医療法人松原会 松山第一病院
(愛媛県 松山市)
松原 史明 院長
最終更新日:2024/12/17
何でも相談できる身近な病院をめざして
内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、内分泌内科、リハビリテーション科の6つの診療科と70の病床を擁する「松山第一病院」は、開業から92年を迎える歴史ある病院だ。開業したのは現院長である松原史明先生の曽祖父にあたる医師。1992年に同院は本町5丁目から現在地へ移転したが、地域住民にとってどんなときも身近な存在であることを大切に、その歩みを進めてきた。2024年4月に4代目院長となった松原院長の専門は、糖尿病、甲状腺疾患やバセドウ病など内分泌代謝領域。そんな松原院長のもとには、地域住民のみならず、遠方からも患者が訪れているという。病院運営においては、各部署から挙がってきた意見を否定せず、相手の話に耳を傾けることで良い方向へ向かっていくよう心がけているという松原院長。同院が注力する医療、理念のほか、地元・松山に対する思いについても、話を聞いた。(取材日2024年10月21日)
松山第一病院の柱となる医療は何でしょうか?
内科を幅広く診る病院として「外来診療」と「健診」、「入院」の3つを柱として医療を提供しています。外来については、ここ5、6年は私の専門である代謝疾患、内分泌疾患のある方が遠方からも来院されるようになってきましたが、患者さんの多くはこの病院の近隣に住まわれている方です。当院は以前より予防医療を重視しており、健康管理センターで健康診査、人間ドックを実施しています。一般の方はもちろん、近隣企業さんにもご利用いただけます。MRIは導入していないのですが、それ以外に必要と考えられる機器は備えているため、幅広い検査に対応が可能です。何か異常が見つかれば、当院で対応できることについては引き続き治療を行い、難症例の場合は基幹病院へご紹介します。予防から外来診療、そして入院まで、できるだけ一貫して患者さんに関われるよう維持していきたいと思っています。
入院体制についても詳しく教えてください。
入院については、一般病床、地域包括ケア病床、医療療養病床の計70床を備え、近隣クリニックさんからの救急要請を受ける「サブアキュート」、あるいは基幹病院で急性期治療を受けた後の患者さんを受け入れる「ポストアキュート」を担っています。退院後、スムーズにご自宅や施設にお戻りいただくため、リハビリテーションの提供も行っています。リハビリテーション室には各種訓練機を備えており、脳血管・運動器・呼吸器に関するリハビリテーションを受けていただけます。理学療法士や作業療法士をはじめ、関係部署が連携し、患者さんの生活動作の向上をめざしていきます。また、通院に困難を伴う方を対象として訪問リハビリテーションも実施しています。
ご専門である代謝内分泌疾患とはどんな病気なのでしょうか。
内分泌疾患とひとくくりになっていますが、実際はかなり幅広い分野です。中でも患者数が多い疾患は、糖尿病です。高齢化に伴い、糖尿病の患者数は増加傾向にあります。バセドウ病や橋本病といった甲状腺疾患の患者さんも多く来院されていますし、下垂体のホルモン分泌が低下される病気の方もおみえになります。来院のきっかけはさまざまですが、もともと基幹病院で治療を受けていて、次第に通院に負担を感じるようになり、当院へ転院したいという方もいらっしゃいます。今後も代謝内分泌疾患を抱える患者さんが安心して通えるよう、より一層注力していきたいです。
基本理念とスローガンについても教えてください。
開業当初からプライマリケア、つまり適切な初期診療に重点を置いてきました。その思いを「私たちは、地域に寄り添う身近な病院として、良質な全人的医療を提供します。」という理念の中に込めています。身近な医療機関として何でも相談いただきたいですし、これからも地域の方々と一緒に生きていきたいです。それと以前、知り合いの先生が、ホスピタリティーを大切にされていると聞き、感銘を受けました。ぜひ当院でも取り入れたいと思い、当院でも「ホスピタリティーNo.1の病院をめざす」というスローガンをスタッフと共有し、実践しているところです。患者さんの中には体調の悪化に伴い、心穏やかではいられない方もいらっしゃるでしょう。そういった方に何をして差し上げるべきか、日々考えています。いろいろな背景を抱えた患者さん一人ひとりに対し、どれだけ良い医療を提供できるかを追求していきたいですね。
地域の方へのメッセージと今後の目標をお聞かせください。
私は高校卒業までは松山にいて、大学は神奈川の学校に進学し、16年ぶりにこちらへ帰ってきたんですね。地元を離れてみて、改めて松山の良さに気づかされました。例えば海の美しさや、10分、15分もあればすぐ海に行ける環境も贅沢だな、と。松山の方たちにとっては当たり前の風景ですが、素晴らしい所ですよ、というのを地域の方たちには伝えたいですね。そして、目標はこの場所でこれからも末永くこの病院を存続していくことです。今、病院は転換期を迎えていて、診療体制を充実させるためには、今後、予約制を導入するなど効率的な診療のあり方を模索していく必要があります。ただ、それには一長一短あって、今まで予約なく受診できたことをメリットに感じていた方にとっては、不便に感じることもあるでしょう。時代に合わせて新しいことにもチャレンジしていきたいと思っていますので、ご理解いただけるとありがたいです。
松原 史明 院長
2009年聖マリアンナ医科大学医学部卒業、2016年同大学大学院博士課程修了。同大学の付属病院などに勤務し、2019年松山市民病院内科副医長に就任。2021年松山第一病院副院長を経て、2024年4月より現職。専門は糖尿病、内分泌、代謝内科。個々の患者に適した治療を行うことが信条。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医。一男一女の父。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/1日コース3万9600円~、2日コース5万5000円~