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医療法人聖真会 横山記念病院

(愛知県 名古屋市中区)

近藤 建 院長

最終更新日:2020/07/15

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地域に根づき「おなか」の元気を支え続ける

1908年の創立で、明治から大正、昭和、平成を経て令和に続く歴史を持つ「横山記念病院」。当初より胃腸を中心に消化器内科・外科全般の診療を続けてきた専門病院として、また近隣の人々にとっては気軽にかかれる身近な病院として頼れる存在となっている。2020年4月に着任した近藤建院長は、消化器外科、腫瘍外科が専門で、大学病院や国立病院機構名古屋医療センターなどにおいて消化器の診療、がん手術に長く携わってきた。「今は、がんは治療するだけでなく、仕事や生活を継続できるように患者さんを支えていくことが大事な時代」と、がん患者の支援やケアにも力を注ぎたい考えだ。長年、腫瘍の原因や治療を研究してきたことから、患者それぞれに合わせた化学療法を取り入れていきたい、とも。従来の専門性を生かしつつ、時代を見極め、「地域の中規模病院として求められる役割を果たしていきたいですね」と穏やかな笑顔を見せる近藤院長。病院の特徴や今後めざすところを聞いた。(取材日2020年6月2日)

病院の歴史や特徴について教えてください。

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当院は1908年、横山一格が診療所として設立したのが始まりです。横山は京都帝国大学を卒業後、物理学者、湯川秀樹の親戚である湯川胃腸病院で研鑽を積み、名古屋市中区に当院を開業しました。昭和20年代、2代目院長が胃、十二指腸の手術を始め、徐々に早期胃がん症例を集積し、非常に数多くの手術を行ってきたとされています。時代が流れ、現在は各地においてがんに関する拠点病院が整備され、病院の機能分化や連携強化が進みました。そこで当院でも、がんの手術は大きな病院にお願いしてここでの手術は痔やヘルニアなどに限り、各種検査による胃、大腸、肝胆膵の病気の早期診断、治療に努めているところです。消化器を専門として認知されていますが、近隣の方々は風邪などでもお勤め帰りに気楽に来てくださっています。

上部、下部の内視鏡検査を数多く行っておられますね。

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2019年4月~2020年3月で行われた検査数は上部内視鏡検査1970件、下部内視鏡検査986件、うちポリープ切除211件、腹部の超音波検査の数は1865人です。ピロリ菌の除菌も積極的に行っており、判定の尿素呼気試験は135件です。内視鏡検査には拡大機能を搭載した先進の機器を導入しており、患者さんの苦痛の少ないように丁寧に行うことを心がけています。一般的に病気の発見には内視鏡検査をすればよいというイメージがありますが、当院では超音波検査も大事だと考えています。内視鏡検査の前に超音波検査をすることで、他の臓器に問題がないかどうかが確認できます。超音波検査で腸閉塞や膵がん、肝臓がんが見つかることもあります。超音波検査と内視鏡検査を組織的に一体化しているところが当院の特徴です。当院では前日の食事を20時頃までに済ませ、朝食をとらずに9時半までに来院していただければその日に胃内視鏡検査が可能です。

こちらでは週1回、肛門専門の外来枠もありますね。

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はい。当院には、潰瘍性大腸炎やクローン病といったIBD(炎症性腸疾患)の患者さんも多くいらっしゃいます。クローン病では痔ろうができることがよくあるため、その治療の一環として肛門科の診療を行っているのです。人工肛門の方のための外来もあり、専門の知識、技術を持つスタッフが対応しています。当院のキャッチフレーズは「おなか元気ですか」なのですが、肛門はおなかの状態と密接なつながりがあり、特に患者さんの多い便秘、さらに排便機能の異常も診療対象です。医師に症状が説明しづらく、ただの便秘と診断されてセンナ等の不適切な下剤を処方されたり、自分の判断で市販の薬で済ませたりしていては望ましい生理的排便を得ることが難しくなってしまいます。当院では比較的簡易な検査を組み合わせて適切な診断をし、病態に合わせた治療を行っていくようにしています。

病院の理念や先生が大切にされていることを教えてください。

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3代目院長であった横山泰久先生は、患者さんの病気を治すことに対して強い信念を持つ先生です。一緒に仕事をしているときに、治療においては妥協せず、とことん全力を尽くすという姿勢を教えていただきました。その信念は引き継いでいきたいですね。私自身が外来をする中で大切にしているのは、おなかだけではなく患者さん全体を診ること、そしてお話をよく聞くことです。「偉そうで話しにくい先生」にはなりたくないですね(笑)。また、治療法は最終的に患者さんに選んでいただきますが、項目が多岐にわたって難しいときは医療的に見て良いと思われる方法をお話しし、ある程度道筋をお示しするようにしています。人間は「食べられない」のがつらいですよね。そこを何とか治して差し上げることに、消化器を専門とする医師としてのやりがいを感じています。医師、スタッフともに、患者さんの幸福と健康に資することが当院の理念です。

今後についてのお考えをお聞かせください。

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今後も超音波検査、内視鏡検査と一貫した組織的な検査体制を生かし、消化器をはじめ、おなかに生じるすべての病気を早く見つけたいと思っています。加えて、私は長らく外科治療を行ってきた傍ら、腫瘍の原因や治療を研究する腫瘍学や化学療法を深く学んできました。そのため、当院でも抗がん剤治療など化学療法にも力を入れていきたいと考えています。現在は、がんを治すための治療だけでなく、がんを抱えて社会生活をしていくための支援や心理的なケアが大切になってきています。当院のようなおなか専門の中規模病院は、特におなかや肛門の急性期治療を終えた方、手術ができない方々を、急性期病院の後方病院として身体的にも心理的にもサポートしていく使命があると思っているのです。また近隣の方々に対しては「かかりつけ医」のような親しみやすい存在として、おなかも、人も元気でいていただけるように全力を尽くしたいと考えています。

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近藤 建 院長

1976年名古屋大学医学部卒業。中京病院にて研修後、愛知県がんセンターにて消化器がん手術の研鑽を積み、同センター研究所病理部において消化器がんの研究に従事。その後は名古屋大学第二外科腫瘍グループに所属、化学療法の研究に携わった。国立病院機構名古屋医療センター副院長を経て2020年4月より現職。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医の資格を持つ。

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