脂肪肝、胆石症、膵炎など
肝胆膵疾患の症状と検査のポイント
医療法人善恵会 長屋病院
(愛知県 豊橋市)
最終更新日:2026/03/06


- 保険診療
- 過敏性腸症候群(IBS)
- 潰瘍性大腸炎
- 急性膵炎
- 脂肪肝
- 十二指腸潰瘍
- 食道がん
- 膵臓がん(膵がん)
- 胆石症
- 大腸ポリープ
- 胆のう炎
- 大腸がん
- 胆道がん(胆管がん・胆のうがん)
- 慢性膵炎
- クローン病
- 逆流性食道炎
消化器とは、人間が生きていくために不可欠な食べ物の消化・吸収・排泄を担う器官の総称だ。具体的には、口から肛門まで続く食道や胃、大腸などの消化管をはじめ、肝臓や胆のう、膵臓などが含まれる。これらの臓器に生じる疾患を専門的に診療する分野が、消化器内科である。胃潰瘍や逆流性食道炎といった身近な疾患から、大腸がんや肝炎、膵炎などの重篤なものまで診療は多岐にわたるという。「長屋病院」で内科部長を務める長屋龍太郎先生は、日本消化器病学会消化器病専門医の資格を持つ消化器内科のスペシャリスト。消化器内科で診る一般的な疾患からあまり聞きなれない胆膵疾患まで、消化器内科の診療について長屋龍太郎先生に詳しく話を聞いた。(取材日2025年12月2日)
目次
消化器疾患を幅広く診るスペシャリストたちによる総合的な内科診療
- Q消化器内科ではどのような疾患を診ているのでしょうか?
- A

丁寧な問診を通じて、患者に寄り添う医療の提供に努める
消化器内科では、食べ物の通り道である食道・胃・大腸といった消化管の他にも、消化にまつわる肝臓や胆のう、膵臓など、さまざまな臓器の疾患を診ています。例えば、食道なら食道がんや逆流性食道炎を、胃や十二指腸なら胃がん、萎縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などが挙げられます。さらに、大腸なら大腸がんや大腸ポリープ、過敏性腸症候群(IBS)、潰瘍性大腸炎、クローン病など、肝臓なら肝細胞がんや脂肪肝があり、胆のうなら胆のうがんや胆のう炎、胆石症。膵臓は膵臓がんや急性・慢性膵炎などがありますね。これらの疾患は内視鏡検査や腹部エコー検査、CT検査など、状況に応じた検査によって病変を確認し、診断につなげています。
- Q沈黙の臓器と呼ばれる肝臓の疾患について詳しく教えてください。
- A

脂肪肝は自覚症状がなく放置されがちなため早期発見が重要となる
代表的なものに脂肪肝があります。脂肪肝の原因の1つにアルコールが挙げられますが、近年はお酒を飲んでいなくても脂肪肝になってしまうMASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)という疾患が注目されています。MASLDとは糖尿病や高血圧症、脂質異常症といった生活習慣病と脂肪肝が併存している状態を指します。初期の炎症が少ない段階であれば、生活習慣の改善や薬物治療によって、元の健康な状態をめざすことが可能です。ですが、放置すると肝硬変や肝細胞がんに進行する恐れがあります。そこまで進行してしまうと残念ながら元に戻すことはできず、一生付き合う病となってしまうため、早期発見・治療が大切です。
- Qどのようなタイミングで、どのような検査が必要になりますか?
- A

患者が不安な気持ちにならないよう、丁寧で優しい検査を心がける
肝臓の疾患は自覚症状がなく気づきにくいため、定期的に検診を受け、異常があれば再検査を受けましょう。肝臓の評価には、エコー検査が必須です。エコー検査とは、超音波で体の中を調べる検査のことです。おなかにプローブという機械を当てて行うので、痛みや被ばくの心配がありません。特に当院のエコーは、脂肪肝の程度を数値化したり、肝臓の硬さから肝硬変らしさを判断したりする機能を備えており、通常のエコーよりも詳細に肝臓の状態を評価することが望めます。腸管の「中」を診られる内視鏡検査と「外」を診られるエコー検査、両方を組み合わせることで、精度の高い診断につなげられます。
- Qあまり耳にしない胆膵疾患についても教えてください。
- A

自覚症状が出にくい疾患は放置されがちなため早期発見が重要
胆膵疾患とは、胆管や胆のう、膵臓に関連する疾患の総称です。代表的なものとして、胆道系では胆石症や胆のう炎、胆管炎、胆道がんなどが挙げられます。膵臓の場合、激しい痛みを伴う急性膵炎や慢性膵炎、早期発見が難しい膵臓がん(膵がん)などがあります。これらの臓器は近い場所にまとまっているため、胆管の疾患が原因で膵炎が引き起こされるなど、一方の異常がもう一方に影響を及ぼす恐れがあります。また膵臓がんは、膵臓の真ん中や腸管から離れた部位に腫瘍ができた場合はより症状が出にくいため、気づいた時には進行しているケースが少なくありません。ですから、胆膵疾患も症状がない段階での検査が重要です。
- Q胆膵疾患の検査・治療はどのように進みますか?
- A

先進の機器を導入し、より精密な診断につなげている
胆膵疾患を発見するには、病変の全体像の把握のためにCT検査が、内部構造の詳細確認のためにエコー検査が必要となります。どちらも当院で可能です。特にエコー検査は微細な病変を見逃さない技術力が必要ですが、当院には経験豊富な検査技師が在籍しており、高精度で見逃しのない検査・診断に努めております。安心して検査を受けていただけると思います。胆膵疾患の治療には、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)やEUS(超音波内視鏡)など、高度な内視鏡検査が必要となることが多いです。治療は薬物療法や外科的処置、食事療法など多岐にわたります。複雑かつ専門性が高いことから、対応可能な高度急性期病院をご紹介いたします。

長屋 龍太郎 内科部長
2018年大阪医科大学医学部医学科卒業後、トヨタ記念病院、豊田地域医療センターなどで研鑽を積み、2024年より現職。内視鏡センター長も兼任。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医として、豊富な知識と高度な技術で、肉体的にも精神的にも患者に負担の少ない内視鏡検査を心がける。日本専門医機構認定内科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医の資格も有する、内科全般と消化器内科に精通したエキスパートである。





