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社会医療法人名古屋記念財団 名古屋記念病院

(愛知県 名古屋市天白区)

長谷川 真司 院長

最終更新日:2020/11/25

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地域に愛される病院をめざし進化し続ける

「名古屋記念病院」は、名古屋市を東西に走る鶴舞線の平針駅を降りてすぐの場所にある。名古屋市東部の中核病院として30年以上、地域医療を支えてきた総合病院だ。開院以来、がん治療に重点を置き、特に、抗がん剤を使用する化学療法には力を入れて取り組んでいる。治療というハード面だけでなく、がんという病気について情報発信を行い、がん患者とその家族のケアなど、ソフト面でもこまやかな部分まで対応しているのが特徴だ。院長の長谷川真司先生は、「地域の中核病院として工夫できることはどんどんしていきたいですね」と話す。また、時代の流れと地域のニーズから地域医療支援病院としての承認を受け、救急医療や地域災害拠点病院としての役割も果たし、24時間365日体制で医療に臨んでいる。「近くに名古屋記念病院があってよかったと思っていただける病院をめざす」という長谷川院長に、その取り組みについて聞いた。
(取材日2018年11月19日)

30年以上の歴史ある病院ですね。成り立ちを教えてください。

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当院は、1985年に「がんと免疫」を中心とした総合病院として開院しました。その後の社会や医療環境の変化、地域からの求めにより、現在では急性期医療を提供する病院として地域医療を支援しています。天白区や名東区、緑区、東郷町、日進市に総合病院がほとんどなかったこともあり、地域のニーズによって大きくなった病院といっていいかと思います。診療科も開業当初に比べてかなり充実し、より総合的な医療を提供できるよう変遷してきました。第2次救急医療機関として、救急搬送も受け入れています。24時間365日体制でどんな患者さんもお断りしないのが、私たちの誇り。地域の方々が安心できるよう医療体制をこの30年で築いてきました。また、2012年に愛知県よりDMAT指定医療機関として指定も受けましたので、有事に備えて訓練を積んでいます。もちろん、開院当初のがん治療にも注力し続けています。

がん治療では、具体的にどんな取り組みをされていますか?

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初代院長が化学療法に精通していたということもあり、化学療法内科や無菌室、外来化学療法室を早い段階から設置しています。化学療法内科部門では、抗がん剤による血液疾患と悪性腫瘍の診療をしていますが、詳細で綿密な診断に基づき、合併症の方や高齢者など個々のケースに合わせた治療を行っています。造血間細胞移植にも取り組んでいて、大半の患者さんは当院での治療完結も可能となっています。子育てや勤務をしながらがんと闘っておられる方は、外来化学療法室に通っていただいています。放射線治療なども各種機器をそろえて対応していますが、AIロボットによる高度医療などは大学病院にお任せして、われわれ中核病院では包括的にがん患者を支える取り組みを積極的に行っています。臨床心理士も含めたチーム医療によるがん相談会や精神腫瘍科の医師による回診などで、患者さんとその家族の悩みに寄り添っています。

地域医療支援病院として、地域とはどんな連携がありますか?

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治る可能性の高い重症の患者さんをより多く診るのが、大学病院などの高度急性期病院の役割だと思っています。われわれ中核病院では、その手前の急性期の病気やかかりつけ医から紹介された患者さんを診ているので、かかりつけとなっている地域の診療所との連携は大切ですね。開業医の先生方と一緒に症例検討会を開き、意見を交換しながらその人に合った最善の治療法を考えるといった取り組みもしています。15年ぐらい前から始めた取り組みですが、近隣の歯科医院の先生方に入院患者の口腔内管理をお願いしています。手術の患者さんには、口腔環境を整えてから臨んでいただくようにしています。そういった取り組みによって、高齢者の誤嚥性肺炎も減らせるのではないかと考えています。区の保健所と連携した健康に関する啓発活動や学校での講演なども積極的に行い、地域との連携を深めています。

院長の専門は小児科だそうですね。

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産婦人科と小児科の両方あって入院もできる病院として、当院は重要な役割を担っています。当院の小児科には医師がたくさん在籍していますし、夜間も対応できるように体制を整えています。私の個人的なことで言うと、今年の春、6歳ぐらいの時から診ていた白血病の患者さんの結婚式に参列して、とても感動しました。医療に携わる者として救急医療などは大変なことですが、こういったやりがいがあるからこそ、続けていけます。職員にもやりがいを持って働いてもらうためには、職員自身が満足して働ける環境をつくる必要があると思い、院長になってからは働き方を見直す取り組みをしました。

最後に、今後の展望と地域住民へのメッセージをお願いします。

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救急搬送を含め、患者さんの平均年齢は、年々上がっています。長寿社会というのは良いことだと思うのですが、超高齢社会医療については、地域をあげて取り組まないといけないと思っています。在宅医療をされている医師だけでは追いつかないのが現状ですし、今後、その医師も高齢化していきます。1軒、1軒の患者さんのお宅を回る体力もなくなってくるでしょう。そういったことも想定して、われわれ中核病院が後方支援をしていく必要があると思います。現在の取り組みとしては、日頃から地域の開業医の先生がたと在宅医療について話し合い、先生が行けなくなった場合には、当院で受け入れるなどです。病院全体の問題としては、老朽化した部分もあるので、新しく拡張していきたいですね。患者さんのアンケートなども受けてニーズに応えていく必要があります。女性医師による女性のための健康診断も始めたいと思っています。

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長谷川 真司 院長

1988年に秋田大学医学部を卒業。1989年に名古屋大学医学部小児科入局後、愛知県厚生連昭和病院小児科、名古屋第一赤十字病院小児医療センター、名古屋大学医学部附属病院小児科を経て1996年に名古屋記念病院の小児科に勤務。2004年に同病院副院長となり、2014年に院長に就任。専門は小児血液疾患、小児がん、小児内分泌疾患。スタッフとより綿密なチーム医療を構築し、多職種連携を図る。

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