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一宮市立市民病院

(愛知県 一宮市)

志水 清和 院長

最終更新日:2024/04/22

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高度急性期医療を軸にオールラウンドに対応

幅広い診療科を標榜し、NICU・ICU・HCUなど集中治療室を計39床備え、結核や感染症病棟を含む594床を抱える「一宮市立市民病院」。地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院、災害拠点病院であり、救急患者を24時間体制で受け入れる救命救急センター、地域周産期母子医療センターを有するなど、尾張西部地域の医療を支える要となる存在感を示す。志水清和院長は「がん治療や循環器疾患などへの高度医療、感染症の対応、災害医療や救急医療、そして緩和医療などオールラウンドな診療体制が当院の特徴」とし、「公立病院は市民生活のライフライン。ゆえに幅広い役割を全うすることが重要です」と使命感を語る。自身は循環器のエキスパートとして長らくカテーテル治療などに携わってきた。後進の育成にも励み、2023年4月から院長に。「医師が仕事をできるのは、医師の努力もさることながら、スタッフのチーム力のおかげです。スタッフには自由に、前向きに仕事に取り組んでほしい」と穏やかに話す。同院の強みやめざすところ、患者への思いなどについて話を聞いた。(取材日2023年9月14日)

こちらの病院のこれまでについて教えてください。

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当院は、1936年に診療所として開設されて以来、90年近い歴史があります。戦時中に病棟が全焼しましたが、終戦後、市民にできるだけ早く医療を提供するため市の施設を借りて診療を開始したと聞いています。2010年、私も在籍していた愛知県立循環器呼吸器病センターとの統合により心臓血管外科、血管外科の診療科が加わり、三次救急の受け入れがスタート。2018年、新病院の開設を機にハイブリッド手術室が設置され、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)の提供が可能になりました。泌尿器や消化器、婦人科疾患の治療においてはロボット支援手術を導入しています。また現在、がんはともに生きていく病気として外来での化学療法が重要となっており、当院には外来化学療法室と緩和ケア病棟を中心としたフロアを設けています。緩和ケアにおいては、患者さんご本人、ご家族の意思を尊重し、最期の時まで寄り添います。

病院の特徴や役割としてはどんなことがありますか?

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当院は、地域がん診療連携拠点病院、災害拠点病院、地域医療支援病院の役割を担っており、地域周産期母子医療センター、救命救急センターなど三次救急病院としての専門部門も有しています。がん治療を含めた高度で質の高い医療をはじめ、感染症対応専門の病棟もあり、緩和ケアもきちんと行うなど幅広く、オールラウンドの診療体制を整えているところが最も大きな特徴であり、尾張西部医療圏において重要な役割であると思います。脳血管疾患、心疾患、感染症など急を要する患者さん、さらに妊産婦さんや小児の救急受け入れについても十分なスタッフがそろっています。伝統的に、この地域の患者さんのために心血を注いでこられた先生方が多く、その魂が今も受け継がれているのだと感じます。

他にも特徴などがあれば教えてください。

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例えばコロナ禍でECMO(エクモ)の名前で知られた体外式膜型人工肺は、当院では5台所有しています。もともと人工肺としてだけでなく心肺停止で搬送された患者さんに対する補助循環の機能を持ち、救命の場に欠かせないものなのです。また当院で移植はできませんが、人工心肺装置による治療が可能な施設であるため、移植を行う名古屋大学医学部附属病院のフォローができる体制があります。この7月には紹介受診重点医療機関となり、さらには私が院長就任時に目標としていた急性期充実体制加算もこのたび認められました。これは高度な医療、救急体制、手術実績など厳しい要件を満たしているという証であり、尾張西部地域の急性期病院としての役割と使命がより明確になったといえます。以上のことは、もともとこの病院が持っていた潜在能力が高かったということだと思います。それにはスタッフたち、人の力も大きいです。

スタッフの方々についてもお聞かせください。

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医師の仕事は、各種専門スタッフに支えられて初めてできるものです。その点、当院は優秀なスタッフがそろっていますね。看護師は、救急看護や小児看護、糖尿病看護など専門の看護師も多いのですが、さらに医療の質を高めたいという要望を受け、一部医療行為となる特定行為を行う看護師の育成にも取り組んでいます。当院は大規模で先進の設備もそろっていますが、病院の良さは結局、そこで働く一人ひとりの志によって決まるもの。私は医師という仕事に誇りとやりがい、感謝の気持ちを持っていますが、それは研修医の頃から、患者さんや看護師に教えてもらったり励まされたりして育まれたと思っています。当院のスタッフにも誇りとやりがいを持ってもらい、その能力をぜひ最大限に発揮してほしい。そのための環境を作ることが私の仕事ですね。最終的に責任を取るポストとして院長がいますので(笑)、スタッフにはある程度自由に、前向きに仕事をしてほしいです。

今後の展望についてはいかがでしょうか?

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地域の皆さんに安心して暮らしていただくためには、急性期治療後の回復期リハビリテーション病棟を持つ病院や地元の開業医さんとの協力体制が欠かせません。現在はあるインターネットサービスを利用すれば当院の電子カルテを閲覧できMRIやCTの予約も可能ですので、先生方にはぜひ活用していただければと思います。当院の理念である「地域の皆さんに愛され、信頼され、期待に応えられる病院」となるためには、最初にお話ししたとおり、急性期医療を軸に幅広くオールラウンドに対応することが非常に大事。市民のライフラインとしての公的病院のこの大切な役割は、これから先も綿々と続いていくわけです。焼け野原で「地域のためにできることをする」と病院を再開した先人たちの思いが当院の根幹にあります。その魂を、途切れさせることなく次の世代にきちんとした形でバトンタッチしたいと考えています。

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志水 清和 院長

1986年名古屋大学医学部卒業。公立陶生病院で初期研修後、1997年半田市立半田病院循環器内科部長、2009年愛知県立循環器呼吸器病センター循環器内科部長。2010年同センターの一宮市立市民病院との統合を機に同院循環器内科部長に就任、副院長を経て2023年4月より現職。日本循環器学会循環器専門医、日本救急医学会救急科専門医、日本内科学会総合内科専門医。

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