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名古屋市立大学病院

(愛知県 名古屋市瑞穂区)

間瀬 光人 病院長

最終更新日:2023/06/22

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地域の核として救急・災害医療にも注力

「名古屋市民病院」として開設され90年以上に及ぶ歴史を持つ「名古屋市立大学病院」。現在は、特定機能病院、地域がん診療連携拠点病院、がんゲノム医療連携病院として先進的な医療を提供するとともに、地域のための救急医療、災害医療にも注力する。2021年4月には名古屋市立東部医療センター・名古屋市立西部医療センターの大学病院化が実現し、3拠点間のさらなる連携が見込めるようになった。2025年には敷地内に救急・災害医療を主とした建物が完成予定で、いかなるときも通常どおりの医療を継続できる名古屋市の重要拠点としての期待がかかる。一方で、市民目線を大切にした身近な病院として長年認知されてきた面も大きい。間瀬光人病院長は、「これまでどおり受診しやすく相談しやすい病院でありたいと思います」とほほ笑む。病院長に就任して1年余り、「質の高い医療を支えるのは『人』であり、人材育成は最も大切な仕事。専門性が高く優しさを持った医療人を育て、ひいては患者さんに還元したい」と抱負を語る間瀬病院長。時代のニーズに応え続ける同院の現状や展望について話を聞いた。(取材日2022年6月20日/情報更新日2023年1月12日)

2021年4月、2つの病院が加わり、大きな組織となりました。

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名古屋市立の東部医療センターと西部医療センターが名古屋市立大学医学部附属病院となり、より強く密接に連携することになりました。それぞれの地域において親しまれてきた2病院が「大学病院」となることで、近隣の方々にとっては敷居が高くなるイメージがあったかもしれませんが、私たちが「市民目線」を基本にしていることに変わりはありません。これまでどおり当院は救急医療や低侵襲手術、がんゲノム医療などに注力し、東部医療センターや西部医療センターの機能も柱に総合的で先進的な医療の提供をめざし、患者さんが常に高いレベルの治療を受けられるよう体制を整えていきます。

救急・災害医療専用施設の建設も進んでいますね。

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同施設は2025年完成予定です。延床面積2万7600平方メートル、地上8階建ての免震構造で、国内の医療機関にある施設としてはかなり大きな規模になります。この地域は南海トラフを震源とする巨大地震の発生が懸念されており、広範囲にわたって甚大な被害が想定されています。同施設では災害時でも救急医療、緊急手術を切れ目なく継続できるようなシステムを構築するほか、分娩や透析にも対応可能な設備を整えます。設計当初に新型コロナウイルス感染症がまん延したことで全面的に設計を見直し、いざという時には病棟を分割してゾーニング可能とし、ER病床はすべて個室化できるようにするなど通常診療と感染症診療を同時に行うための体制を取り入れました。災害時における重要な医療拠点としてしっかり務めを果たしたいですね。平時には、同施設を災害医療の研究や教育に活用していきます。

地域における病院の役割はどんなことでしょうか?

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名古屋市を中心とする地域の中核医療機関として高度で先進的な医療を提供すること、医学・看護などの若手医療人を育成すること、3病院合わせた数多くのデータに基づく研究を行い、その成果を患者さんに還元すること、地域の開業医さんや住民の方々との連携を大切にすることなどが当院の役割と考えます。専門性が高く先進的な医療としては命に関わる重症者も受け入れる救命救急医療、がんゲノム医療、内視鏡下による低侵襲手術など。これまで手術機能の強化も進み、対応できる症例も広がりました。ロボット支援手術は消化器外科や呼吸器外科、泌尿器科、産婦人科などで多く行っています。手術機能以外では、硬膜外麻酔を用いた分娩、いわゆる無痛分娩を行える体制も整備しています。また急性、慢性のあらゆる「痛み」に特化した部門があることも特徴で、薬物療法や神経ブロック療法に加え、理学療法など多様な治療法を提供しています。

ほかにも特色があれば教えてください。

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当院の救急医療は全科当直というのが大きな特徴です。内科系、外科系の医師にとどまらず、眼科や皮膚科の医師もいます。患者さんの受け入れは救急科ですが、その後の治療は各担当科に迅速に引き継ぐことができるのです。地域の高齢化に伴い、救急搬送は今後もますます増えていくでしょう。2025年に救急・災害医療専用施設が完成したあかつきには、救急医療を専攻する医師の育成もめざしたいと考えており、ゆくゆくは愛知県における救急医療の質の向上・充実に貢献できればと思います。また、日本人の2人に1人ががんに罹患するともいわれる時代にあって、当院でもがん診療・包括ケア部門を設置しています。大学病院だから先進のがん治療をしてそれでおしまいということではなく、大学病院だからこそ複数科や多職種にわたるチーム力を生かし、患者さんが安心して生活、仕事ができるように社会復帰までサポートしていきたいと考えています。

院長に就任されて1年余り、今後についてお聞かせください。

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就任してから約半年後と1年後に、職員に向けて動画メッセージを出しました。組織が大きくなれば上意下達ではなく情報を公開し、病院の現状や活動の計画、目的、意思決定のプロセスをみんなに理解してもらうことが大切です。すべての職員に大局的な見通しを持ってそれぞれの仕事に取り組んでほしいと思っているのです。組織にとって最も大事な資産は「人」。昨年はこれまでになく多い五十数人の正職員の増員を行いました。8年間に及ぶ人材育成プランを作成しており、職員の資格取得についても病院が支援していく所存です。その知識や医療技術はいずれ患者さんに還元することができるでしょう。3病院が一体化した今、巨大な組織となりましたが、当院の始まりは「名古屋市民病院」です。これからも市民目線を大切に、患者さんが受診しやすくなんでも相談しやすい、人に優しい病院であり続けたいと思っています。

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間瀬 光人 病院長

1985年名古屋市立大学医学部卒業。国立東静病院脳神経外科で研鑽を積み、イギリス・国立神経病院脳神経外科シニアレジストラ留学を経て、1998年名古屋市立大学医学部脳神経外科へ。2016年同大医学部脳神経外科教授。副院長を経て2021年4月より現職。救命救急センター長、脳神経外科部長を兼任。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医、日本脳神経血管内治療学会脳血管内治療専門医。

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