを考慮し、患者の要望やがんの進行度によっては、部分切除を選択するケースが近年多くなってきた。
同院では乳房の部分切除と乳房形成を併せて行う手術を実践。患者の体形とがんの位置や大きさに合わせて乳房の形状や乳頭の位置をデザインし、皮下脂肪や皮膚の一部などの乳房周囲の組織を補填して形状を整えていく。必要であれば反対側の乳房も含め下垂した乳房の縮小手術も加えるそうだ。「がんの取り残しがないように切除しながらも、乳房の形は術前よりも美しく」を目標に、手術を提供している。

呼吸器内科

今泉 和良先生

呼吸器内科教授
今泉 和良先生

東海市民病院や名鉄病院など地域の中核病院で研鑽を積む。名古屋大学医学部呼吸器内科学にて講師および准教授を務めた後、藤田医科大学医学部呼吸器内科学教授に就任。日本呼吸器学会呼吸器専門医・代議員、日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医。

他科との連携も盛んに行っている

他科との連携も盛んに行っている

内視鏡検査を行う医師とメディカルスタッフたち

内視鏡検査を行う医師とメディカルスタッフたち

がんや難治性疾患、呼吸異常の診療が強み
医師やスタッフと連携し医療の充実を図る

高度な医療を提供する大学病院として、同科では肺がんや間質性肺炎、重症気管支喘息など、重症および難治性の疾患の治療に取り組んできた。呼吸器外科との連携はもちろんのこと、地域の医療機関とも密にやりとりしながら患者を支えている。

磨き上げられた診断技術で、同科では呼吸器疾患全般に対して適切な治療の提供に努めてきた。中でも内視鏡検査・治療に力を注ぎ、重症気管支喘息における気管支温熱療法や肺がんの早期診断、気管支内治療などを得意とする。他にも肺がんの化学療法や間質性肺炎の臨床研究、睡眠時無呼吸症候群に代表される呼吸異常の治療にも精力的に取り組む。難病の一つである間質性肺炎は高齢者に多く「種類もさまざまで、正確な診断には専門的な知識が求められます」と今泉和良先生。難治性の疾患であることから、患者やその家族と丁寧に対話を重ね、治療に対する思いをくみ取ることも重視する。また、古くより緩和ケアを重視してきた同院の文化を受け、初期診断から治療、緩和ケアまで一貫して対応しているのも同科の特徴だ。
「元気になって退院されるのが一番。患者さんがより良い時間を過ごせるように寄り添う医療を実践するのも、私たちの大切な使命です」

眼科

堀口 正之先生

眼科教授
堀口 正之先生

1981年名古屋大学医学部卒業後、同大学眼科学教室入局。英国留学、名古屋大学医学部眼科講師を経て、1998年藤田医科大学医学部眼科学教授に就任。眼底をワイドに検査できる装置をメーカーと共同開発した経験もあり、藤田医科大学病院にも導入。

3D手術機器も導入している

3D手術機器も導入している

緊急入院にも対応できる病床も完備

緊急入院にも対応できる病床も完備

網膜硝子体手術や角膜移植、緑内障手術
充実した陣容で難度の高い手術を多数実施

同院の眼科は医師16人、視能訓練士15人と充実した体制で、白内障、緑内障、網膜、硝子体、角膜など各分野で世界水準の専門的な治療を提供。特に堀口正之先生が長年、専門として研究を重ねてきた網膜硝子体手術は豊富な実績を有している。

同科の馬嶋慶直前教授は水晶体超音波吸引術の本邦での草分け的存在。その伝統を引き継ぎ、今も年間2500件(平成30年1月~令和元年12月)を超える白内障手術が行われる。現教授の堀口先生の専門は、眼科手術の中でも難易度が高い網膜硝子体手術で、その数は年間1670例(同前述)に達する。堀口先生は、透明な眼内組織を染色することにより可視化する方法や眼底を隅々まで観察できる顕微鏡などを開発し、世界の眼科手術に大きく貢献。また、難易度の高い角膜移植、緑内障手術の専門家もそろい、あらゆる眼疾患に医療を行える体制が整う。
「当院は1400床以上の病床を持ち救急医療を重視しているので、緊急性の高い眼疾患も入院して手術が可能です」と堀口先生は語る。眼球破裂や網膜剝離などへの対応も安心だ。また、視能訓練士が充実し、普段の検査や訓練だけでなく、手術室の中でも機器のチェックや患者の確認などを行い安全な医療を支えていることも特徴だ。

