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社会医療法人同心会 西条中央病院

(愛媛県 西条市)

風谷 幸男 院長

最終更新日:2025/01/27

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高度急性期から慢性期まで対応する基幹病院

1954年に創立し「地域社会への奉仕の精神」を基本理念に、地域から信頼される医療の提供を続ける「西条中央病院」。内科、外科、小児科、産婦人科、整形外科、放射線科、麻酔科など豊富な診療科とHCU(高度治療室)を備え、急性期病棟から地域包括ケア病棟、慢性期病棟まで幅広い入院に対応するケアミックス病院だ。急性心筋梗塞など緊急性の高い心疾患の救命救急のためACSホットラインを設置し緊急カテーテル治療にも対応する循環器内科、周産期医療に注力する産科と小児科など、地域に求められる医療を提供している。2020年から同院を総括する風谷幸男院長は、地域のニーズにマッチした医療の提供を目標に掲げ、質の高い医療の追求と低侵襲手術の推進、救急医療体制の構築に力を注いできた。看護師のスペシャリスト育成にも努める同院。需要の多い領域は地域完結型医療をめざし尽力する風谷院長に同院の特徴や地域での役割、今後の展望について話を聞いた。(取材日2024年11月29日)

病院の特徴、地域における役割を教えてください。

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当院は人口約10万3000人の西条市の基幹病院として、急性期医療では手技・手術を伴う入院や救急医療を中心に担っています。当院の強みの一つである循環器内科では、2020年からACSホットラインを設置し、平日は24時間冠動脈のカテーテル治療(PCI)にも対応。PCIの総数は163件(2023年11月~2024年10月実績)、緊急PCIは51件であり、西条市の人口から見て納得のいく数字だと思います。20分以上続く胸痛や苦しさは、急性心筋梗塞でなくても重大な病気の可能性が高いため「救急搬送は断らない」姿勢です。昨年度は冠動脈に限らず、そのほかの臓器も鮮明に確認できる先進のCTを導入。心拍コントロールがほぼ必要なく、被ばく量や造影剤の量も少ないため患者さんの負担軽減にもなっています。心血管連続撮影装置の更新も決まり、冠動脈の治療だけでなく不整脈や脳血管治療にも対応できる機器にグレードアップします。

周産期医療やそのほかの診療科についてはいかがでしょう。

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当院は、西条市で産科と小児科を併設し入院対応している医療機関です。産科、小児科は連携して診療を行うほか、小児救急では新居浜市の医療機関と交代で365日緊急入院対応する体制を整備しています。産婦人科病棟は12床で、産科のみならず婦人科手術、特に内視鏡による手術に積極的に取り組んでいます。胃内視鏡検査や大腸内視鏡検査の件数が多いのも特徴の一つです。がんやポリープなどが見つかると、内視鏡で切除できるものは内視鏡で、難しい場合は外科的に取り除きます。消化器外科では、愛媛大学名誉教授で腹腔鏡や手術支援ロボットによる手術のエキスパートである渡部祐司医師を迎え、多数例の手術を行っています。手術の低侵襲化については、今後も積極的に推進するとともに手術支援ロボットの導入もめざしています。整形外科でも、愛媛大学における人工関節や脊椎の各スペシャリストの先生方の支援を得て、数多くの診療や手術を行っています。

病院運営で大事にされていることは何でしょう?

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医療は地域のニーズに合ったものでなければならないし、ニーズにマッチしていなければ経営も成り立たないというのが、私の根本にある考え方です。地域に必要とされていながら、足りていない領域の医療を提供できるように努めることは医療者としての使命です。院長就任以来、当院が西条市の基幹病院としての役割を担っていくために必要とされる診療科の常勤医の獲得や医療機器の導入を進め、地域で危機的状況にある救急医療の充実を図ってきました。単純な拡大路線ではなく、地域のニーズと超高齢社会に求められる医療を担っていきたいと思います。例えば、高齢者に対して「松山市の病院で治療してもらってください」と言ってもなかなか足が重いでしょうし、家族の負担も大きいですよね。だからこそ、当院が目標とする、高齢者にも負担の少ない低侵襲手術の導入と需要の多い領域は地域で治療を完結する「地域完結型医療」が重要だと考えています。

志の高いスタッフさんがそろっていると伺っています。

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当院に着任した際、メディカルスタッフのレベルの高さに驚きました。これは先代の院長をはじめ職員の努力のたまものだと思います。市民のために働くという職場風土、救急医療に対しても断らずに積極的に取り組もうとする文化はこれからも守っていきたいですね。スタッフのことでいえば、当院にとって大事な視点の一つは教育ができる病院でなければならないということです。自分を超える人が育ってこそ真の教育であり、教育は当院の生命線だと思っています。若手を教育し育てることができる病院でなければ大学病院は優先的に医師を派遣してくれません。医療には通常医療と救急医療、急性期医療と慢性期医療など、質の異なる医療があります。医師を育てることにおいて大切なのはいろいろな質の違う医療を学び自分自身を高めていくことです。当院はケアミックス病院であるという特性を生かし、質の違う医療を学んでもらえる場としての役割も担っています。

今後の目標、展望をお聞かせください。

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医療は住民の安全保障であることを認識し、西条市の医療をより良いものにするために、当院がどのような役割を果たすべきかを念頭に置きながらゴールを設定することが重要だと考えています。具体的には、まず内科の充実を図りこれまで以上に地域の医療に貢献すること、外科、麻酔科、放射線科のさらなる充実と低侵襲手術の推進、より高度で高齢者にも優しい地域完結型医療の実現、耳鼻咽喉科、泌尿器科、眼科の常勤化などがあります。もう1つが救急医療体制の整備です。救命救急に長く携わってきた経験から、救急医療の重要性を痛感しています。救急対応できないと、その患者さんは命の危機に直面するかもしれません。3つめがチーム医療です。質の高い医療の提供にはチーム医療が不可欠です。医療職だけでなく事務職、業者の方々や行政も含め、お互いをリスペクトし合い、チームの力で地域に必要とされる医療の提供に努めていきたいと考えています。

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風谷 幸男 院長

1980年愛媛大学医学部医学科卒業。1985年愛媛大学大学院医学系研究科を修了後、同大学医学部内科学第二助手、喜多医師会病院、公立学校共済組合近畿中央病院を経て愛媛県立病院へ。中央病院循環器内科部長、南宇和病院院長、中央病院副院長などを歴任し、2020年4月西条中央病院に着任。同年6月より現職。医学博士、日本循環器学会循環器専門医、日本老年医学会老年病専門医、愛媛大学医学部臨床教授。

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