ブラザー記念病院
(愛知県 名古屋市瑞穂区)
本田 亘 院長
最終更新日:2024/03/15
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先進的な検査と親身な診療で地域に寄り添う
名鉄名古屋本線および名古屋市営地下鉄名城線の堀田駅の中間あたりに位置する「ブラザー記念病院」。ブラザー健康保険組合が運営し、1954年の開設以来組合員やその家族はもちろん、周辺地域の企業で働くビジネスパーソンや、地域住民の健康を守るため医療に力を尽くしている。外来診療や入院管理にあたるだけでなく、病気の早期発見や予防につなげるべく健診事業にも力を注ぐ同院。とりわけ特徴的といえるのが、内視鏡部門を設けている点だ。経鼻・経口の胃内視鏡検査や大腸内視鏡検査といった検査や、内視鏡手術などに加え、カプセル内視鏡による小腸検査などにも対応し、読影も請け負っている。内視鏡部門立ち上げに携わり、現在も数多くの検査を手がける本田亘病院長は「原因不明の貧血や出血症状など、従来では原因を明らかにできなかった症状の解明も、カプセル内視鏡の登場によってかないやすくなりました」と語る。先進的な医療を提供する一方で、あくまで「地域密着型の病院です」と語る本田院長に、地域医療にかける思いについて話を聞いた。(取材日2024年2月26日)
病院の成り立ち、特徴についてお聞かせください。
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当院はブラザー健康保険組合が開設した「ブラザー病院」を始まりとする病院です。2008年の全面改装時に名称を改めましたが、開設以来変わらず、「みなさまの笑顔が私たちの幸せです」を理念に掲げ、ブラザーグループの社員やそのご家族をはじめ、地域に暮らす住民、あるいはこの地域の企業にお勤めのビジネスパーソンの皆さんの健康を支えております。外来では循環器や呼吸器、消化器などを専門とする医師が内科を診療し、そのほか外科、整形外科、眼科、歯科に対応しています。診療科こそ限られますが、医師や歯科医師の皆さんはとても優秀ですね。その他、健診部門もあり、当院のある地域は製造業をはじめ企業が多いエリアですから、健診で利用するビジネスパーソンも多いです。また外来患者の7割程度が、周辺地域にお住まいの方などブラザーグループに関わりのない方々であり、地域に根差した病院として医療を提供していくために力を尽くす思いです。
特にどんな診療・検査に力を入れていらっしゃいますか?
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外来での診療、健診、内視鏡が当院の3本柱です。中でも内視鏡部門は私が入職してからしばらくして開設された、比較的新しい部門です。外来から独立した専門部門で、私をはじめ内視鏡に精通する医師と看護師が協力し、内視鏡を用いた検査や治療にあたっています。開設当初と比較すると、10倍以上の患者さんが利用されています。内視鏡部門設立と切っても切り離せないのが、カプセル内視鏡の登場です。カプセル内視鏡はその名のとおりカプセル型の内視鏡で、飲み込むことで消化管の中の様子を観察できます。消化管の中でも、小腸は直接観察するのが困難な臓器でしたが、カプセル内視鏡やバルーン内視鏡の登場によって観察が可能となりました。カプセル内視鏡は2007年に保険適用となるにあたり、名古屋大学の関連病院に読影を担う専門部門を設置することになりました。その際、手を挙げたのが当院で、私は部門立ち上げにあたり赴任することになったのです。
地域でも早期にカプセル内視鏡検査を導入されたのですね。
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この地域に限らず、全国的に見ても早くから導入し、多くの実績を築いてきたと自負しています。先ほど申し上げたとおり、小腸はこれまで直接観察の機会がほとんどなく、カプセル内視鏡登場当初は患部を観察しても正常か異常かを鑑別するスキルが伴っていない状況でした。だからこそ、読影を担う部門が不可欠だったのです。小腸は悪性疾患こそ少ないものの、出血を伴う疾患が多く、原因不明の貧血に悩む人に小腸疾患があるケースは珍しくないとされています。もちろん、多くないとはいえ血管性の病変や小腸がんなどもあります。そういった病気を早期に発見し治療につなげられる可能性を、カプセル内視鏡が広げたと感じています。その他にも、大腸のポリープ切除や内視鏡的粘膜切除術(EMR)、胃の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)など、内視鏡を用いた手術にも積極的に対応。つらいといわれる胃や大腸の内視鏡検査も、できる限り苦痛に配慮して行っています。
健診事業にも力を入れていらっしゃいますね。
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人間ドックや法定健診など全般的に対応していますし、名古屋市のクーポンも利用でき、電車や車でのアクセスも良好なことから、一般の方の利用も多いと感じます。忙しい人向けに不定期で土曜日健診も実施し、さらには毎週水・金曜日は「女性デー」とし、女性のみを受けつけているのも特徴です。医師や看護師もすべて女性が対応しますので、周りの目を気にせず健診をお受けいただけるのではないかと思います。加えて紹介したいのが、胃のバリウム検査です。「胃カメラは不安」という方は、まずはバリウム検査から挑戦してみてください。健診の結果、さらなる精密検査が必要で他の医療機関を受診すべきと判断した場合は、信頼する医療機関を紹介し、適切な検査・治療につなげます。
今後の展望をお聞かせください。
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地域に開かれた病院として、今後も診療に励んでいきたいと考えています。患者さんの信頼に応えるためにも、日々の勉学は欠かせません。当院としても、医師などには常に勉強し続ける姿勢を持ち続けてもらえるように、その後押しに注力しています。私自身も、後進に背中を見せるためにも、臨床の現場に立ち続けていく所存です。また、新型コロナウイルス感染症の影響で休止してしまいましたが、以前は市民公開講座で胃や大腸のがん、COPDなど、身近で気をつけたい病気に関する情報を発信し、地域住民の皆さんとの交流も育んできました。病院名に「ブラザー」とありますが、当然ですがブラザーグループに関係していない方にも多く利用いただいている病院ですし、外来では風邪やインフルエンザなどの日常的な不調のご相談にも応じています。何かあったら気軽にご相談いただきたいです。
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本田 亘 院長
1997年宮崎医科大学医学部卒業。研修先の大垣市民病院、名古屋掖済会病院で、消化器内科を専門に研鑽を積む。その後、名古屋大学医学部附属病院消化器内科に帰局し、小腸を中心に大腸を含めた下部消化器の研究に携わる。小腸のカプセル内視鏡検査が保険適用となった2007年、ブラザー記念病院の内視鏡検査部門立ち上げに従事し、2008年に入職。消化器内科部長、検査部門長、副院長などを歴任し、2018年より現職。
自由診療費用の目安
自由診療とは内視鏡検査/胃:1万6500円、バリウム検査/胃:1万1000円、人間ドック/3万800円~