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医療法人徳洲会 名古屋徳洲会総合病院

(愛知県 春日井市)

大橋 壯樹 総長

最終更新日:2023/09/05

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近隣連携も院内連携も密にし患者を支える

全国各地で「生命だけは平等だ」という基本理念のもと、「断らない救急」をモットーに地域医療を担ってきた徳洲会グループ。「名古屋徳洲会総合病院」はグループ内16番目の病院として昭和の時代に開業した歴史を持つ。365日24時間体制のもと、春日井市はもとより名古屋市北部や岐阜からも患者を受け入れており迅速に対応、ドクターカーやドクターヘリも有し緊急時に備えている。大橋壯樹(おおはし・たけき)総長は、大阪での病院勤務を経て1998年に同院の心臓血管外科開設と同時に部長として着任。それ以来、心臓血管外科手術が先進的かつ多様に進化するのに伴い、大橋総長ら医師たちもチームを組み、着実に症例を重ねてきた。「当院は若い先生も多く活気があります。気軽に相談(コンサルト)できる関係、また院内はもちろん近隣病院や開業医の先生たちと連携ができているのも強み。誠心誠意、患者さんに尽くすことをみんなで心がけています」と控えめな笑顔で話す大橋総長。インタビューを通して、グループ内で、そして同院で、働く人たちが誇りを持って生き生きと活動している様子が伝わってきた。(取材日2023年7月10日)

病院の成り立ちや地域における役割について教えてください。

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当院は1986年、徳田虎雄徳洲会前理事長により、150床を持つ病院として開院しました。その後、徐々に増床を重ね、2014年に現在の病院が完成しています。病床は350床、うち一般病床260床、ICU10床、HCU12床、緩和ケア病棟18床、療養病床は50床あり、24科を標榜しています。2011年という早い時期から手術支援ロボットを導入しており、泌尿器科や消化器外科の手術から始まって2017年以降は心臓手術の一部でもできるようになりました。365日24時間の救急体制が整っており「断らない医療」が当院のモットー。ドクターカー、ドクターヘリも備えており、岐阜県の山間部への出動や緊急時の出動に役立っています。救急搬送の受け入れは、春日井市はもとより名古屋市北部、岐阜県、まれに三重県からもあり、この地域での中核病院としての役割が大きいと感じています。

こちらでは心臓血管外科手術に注力されていると伺いました。

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この規模の病院には多い8人の医師がおり、他の病院からも患者さんを受け入れています。ステントグラフト手術や植込み型補助人工心臓手術、カテーテル左心補助ポンプのカテーテル導入はいずれも早期から行ってきました。特に多いのはロボット支援による僧帽弁形成術で、急性大動脈解離など緊急な疾患対応にも力を入れています。冠動脈バイパス術は症例によりロボット支援手術が可能で、弁膜症手術では僧帽弁クリップ術、また経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)にも対応しています。当院にはハイブリッド手術室があり、循環器内科とは同じハートチームとしてしっかり協力しています。多くの先進的な手術が可能なのは、他科の先生方はじめ看護師、麻酔科など優秀なスタッフも交えたチーム医療の力が大きいと思っています。当院で育った先生が大垣や大阪、京都など他の徳洲会病院で心臓血管外科手術をするなどグループとしての強みもあります。

手術を受けた患者さん向けの「術後の会」があるそうですね。

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はい、当院の患者さんは地元の方だけでなく県外からも来られていらっしゃいますので、年に1度はお会いして様子を知りたいと考え、術後の外来を設けているほか、会報を出したり食事会の計画をしたりしています。患者さんの笑顔を見るのは私たちにとって非常にうれしいことです。また、患者さん同士で医師に話しにくいことを相談したり、情報交換したりする機会になれば良いなと思っています。術後20年を過ぎた方には、よく医師のアドバイスを聞いて健康的な生活を送られましたねという感謝の気持ちをこめて感謝状をお贈りします。

他に特徴や強みはありますか?

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患者さんは高齢の方が多く、心臓の病気の他に糖尿病、脳梗塞、脊髄疾患、泌尿器科疾患、歯の疾患などいろいろな病気をお持ちです。そういう場合には全身管理が必要で、複数の診療科を擁する総合病院であることは大きな利点だと思っています。特に、当院はすべての医局の先生たちと顔の見える良い関係を築いており、毎朝医局全体で15分のミーティングを行っています。電話をすれば、まるで主治医のように駆けつけてくれるのは本当にありがたいと思っています。逆に私たちも呼ばれれば駆けつけます。そうした連携力、団結力が徳洲会の、特に当院の強みですね。また、当院では多くの研修医がいますが、教育には力を入れており、院内ネットワークでいつでも自由に学べる環境があります。全科において、若いパワーとベテランの豊富な経験、熟練した技術が連携していることが安心できる医療の提供につながっていると思います。

今後の展望についてお聞かせください。

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チーム医療や連携の強さについてお話しましたが、連携は院内だけでなく院外でも実践しています。近隣病院の救急隊とは合同で年4回勉強会を開催しており、毎回100人ほどの参加を得て、緊急時の素早い搬送、治療のための協力体制を確認しています。また患者さんを生涯支えるためには開業医さんとの連携も欠かせません。患者さんに誠心誠意、心を込めて接するように、開業医さんにも礼を尽くし、協力体制を密にするよう若い先生方にも指導しています。当院では若手の医師がどんどん育っているので期待が大きいですね。病院の今後については国内にとどまらず海外にも目を向けており、インドネシアやモンゴルなどに心臓血管外科の病院を作ろうという計画があります。すでに中国とは交流があり、留学で来られている先生もいます。これまでどおり質の高い、安心していただけるような医療レベルを保ち、それを当院以外に広げることにも力を尽くしていきたいですね。

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大橋 壯樹 総長

徳島県出身。1986年大阪大学医学部卒業後、同大学医学部第一外科、大阪府立病院外科、国立循環器病センター心臓血管外科などを経てメルボルン留学。帰国後、亀田総合病院心臓血管外科医長、1998年名古屋徳洲会総合病院心臓血管外科部長に就任。2022年医療法人徳洲会副理事長に就任。日本外科学会外科専門医、日本循環器学会循環器専門医、日本心臓血管外科学会心臓血管外科専門医。

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