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日本赤十字社 愛知医療センター名古屋第二病院

(愛知県 名古屋市昭和区)

佐藤 公治 院長

最終更新日:2021/12/15

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地域医療の一員として高度急性期医療を担う

八事日赤駅からすぐにある「愛知医療センター名古屋第二病院」は、前身の結核診療所から数えて100年以上の歴史を有し、「八事日赤」の愛称で、長きにわたり地域住民に慕われてきた。総合病院として、各診療科が連携し、より適切な医療の提供をめざしていくことはもちろん、開業医と強い連携体制を構築していくことにも力を注ぎ、地域全体がチームとなって住民の健康を支える基盤をつくりあげていった。同院はその基盤の上で、名古屋市東部の専門医療・救急医療という「医療の最後の砦」を担う、重要な存在といえる。一方で「赤十字精神」に則り、国内外の災害救援活動にも尽力。愛知県の災害拠点病院にも指定され、培ってきた災害医療のノウハウを生かし、2019年には新たに災害時拠点部門を開設するという。2018年に就任した佐藤公治院長も、整形外科を専門に治療や手術において手腕を発揮するかたわら、国際災害救援や地域医療に携わってきたドクターの一人だ。「医師としての可能性、視野を広げてくれた」と、これまでの日々を振り返る佐藤院長に、同院の特徴など、ふんだんに語ってもらった。(取材日2018年10月30日/更新日2021年7月7日)

貴院のこれまでの歩み、特徴について教えてください。

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今から104年前に結核療養所として開設された当院は、2021年に愛知医療センター名古屋第二病院と改称し、「八事日赤」の愛称で親しまれています。病床数が800を超え、総合病院として多様な診療科が置かれているため、各科が連携し、患者さんを複合的にサポートしていける体制も整っています。まさに、地域における高度急性期医療を担う存在、といえるでしょう。また日本赤十字社の一員として、国内はもとより、海外でも災害医療活動に携わる機会があることも、当院の特徴の一つです。私自身、海外に派遣された経験がありますが、その経験を通して、専門である整形外科の可能性や、医師として担う責任の大きさを深く感じることができました。災害や紛争などにより、それまでの日常を奪われてしまう中で、誰にとっても医療は平等にあるべきものです。そのことを、救援活動を通して実感できるという点は、当院だからこそ体験できるものと思います。

現在、病院として重視して取り組んでいることはありますか?

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地域の皆さまからの信頼に応えてきたという自負もありますが、一方で第三者による評価も、病院の将来を見据えた上で必要なものと思います。そこで、私たちがめざしたのが、国際基準の病院機能評価の認証取得です。医療安全の確保や感染対策、事故の防止対策などを改めて見直し、評価されることで、これまでの信頼をより厚いものにしていきたいと考えました。また同時に、改めて「患者さんに寄り添う医療」の在り方を見直しているところです。急性期の患者さんに適切な医療を提供し、できるだけ早く地域に送り戻すことが私たちの役割と考えてきましたが、かえって患者さんとの間に“距離”を生んでしまったかもしれません。でも、それは誰も望んでいないことですよね。限られた時間の中で、いかに患者さんの心情を慮り、自分だったらどうしてほしいかを考え、行動に移していけるか。患者さんに満足いく診療を提供するためにも、欠かせないことだと思います。

地域の医療機関とはどのように連携をとられているのですか?

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当院では1990年より地域連携室を立ち上げるなど、30年近くにわたって地域の開業医の先生方と連携していくことを重視してきました。こういった取り組みもあり、医師会をはじめ、地域の医療従事者の皆さまと非常に良好な関係性が築けていると感じています。2013年には、地域医療連携ネットワークシステム「やごとクロスネット」が稼働し始め、患者さんの紹介や紹介患者さんの検査データのやりとりなどが、一層スムーズに行えるようになりました。患者さんにとっても、町のかかりつけ医だけでなく、病院の中にも身近な先生がいる、という安心感にもつながることでしょう。今や、「チーム医療」というのは、病院の中に留まる話ではありません。地域のドクターや、医療・介護に関わる方々がそれぞれに手を取り合っていく必要があります。その一端を担えているのは、私たちにとってもやりがいに感じる部分です。

2019年には、新たな災害時拠点部門も新設されるそうですね。

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はい、災害医療のマネジメントに特化した部門を新設予定です。南海トラフ地震など、東海3県で大規模災害が発生した場合、過去の災害の経験から、全国各地からすぐさま災害救護支援が集まってくることでしょう。その際、刻々と変化する状況を冷静に分析し、集まったリソースを医療が必要なところへ適切に配していくコーディネーター役が必要となります。その役割を、災害救護のノウハウを持つ当院が担っていきたいと考えました。海抜の高さや地盤の関係から、当院の位置する名古屋東部が、災害救護の拠点となることが予想されます。また、隣駅にある名古屋大学内には、名古屋大学減災連携研究センターが置かれています。これらの機関と連携をとり、万が一災害が起こった時も、一人でも多くの人を救っていけるよう、私たちが先導していきたいと考えています。

今後の展望、読者へのメッセージをお願いいたします。

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これからも「何かあったら八事日赤さんに」と思っていただける存在であり続けたいと思っています。そのためにも、ロボット支援手術やAI医療など、続々と登場する先進的な医療を、できるだけスピーディーに取り入れ、これまで以上に患者さんの身体的負担の少ない医療などを提供できる体制を整えていきたいですね。そしてこれからも、地域医療の一員として、地域の皆さんの健康を支えていきたいと思っています。「病院」という存在は、町のクリニックなどと比べ、近寄りがたい存在にとられるかもしれません。しかし、本質にあるのは、「患者さんの健康を守りたい」という思い、ただ一つです。とはいえ、ただ待ち構えているだけの存在であることは、私たちの意に反します。皆さまが気軽に頼れる存在として、講演会を開催するなど地域の中に積極的に足を運ぶことにも取り組んでいます。これらを通して、皆さまに身近な存在として頼っていただけたら光栄です。

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佐藤 公治 院長

1983年徳島大学医学部卒業。半田市立半田病院での研修を経て、名古屋大学整形外科に入局。整形外科の中でも脊椎・脊髄を専門とし、内視鏡手術をはじめとした、患者の早期社会復帰が期待できる低侵襲手術において、多くの研鑽を積んできた。名古屋大学整形外科医局長や講師を務めた後、1999年に同院の整形外科部長に就任。2012年には副院長を務め、2018年より現職。

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