全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,876件の情報を掲載(2025年10月26日現在)

  1. TOP
  2. 愛知県
  3. 碧南市
  4. 新川町駅
  5. 医療法人愛生館 小林記念病院
  6. 小田 高司 病院長

医療法人愛生館 小林記念病院

(愛知県 碧南市)

小田 高司 病院長

最終更新日:2025/10/22

Hf main z67527 20250903 052Hf main z67527 20250903 052

患者の豊かな人生を支えるケアミックス病院

名鉄三河線・新川町駅からすぐに位置する「小林記念病院」は、起源とする小林医院の創設から数えて80年、地域に暮らす住民たちが健やかに自分らしく生きていけるよう、医療と看護、そして介護の提供に力を尽くす病院だ。入院医療、外来診療、在宅医療、予防医学に重点的に取り組む同院。そんな同院を、さまざまな医療スタッフが専門性をいかんなく発揮して各種サービスを提供して支えている。病気の治療や健康維持・増進を担う医師と看護師、そして身体機能の回復や維持を担うリハビリテーションスタッフがチームとなり、患者の回復をサポートしている。また、かかりつけ医やケアマネジャーからの相談に応じるダイアルイン専用窓口を設けるなど、シームレスな地域連携を実現するための体制も築いている。小田高司病院長は「高齢者社会の進行とともに、包括期病棟からの退院先を探すことに難渋する事例が急激に増えています」と指摘した上で、介護施設との連携も密に取りながら、患者の希望にできる限り応え得る生活復帰の支援に取り組む。地域住民の暮らしを支え続ける同院の医療に対する信念や特徴的な取り組みについて話を聞いた。(取材日2025年9月3日)

こちらの病院の歴史と理念をお聞かせください。

Hf 1 z67527 20250903 055

当院は1945年小林清初代病院長が開業した小林医院に起源を発します。1950年に現在地に移転し小林外科病院と改称、医療法人小林病院を経て1984年に医療法人愛生館小林記念病院となり、現体制の基盤が整いました。1994年には一般病床と慢性期病床を備えたケアミックス型病院として、地域医療をスタートし現在に至ります。当法人は「人々の人生をより豊かにします」を使命に掲げております。この使命を果たすため、当院では外来、入院、在宅医療、健診事業を展開し、各事業をさらに細分化して、個別に管理運営する「家計簿会計(アメーバ経営)」を導入しています。「家計簿会計」により、各部門は担う役割を果たすことに集中でき、必要時には部門・部門が互いにサポートし合える体制となり、充実した医療・介護サービスの提供が実現しました。また、使命を達成するための指針となる冊子「愛生館フィロソフィ」が、各職員の行動を支えています。

地域における御院の役割、めざす医療の在り方をご紹介ください。

Hf 2 z67527 20250903 031

当院の役割は、リハビリテーションと退院支援を目的とした高度急性期・急性期病院の後方支援、高齢者の軽度救急を対象とする入院医療、在宅医療の提供、健康寿命延伸をめざす予防医療の4点に集約されます。中でも、入院医療における特徴的な取り組みとして紹介したいのが、「よろず相談窓口」です。これは、かかりつけ医、地域のケアマネジャーからの相談、救急隊からの受け入れ要請に応じる専用窓口で、経験豊富な看護師が担当し、迅速な入院の受け入れにつなげています。

リハビリテーションの特色をお聞かせいただけますか?

Hf 3 z67527 20250903 029

当院では理学療法士67人、作業療法士25人、言語聴覚士14人、健康運動指導を行うスタッフ2人、歯科衛生士3人が、入院・外来・介護施設・在宅でのリハビリテーションサービスを提供しています。特徴的といえるのが、リハビリテーション職の存在感が大きい点です。一般的には、看護部とリハビリテーション部は別々に存在しますが、当院では各部門に看護・リハビリテーション職を配置しており、部門によっては理学療法士が責任者を担っています。全スタッフで共有している「健康・病気が専門の看護師・医師と身体機能が専門の理学療法士がチームを組んでともにケアを提供する」という当院のリハビリテーションに関するイメージは、理学療法士が活躍しやすい環境の醸成に寄与しているかもしれません。患者さんやご家族を中心に、その周囲を各専門職が囲み、回復を支えるといった体制によって、入院・外来・在宅などでリハビリテーションを提供しています。

地域住民の健康を支えるには地域医療・介護連携も重要です。

Hf 4 z67527 20250903 020

もちろんです。当院では地域から毎月多くの入院患者さんを受け入れていますが、その多くは地域のクリニックからの紹介の患者さんや在宅療養中の患者さん、高齢者の救急搬送などです。老々介護、独身の息子の介護に依存した超高齢者の増加など、高齢社会の進行とともに、包括期病棟からの退院先を探すことに難渋する事例が急激に増えています。急性期治療を終えた後の高齢者を法人内外の介護施設と連携して居宅・在宅に帰すことが当院に求められる重大な使命と考えています。この使命を果たす上で欠かせないのが、垣根をつくらないことです。「よろず相談窓口」のように、気兼ねなくいつでも相談を持ちかけられる場を開くことにより、例えば緊急入院時にかかりつけ医の診療情報提供書が間に合わなくてもシームレスに入院を受け入れる体制を運用しています。「垣根をつくらない」ことが地域における医療・福祉のシームレス化の達成に結びついていると思います。

最後に、地域住民に向けてメッセージをお願いいたします。

Hf 5 z67527 20250903 008

私は外来・訪問診療・健診を一連の地域の医療サービスと捉えています。地域の高齢者の方は複数の合併症を持っておられることが多く、そのどれが増悪して入院となっても不思議ではない状況にあります。かかりつけ医による定期的な対面診察を前提に、年に一度は全身チェックをして複数の合併症の増悪を「未病」レベルで発見して治療を強化することは、高齢者の健康寿命の延伸にたいへん重要といえるでしょう。そのため、地域の皆さまは年齢に関わらず、ご高齢であっても健診をご利用いただきたいと思います。また、次の地域医療構想で「在宅医療等連携機能」とする病院の新たな役割が提示されます。これは入院医療と併せて在宅医療・訪問看護の提供をする病院でまさに当院の役割に該当すると考えているので、通院困難となりつつある高齢の患者さん、ご家族で訪問診療、訪問看護をご希望の場合、気軽にスタッフに在宅医療についてご相談いただければと思います。

Hf main z67527 20250903 052

小田 高司 病院長

外科を専門に、一般病院や大学、がん専門医療機関などに勤務。乳がん治療を数多く手がけ、手術はもちろん抗がん剤治療など、先進治療の経験も豊富。2013年地域包括ケアシステムに取り組むべく「小林記念病院」に入職。同年10月から現職。

access.png