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社会医療法人石川記念会 HITO病院

(愛媛県 四国中央市)

石川 賀代 理事長

最終更新日:2024/10/18

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病気だけでなく「人」を診る、支える病院

「いきるを支える」をコンセプトに、病気だけでなく人を診ることを一貫して大事にしてきた「社会医療法人石川記念会 HITO病院」。HITOとは、「Humanity/患者を家族のように想い、温かく接する」「Interaction/患者との対話を尊重し、相互理解に努める」「Trust/技術と知識の研鑽に努め、信頼される医療をめざす」「Openness/心を開き、患者と公平に向き合う」という理念の頭文字をつないだもの。宇摩医療圏において急性期医療を軸とした中核的な病院として存在する。一方で地域の高齢化、がん患者の増加に合わせて回復期病棟や緩和ケア病棟を充実させ、開業医とも連携を強めるなど、誰もが住み慣れた地域で暮らせるようサポートにも力を注ぐ。2021年4月には脳卒中や心筋梗塞など心・脳血管疾患に特化した部門を開設、迅速で低侵襲な治療をめざす。「高齢になっても人生のセカンド、さらにはサードステージまで元気に過ごしていただきたいというのが私たちの願いです」と語る石川賀代理事長。前身である石川病院の時代から続く理念や今後の展望についてなどさまざま語ってもらった。(取材日2021年11月22日)

貴院の歴史や特徴について教えてください。

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当院は私の父、石川綮一が1976年「石川外科医院」として開設したのが始まりです。以来45年、2013年に現在の名称に変更、新築移転してからは8年になります。当時、県立病院の民間移譲により104床を増床し、現在は228床を有しています。救急病院として超急性期、急性期疾患の患者さんの受け入れが多い一方、回復期病棟を備え、リハビリテーションにも力を入れています。もともと先代の頃より、高齢の方でも自分らしく地域で生活できるように治療後も支えていきたいという思いがあり、石川ケアグループとしてかなり早い時期から介護系の施設を持っていました。さらに、がん患者さんの増加に伴い、緩和ケア病棟も充実させており、多分野の専門職によるチームがケアにあたっています。診療圏は広く、宇摩圏域はもとより隣接する新居浜市や徳島県三好市からも患者さんが来られています。

コンセプトはどんなことでしょうか?

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まず新病院をつくるにあたっては内装にこだわりました。「ホテルや美術館のよう」と言われることもありますが、私自身が真っ白で無機質な感じがあまり好きでなかったこともあり、木や紙など和の素材を生かしたデザインとしました。不安を持って来られる患者さんやご家族に落ち着きやくつろぎを感じていただけたらと思っています。当院では旧病院時代より、「いきるを支える」がメインコンセプト。新築の際、大事に引き継ぐべきものと新しく加えるものを整理したのですが、「最期まで一人ひとりの患者さんに向き合う」「誰も見捨てない医療」というのはずっと根幹にあり引き継いでいきたいと思います。患者さんはもちろん当院に関わるすべての人を支え、社会に貢献する医療・介護・福祉の実現をめざしています。理念である「Humanity」「Interaction」「Trust」「Openness」の想いは、全職員の行動規範にもなっています。

一般的な診療科に加え、専門的な部門も備えておられますね。

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はい、今お話したうちの「新しく加えたもの」になります。名称に「糖尿病」「頭痛」「てんかん」など疾患名がついていると患者さんがわかりやすいですよね。「歩く」にフォーカスした診療部門もあり、「歩きにくい」「歩けない原因がわからない」という方が多く来られています。そこで診断した上で整形外科や神経内科などその方に適した専門科へつなぐのです。どの科にかかってよいかわからない方のためには最初の入り口として総合診療科があります。また後遺症が残る率が高いのが脳卒中、心筋梗塞であることから新築時よりその対応に注力しており2021年4月には脳卒中専門の集中治療室SCUを開設しました。脳卒中や心筋梗塞は時間との勝負です。県内ではまだ少ない血管内治療が可能なほか、入院当日から医師の指導のもとでリハビリを行うなど、できる限り侵襲が少ない治療、できる限り後遺症少なく元の生活に戻れるようなサポートに力を尽くしています。

大勢の職員の方が笑顔で働いておられます。

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新築時に一気に100床以上増えましたので、職員の数も増えました。治療の質をキープするため医師とチームを組んで横断的な組織をつくり、教育にも重点的に取り組みました。開設時から専門的な診療部門を設けたのは職員の教育面からも良かったですね。おかげで優れた人材が育ってきていると自負しています。2017年よりICTの利活用を始め、現在555人いる職員のほぼ全員に端末を配布、情報の共有や業務の効率化を図っています。電話だと相手の手が離せないときにかけてしまって互いに緊張することもありましたが、端末では緊急の場合でも安全性が確保された中で連絡やコミュニケーションを取ることができます。また、子育て中の職員のためには保育所を備えており、皆が働きやすい職場づくりにも努めているところです。

病院運営に対するお考えや今後の展望についてお聞かせください。

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新型コロナウイルスという大きな試練もある中で、既存のやり方にこだわっていると新しい時代に向けた対応が難しいのではないかなどさまざまなことを考えました。今私ができることは、スタッフが働きやすい、意見を言いやすい環境を整備すること。大きな組織ですので、よりICTの利用促進を図り、現場からの意見やアイデアをくみ上げていきたいです。私が旗を振るより、スタッフがそれぞれの専門や得意なことを生かしてスピーディに自由に行動できる「舞台」を用意することが時代にも合っていると思います。また地域にある病院ですので開業医さんとのつながりも大事にしつつ、地域の方に向けた発信もしていきたいですね。キーとなるのは健康増進、未病に対する啓発です。超高齢社会の今、病院だからといって病気だけを診るのではなく、人生のセカンド、さらにサードステージにおいても誰もが自分らしく元気に生活できるようにお手伝いしていきたいと思います。

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石川 賀代 理事長

1992年東京女子医科大学卒業、同大学病院消化器内科入局。大阪大学微生物学教室非常勤講師を経て2000年医学博士、2002年医療法人綮愛会石川病院(現・社会医療法人石川記念会 HITO病院)入職、内科医長を経て理事長・病院長就任。現在は理事長と石川ヘルスケアグループ総院長を兼務。日本肝臓学会肝臓専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。

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