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日本赤十字社愛知医療センター 名古屋第一病院

(愛知県 名古屋市中村区)

錦見 尚道 院長

最終更新日:2022/04/06

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地域の中核的な病院として急性期治療に注力

名古屋市中村区にあり、「第一日赤」「中村日赤」と信頼を込めて呼ばれる「日本赤十字社愛知医療センター 名古屋第一病院」。昭和初期に100床を持つ「日本赤十字社愛知支部名古屋病院」の名で開設され80年以上、地域住民の健康を守り続けてきた。中村区が愛知郡中村だった時代は「村の病院」として、平成を経て令和となった現在は、名古屋西部医療圏の中核である三次救急病院として存在する。総合周産期母子医療センターを備え、地域医療支援病院、がん診療連携拠点病院、造血幹細胞移植推進拠点病院として、さらにはがんゲノム医療連携病院として急性期医療に対応し、専門性の高い医療を展開する。10代目院長を務める錦見尚道先生は「地域医療の最後の砦として、開業医さんから難しい症例の患者さんを受け入れ、全力で専門的な治療にあたりたい」と語る。8年間の工期をかけて2010年に新しく建て替えられた明るい病院建物の中で、各分野のスペシャリストであるドクターをはじめ多くのスタッフが優しく患者を迎え入れている。錦見院長にさまざまな話を聞いた。(取材日2021年5月24日/情報更新日2022年4月6日)

貴院のこれまでの歩みや特徴について教えてください。

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当院は1937年、100床の「日本赤十字社愛知支部名古屋病院」として開設され、増改築を繰り返し、1980年代にNICU、ICUを開設、小児医療部門も拡充しました。現在はCCU、HCU、MFICUも有しています。1998年に総合周産期母子医療センターを開設。2003年全面改築工事に着手し、2010年新病棟が竣⼯。併せて電⼦カルテを含む病院情報システムを導⼊し、2013年助産師が中心を担う院内助産所と、緩和ケアを行う独立型の建物が完成。救命救急センターを備え、地域医療支援病院、がん診療連携拠点病院、造血幹細胞移植推進拠点病院としてスペシャリストのドクター、スタッフがそろい、幅広く高度な専門性、緊急性のある治療が可能であることが特徴です。名古屋西部医療圏の最後の砦として地域の需要に応えていきたいです。日本赤十字社 愛知医療センター名古屋第二病院との協力体制や病病連携、病診連携も大事にしています。

力を入れている診療分野や特色について教えてください。

2

新生児からお年寄りまで、また内科から外科にわたりすべての診療分野において高度な医療、体に負担の少ない低侵襲な治療の提供ができるよう力を尽くしています。例えば心臓外科では早い時期から小切開による低侵襲手術に取り組んできました。昨今導入の進んでいるロボット支援手術にも積極的で、心臓外科をはじめ泌尿器科、消化器外科、呼吸器外科、産婦人科において取り入れています。ロボット支援手術について当院では若手医師の研修にも力を入れています。がん医療においては病理診断、放射線治療、化学療法それぞれを専門に行う部門があり、治療当初から緩和ケアにも力を入れています。質の高い治療を行うだけでなく、先進の検査機器により、がんなど病気の早期発見にも努めているところです。

貴院の理念や先生の心がけについてお聞かせください。

3

患者さんとの出会いを一期のことと心得て、その痛みを分かち合い、苦しみをともにしつつ、一日も早く健康の幸せを喜び合えるよう努めることを理念としています。新型コロナウイルス感染症の流行が広がり終息をみない中、地域医療の第一線に立つ当院は行政からの要請を受け、病院の一部を隔離して感染症の治療を行い、三次救急病院としてICUで人工呼吸管理を必要とする方への治療にもあたっています。感染症以外で緊急入院となった患者さんがウイルスを持っているケースもあるため、予定入院患者さんには入院前にウイルス検査を行い、安全に配慮しながら通常診療を行っています。多くの患者さんに来ていただくためには、きちんとした診療を行い信頼していただくこと、患者さんの安全を確保することが第一です。今後も患者さんにとって安心、安全な医療の提供をめざしていきたいと考えます。

入退院の支援にも力を入れられているそうですね。

4

当院は高度急性期医療を行うことを使命としているため、原則、急性期病院での治療を終えた患者さんはリハビリテーションや体力が回復するまでの療養病棟を持つ病院や施設に転院していただきます。患者さんお⼀⼈お⼀⼈の状態に適した病院や施設を探して提案しますが、ときには「追い出された」という感情を抱かれてしまうことも。ですから入院前からご本人の希望やご家庭の事情を聞き取り、治療後から在宅復帰までの道筋を立ててお話しするようにしています。急性期治療を終えたらどの病院に転院するかということや、自宅に手すりが必要ならその設置手続きの方法、訪問看護ステーションのことなど医療や福祉・社会制度について医療ソーシャルワーカーを含めたスタッフから説明します。先の見通しがきちんと立てば、患者さんにもご家族にも安心していただけるのではないでしょうか。早期退院が進めば、当院は新規の急性期の患者さんを受け入れることができます。

患者さんや読者にメッセージをお願いします。

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ぜひ、ご⾃宅の近くに、かかりつけのお医者さんをつくっていただきたいですね。コロナ禍にあってオンライン初診や電話再診が推奨されましたが、当院の主な医療⾏為は、⼿術や抗がん剤投与など、身体に対してある程度強い侵襲を加えるものが多いです。患者さんが診察室に⼊ってこられたときの全⾝の様⼦、表情を観察することも、正しい診断や治療に⼤切です。オンラインだけではそれがかないません。逆にいうと、そうした観察ができるのが⾝近にいる開業医の先⽣⽅なのです。当院は、その先⽣の目を通した診療情報を得て初めて検査や治療の計画を⽴てることができます。患者さんが急性期治療を終えた後、治療経過の報告書をもとに経過観察をし、必要な時には患者さんに当院の外来受診を勧めていただくのも、主に地域のクリニックになります。地域のクリニックと当院がそれぞれの役割を分担し、連携して地域医療の向上に努めていきたいと考えています。

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錦見 尚道 院長

1980年名古屋大学医学部卒業。1990年同大学大学院医学研究科修了。群馬県桐生厚生総合病院外科に勤務。米・コロラド大学、ノースキャロライナ大学の血管外科部門におけるリサーチフェロー、東海病院外科医長、名古屋大学医学部血管外科助教授などを経て2005年名古屋第一赤十字病院第三外科部長に就任。2019年より現職。

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