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医療法人桂名会 重工大須病院

(愛知県 名古屋市中区)

黒河内 和俊 院長

最終更新日:2024/06/13

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歴史ある2つの病院が統合し、新体制で開院

名鉄名古屋本線の山王駅および名古屋市営地下鉄鶴舞線の大須観音駅から徒歩圏内に位置する「重工大須病院」。この地で診療を行ってきた大須病院と熱田区の重工記念病院が2024年1月に統合し、新体制で開院した。一般病床70床、回復期リハビリテーション病床180床を備えるケアミックス病院として、外来診療から入院、健診、リハビリテーションなど幅広い医療を提供。地域の基盤を支える病院として他の医療機関や介護・福祉施設との連携についても積極的に進めている。「大須病院が築き上げた地域を総合的に支える病院としての機能と、重工記念病院で培われた整形外科領域での専門性を結集し、シナジーを生んでいきたい」と語るのは、新体制のスタートと時を同じくして院長に就任した黒河内和俊先生。SNSでの発信や市民講座、病院祭の開催を通じ、「地域に開かれた」病院づくりをめざしているという。新院長として、また整形外科の医師として多忙な日々を送る黒河内院長に同病院の成り立ちや特徴、地域に対する想いなど、話を聞いた。(取材日2024年4月26日)

2024年1月に新体制で開院されました。

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この地で1971年から地域の医療を支えてきた大須病院と、熱田区で1960年から診療を続けてきた重工記念病院、この2つの病院を統合し、2024年1月に新たなスタートを切りました。前身の2病院は、もともと企業立病院でした。従業員の福利厚生を目的として設立され、時を経て桂名会という医療法人に経営譲渡されたという共通点がありました。どちらも経営面では安定していましたが、建物の老朽化が進み、建て替えの時期が迫っていました。また、大須病院は地域の総合病院として回復期医療を担い、重工記念病院は整形外科分野における高い専門性を追求してきましたので、それぞれの得意分野をかけ合わせることでシナジーを生み、より良い医療を提供できるだろうという展望もありました。大須病院時代には事務棟であった南館の2階と3階を改装し、新しく病棟を増設。重工記念病院にあった100床分をこちらに移転し、合計250床の病院となりました。

重工大須病院の柱となる医療はどのようなものですか?

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重工記念病院は整形外科領域の中でも肩や膝など関節の治療に特徴があり、全国から患者さんがいらっしゃる病院でした。その強みを引き継ぎ、さらに強化していきたいというのが1つ目の柱です。保存的治療では、リハビリを中心としたケアを重点的に行っていますし、手術が必要なケースでは関節鏡手術、膝周囲骨切り術、人工膝関節置換術など幅広い手術法を提供しています。そのほか、再生医療という新たな治療に着目しています。数多くの治療法を高い精度で提供することにこだわっており「膝関節治療のデパート」であると自負しています。スポーツ選手・愛好家の患者さんも多く、手・足・股関節・脊椎の専門の外来も行っています。2つ目の柱は、地域の皆さんに必要とされ、愛される病院をめざすこと。24時間365日救急患者の受け入れを行うことや、回復期医療に重点を置き、患者さんがご自宅や施設に戻れるようサポートすることに注力しています。

回復期のサポートについて詳しく教えてください。

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リハビリテーション科では介護士や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの多職種で構成されたスタッフが若手からベテランまで約200人在籍し、脳血管疾患、心大血管疾患、運動器に関わる幅広いリハビリメニューを提供しています。365日提供体制の入院リハビリのほか、通院患者さんや退院された方向けに外来でのリハビリを実施。さらに、通所が困難な患者さんに対しては、訪問でのリハビリを行い、切れ目なくリハビリを受けていただける体制を整えています。また、リハビリテーション室の隣にはワンルームを設置。玄関の開閉、靴の脱ぎ履きなど自宅での生活を想定した日常の動作を実際の状況で練習できる環境を用意しています。また、地域の医療機関や福祉・介護施設との連携の窓口としては、地域連携福祉相談室を設置。社会福祉士などのスタッフがご本人やご家族のニーズや経済的な事情を勘案し、退院支援や福祉相談などをきめ細かに行っています。

病院運営において大切にされていることは何ですか?

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前身の病院はどちらも長い歴史を有し、それぞれに培われてきた風土がありました。新病院となり、方向性を1つにすること、職員が同じ目標を持って働けるよう融和を図っています。病院の理念として「医療の質を極め、地域とともに成長する」を掲げていますが、医療の質が高い状態とは患者さんの目線で患者さんご自身が満足するような医療を提供すること。日本語で「病院」は、病の建物と書きますが、英語ではおもてなしを意味する「ホスぺス」を語源とする「ホスピタル」。お客様をもてなす「ホテル」と同様に患者さんを治療でおもてなしをする場所ですので、職員には患者さんに対してホスピタリティーを常に持って接してほしいと思います。そのためには、職員自身が今置かれている環境に満足していることが不可欠です。職員一人ひとりの希望をできる限り尊重し、キャリアアップを積極的に支援。働き方改革を推進し、誰もが働きやすい職場づくりを進めています。

病院の理念にはさまざまな意味が込められているのですね。

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「地域とともに」の中には健診事業も含まれます。当院は企業立病院が前身ですので、会社の社員やその家族の福利厚生のため、健診事業にも注力してきました。当院の内科を例に挙げると、循環器、脳神経内科、内分泌・糖尿病や呼吸器などさまざまな専門性を持った医師が在籍しており、検査の結果、異常が見つかった際に各部位の専門の医師による診察を受けられます。また、二次検査が必要なケースでもスムーズに検査を進められるよう努めています。これらの理由から、総合的病院である当院で健診を受けるメリットは大きいと考えています。このように病気の予防や早期発見・早期治療に注力することも、地域に根差す病院として大切な役目です。地域の皆さんの不安を安心に変えられる頼りがいがあって愛される存在でありたいですね。

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黒河内 和俊 院長

1990年名古屋大学医学部卒業、1994年同大学大学院医学研究科博士過程修了。米国ペンシルバニア州立大学医学部への留学を経て、三菱名古屋病院整形外科部長、副院長などを歴任。2024年1月より現職。「地域に愛される」病院をめざす。整形外科の膝・肩・スポーツ分野専門の医師として診断・治療、膝・肩関節鏡手術、人工関節・膝周囲骨切り術、再生医療を行う。医学博士、日本整形外科学会整形外科専門医。

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