整形外科 脊椎・脊髄部門

骨・運動器分野での質の高いチーム治療
高度専門治療を行う「最後の砦」

整形外科、脊椎・脊髄部門では、高齢者から小児まで幅広い世代を対象に、運動機能をつかさどる骨・運動器を診療。同院では、患者の生活の質向上につながる専門性の高い治療を部門間で密に連携し、質の高いチーム医療として行っている。

藤田 順之先生

整形外科教授
藤田 順之先生
1990年慶應義塾大学整形外科学教室入局。トーマス・ジェファーソン大学留学などを経て現職就任。

金子 慎二郎先生

医学部脊椎・脊髄科教授
金子 慎二郎先生
1988年慶應義塾大学整形外科学教室入局。ハーバード大学留学などを経て現職就任。主な専門は脊柱変形。

同院の整形外科が行う手術の約半数は、変形性股関節症、変形性膝関節症、腰部脊柱管狭窄症などの加齢に伴う疾患に対してであり、脊椎を専門とする、整形外科の藤田順之先生は、「病気の痛みから解放して差し上げるのが、当科の重要な仕事です」と使命を語る。一般病院には少ない肩関節を含めた上肢の疾患や、骨軟部腫瘍を専門とする医師もスタッフに名を連ねており、充実した診療体制であることが特徴だ。骨粗しょう症に対する治療では内分泌・代謝内科と、関節リウマチに対する治療ではリウマチ科と連携して、密な協力体制を構築している。脊椎・脊髄疾患に関しては、整形外科と脊椎・脊髄部門がチームで側彎や後彎などの高度脊柱変形に対する矯正手術など、極めて専門性の高い手術も行っており、「最後の砦」として力を発揮する。金子慎二郎先生は「脊椎・脊髄領域の専門性の高い治療を受けることを希望して、遠方から来られる患者さんも少なくありません」と話す。

施設紹介

再生医療研究施設

新たな再生医療研究を支える
世界レベルの細胞培養加工施設

2019年開設の再生医療研究施設は、細胞の培養から加工、投与まで一貫して行える世界レベルの施設だ。500平方メートルの同施設内には、無菌状態に管理された陽圧室に加え、空気を漏らさず感染者にも対応できる全排気型陰圧室を設置して安全に配慮して作業できる環境を整備。これまで外部委託していたウイルスの濃縮作業も実施可能となった。研究の柱となるのが、組織を再生させる働きを持つ体性幹細胞の活用。患者自身から採取した体性幹細胞を活性化させて体内に戻すことで正常な細胞を増やし、本来の機能回復につなげるもので、心不全や肝硬変などへの応用をめざしている。また、患者自身のリンパ球を用いたがん治療の研究にも着手する予定。海外の研究者を招いての共同研究や技術者の育成も視野に、研究を進めていく。

国際医療部門

医療ツーリズムの専門施設を開設
健康診断から治療までサポート

医療サービスを受けることを目的に、外国へ渡行する「医療ツーリズム」。多くの外国人患者を診療した実績を持つ同院は、2018年に医療ツーリズムに専門的に対応する健診施設「国際医療部門」を開設した。PET-CTや新型320列CT、3テスラMRI、超音波機器、内視鏡など、先進的な検査システムを用いて、がんや生活習慣病を基本に、心臓検査、認知症検査、女性向け検査などさまざまな検査により、各科教授クラスの医師が受診者の健康状態を精密かつ多角的に評価する。快適で心地良い個室や待合室も特徴で、言葉に不自由しないよう通訳も配置。また、健診だけでなく、病気が見つかった場合も、同院の適切な科に速やかにつなぎ、「優しさ」と「先進の医療」で、家族のように患者たちに寄り添い、サポートしている。

放射線棟

1棟丸ごと放射線施設で行う
超細密な画像診断と低侵襲治療

2012年に開設された放射線棟は、放射線科・放射線部による画像診断と低侵襲治療の専用施設だ。地下1階は放射線治療、1階は核医学検査、2階はMRI検査、3階はハイブリッド手術(血管造影)、4階はCT検査、5階はエックス線検査と、治療・検査別に分かれた各フロアに新鋭の機器を導入。建物は完全免震構造で非常用発電装置などを備え、災害対策にも入念だ。がん病巣をピンポイントで治療できる放射線治療装置、超急性期脳梗塞などの迅速な診断を可能にする3テスラMRI3台、全身のがん検査や再発診断などに威力を発揮するPET-CT2台、さらにメーカーと共同開発した被ばく線量を従来機種の半分に軽減できる新型320列CT3台と微細な病変を検出できる超高精細CT1台を備え、低負担で高精度な検査と治療を提供できる環境が整った。

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