医療法人純正会 名古屋西病院
(愛知県 名古屋市中川区)
大澤 良充 院長
最終更新日:2025/05/27


変化する社会に対応し求められる医療を提供
1987年に開院した「名古屋西病院」は、1949年に開業した小児科医院を始まりとする歴史ある病院。現在では医療法人純正会として法人化し、千種区、港区、小牧市、長久手市、豊田市に系列クリニック・病院を持つ。一般病床、療養病床、地域包括ケア病床を備える同院では、内科系疾患を中心に診療を行い、通院透析や入院透析などの透析治療にも対応する。名古屋掖済会病院や日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院、藤田医科大学ばんたね病院、協立総合病院などとの医療連携体制も強固に築かれている。整形外科領域の手術やリハビリテーションにも力を注ぎ、高齢化に伴いニーズが高まる変形性関節症や圧迫骨折などの治療に応えるため、2025年春には新たに2人の整形外科医師が加わった。整形外科の専門家で、自身も数多くの脊椎手術を執刀してきた大澤良充院長は「多くの経験を積んできた人材が活躍しているのが当病院の魅力」と胸を張る。70年以上にわたって地域に根差し、近隣医療機関とも密接に連携しながら医療ニーズに応えてきた同院。その足跡をたどり、魅力や強みにふれるとともに、今後の展望について話を聞いた。(取材日2025年5月7日)
御院の成り立ち、地域医療における役割をお聞かせください。

当病院を含む医療法人純正会の始まりは、1949年に荒子で開業した小児科医院です。1985年に前身である名古屋西クリニックが開院し、1987年に法人化するとともに56床を有する病院となりました。2012年には新築移転と新たに56床増床によって112床の病院となり、現在に至ります。始まりから数えると、戦後間もない頃から70年以上にわたってこの地で診療を続けてきました。現在の診療の柱は、外来診療、健診・人間ドック、入院治療です。当病院に通院されていた方が体調を崩された際に入院加療に対応するほか、近隣医療機関からの紹介や転院に応じています。近年は大規模病院で急性期治療を終え、自宅あるいは施設にお戻りになるにあたって必要な医療を受ける患者さんも増えています。患者さんが安心して日常生活にお戻りになれるような、橋渡しの役割を担い、地域医療が円滑に進むよう支援するのが当病院の大きな役割と考えています。
御院の特徴は何でしょうか?

受診ハードルの低さと小回りの良さは、当病院の特徴といえます。当病院は紹介状がない場合に選定療養費を徴収することはありませんから、患者さんが気軽に受診できます。外来診療で、一般のクリニックでも診療可能と判断したら地域のクリニックに逆紹介することも多々あります。ただ、時には「かかりつけ医を変えたくて」と患者さんから相談を受けることもあります。患者さんにもご事情がおありかと思いますので、それを丁寧にくみ取りつつ、円滑に引き継ぎができるようにクリニックの先生方とのコミュニケーションを図っています。また、MRI検査やCT検査など精密検査の依頼があった際には、機器の稼働状況にもよりますが即日でも対応できる体制となっています。クリニックだけでなく大規模病院からの依頼が多く、急性期医療がより円滑に提供できる一助となっていると実感しています。
診療の強みをお教えください。

熟練の医師が数多く在籍していることが、当病院の一番の強みです。日々の診療でも豊富な経験を発揮しており、診療レベルは非常に高いと自負しています。各診療科の垣根が非常に低く、例えば入院中の患者さんに肺炎の兆候が見られる、外科手術を受けた患者さんの持病の管理が必要といった場合に、専門とする医師に相談しやすいのも魅力の一つです。2025年春には、整形外科に新たに2人の医師が加わり、人工関節置換術や外傷および骨折の外科手術、リウマチの薬物療法にも十分に対応できる体制となりました。また整形外科では、入院中や退院後も、患者さんやご家族の要望にできる限り応えられるよう、医師や看護師、MSW(メディカルソーシャルワーカー)、薬剤部との定例カンファレンスを実施しています。診断から手術、日常生活復帰に向けたフォローまで一貫して対応できるのも強みであり、患者さんやご家族にとって安心感につながっていると思います。
地域内で医療連携を図る上でどのようなことを心がけていますか?

連携する医療機関とは、互いの役割を担い、助け合う関係性にあると考えています。私自身、長らく高度急性期病院に在籍したので、急性期治療を終えた後も引き続き患者さんを見守りたいのにできない歯がゆさというのはよく知っています。だからこそ担える役割はできる限り全うしたいと強く思っています。このようなスタンスからか、ダイレクトに紹介の相談が入ることも少なくありません。日常的には、MSWとこまめにコミュニケーションを取りながら、「お断りしないこと」を目標に紹介などに応じています。近年は、高度急性期病院の救急科外来に搬送された患者さんを受け入れる「下り搬送」が増えている印象で、こちらについても可能な限り対応しています。一方で、当病院で入院中の患者さんの容体が悪化した場合は急性期病院に送り届けることになります。地域内でより円滑な連携を図れるよう、フィードバックを通して現状を見直し、改善に努めています。
今後の展望、読者へのメッセージをお願いいたします。

地域住民の高齢化など、社会の変化に伴って医療ニーズも移り変わります。その変化に柔軟に対応し続けることが、地域に根差す病院の大きな役割と考えています。個人的な考えではありますが、地域包括ケア病床の拡充やオペ室看護部門の立ち上げなどを構想しています。また、整形外科で手術を受けた患者さんに対するリハビリテーションの充実もめざすことの一つです。365日体制でリハビリテーションを行えるよう体制を整えるため、現在は理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったセラピストと意見交換をしているところです。医師、看護師をはじめ診療に従事するスタッフは経験豊富で非常に頼もしく、安心して受診いただける体制が整っていると思います。これまで築き上げてきた強固な病病・病診連携体制をさらに発展させ、地域医療の充実の一助となるべく力を尽くしてまいります。

大澤 良充 院長
1978年名古屋大学医学部卒業。一宮市立市民病院を経て、中京病院、東京厚生年金病院(現・東京新宿メディカルセンター)の整形外科で研鑽を積む。1989年には米国・ロチェスター大学に留学。日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院では副部長、部長を歴任し、数多くの脊椎手術を手がけてきた。2017年より現職。日本整形外科学会整形外科専門医、日本リハビリテーション学会リハビリテーション専門医。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/基本健診III 3万6300円~、各種プラン・オプションあり
健診/簡易健診 2700円~、各種プラン・オプションあり