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医療法人誠心会 大菅病院

(愛知県 名古屋市中村区)

大菅 健嗣 理事長

最終更新日:2022/06/15

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地域に必要な医療を求めて考え続ける病院

1952年設立の「大菅病院」は、中村区役所駅から太閤通を西へ歩くことおよそ10分、大門交差点を左折した4ブロック先にある。名古屋駅前の高層ビルがすぐ近くに見えるにもかかわらず、戸建て住宅も多い下町情緒ある地域だ。この地で、長く地域住民の健康を支えてきた同院の柱となる医療は、初代病院長の専門である消化器外科と整形外科の外科医療と救急医療。急性期の救急受け入れから手術、治療、リハビリテーションまでトータルな医療を提供している。介護施設との連携にも注力し、地域の高齢者にとって頼りにされる存在でもある。「2次救急医療病院として地域の患者さんをもれなく受け入れ、小回りの良さを生かしていきたい」と穏やかな口調で語るのは、大菅健嗣理事長。高度医療への最初の窓口になったり、つなぐ懸け橋になったりというスタンスで医療に臨んでいるという。理事長に就任して以来、模索し続けてきたという同院の在り方や特徴について大菅理事長に話を聞いた。(取材日2022年5月18日)

60年以上の歴史がありますね。病院の歩みを教えてください。

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私の祖父にあたる初代理事長は、1935年に中区の柳橋で開業しました。その診療所が戦災で消失したため、戦後現在の地に医療法人の病院を設立したのが始まりです。父の代になり、木造の建物から鉄筋へと建て替え、CTやMRIも導入した48床の病院が完成しました。父の大学時代の級友である整形外科の医師の協力も得て、消化器外科、整形外科を中心とした医療体制を築き始めた時代です。通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションも開始し、退院後のバックアップ体制も整いました。その頃私は、地域医療に興味があり、大学卒業後は無医村で働いていました。後継は考えていませんでしたが、父が体調を崩したため急きょ名古屋に戻り、理事長兼病院長となったのは30代。まだ経験不足だったこともあり、消化器外科のエキスパートである三輪高也先生に病院長を任せ、武者修行のつもりで総合病院国保旭中央病院の救急救命科にお世話になりました。

三輪病院長が就任されて、消化器外科を新設したそうですね。

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祖父も父も専門は消化器外科だったので、外科領域を得意とする病院の伝統がありましたが、3代目の私は内科が専門だったため一度途絶えてしまいました。そこで、三輪病院長の協力のもと、消化器疾患の手術もできる体制へと立て直しました。消化器外科では、胃がんや大腸がんをはじめ、肝炎、膵炎、胆嚢炎などの炎症性疾患、鼠径ヘルニアなどのが多く、内視鏡手術も行っています。また、肛門周囲の腫瘍や痔などの肛門疾患は、大きな病院で対応するところが少ないこともあり、ニーズも多いですね。肛門外科を専門に研鑽を積んだ医師が在籍し、内痔核の低侵襲な日帰り手術も行っています。

病院の基本理念にはどんな思いが込められているのですか?

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30代で病院を継いだ時には、地域の患者さん、職員とその家族、地域医療のためにこの病院が果たせる役割は何だろうと悩みました。もし地域で必要とされていないのであれば、病院を畳んでしまおうという気持ちもありましたが、模索する中で、この病院は地域の中で生きている病院で、まだまだ地域で望まれているということを知り、医療を引き継ぐ覚悟を決めたんです。「患者さんのため、職員のため、地域のために何ができるかを考え続ける」という理念を掲げ、一つ一つ課題と向き合い、改善を続けていきました。消化器外科だけでなく救急医療や整形外科の立て直しにも取り組みました。例を挙げれば、職員のシフトなどから受け入れ体制を見直し、断らない救急医療を実践した結果、救急車の受け入れ台数が増えました。自宅や介護施設で転倒した高齢者を受け入れることで、介護施設との連携が緊密になったのも自然な流れです。

介護施設からの紹介患者さんも多いそうですね。

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「入院中のリハビリは受けていたけれど、退院後はリハビリをする場がなかったために動きが悪くなった」という方が多かったので、入院中のリハビリ、通院のリハビリ、介護のリハビリと、切れ目なくリハビリテーションが行える環境を整えました。そういった改善の積み重ねで介護施設からも頼りにされるようになったと思います。通所リハビリや訪問リハビリにも注力し、7人の理学療法士も皆、毎月勉強会を実施する意欲的なスタッフです。また、整形外科には関節領域を得意とする常勤医や藤田医科大学ばんたね病院在籍の手の外科を専門とした非常勤医もいるので、特化した医療も得意としています。このほか、名古屋大学医学部附属病院在籍の医師による漢方相談や食欲不振の患者さんのための外来も設けています。内科では、総合的な視点から診ているので、些細に思われるような悩みでも診療科にとらわれず相談に来ていただきたいです。

今後の展望を踏まえ、読者にメッセージをお願いします。

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小規模病院ではあるものの、名古屋大学医学部附属病院の外科と連携しているため、人員的にも充実した体制が整っていますし、医師のスキルも大規模病院と同水準をめざしています。医師も職員もともに新しい医療を学び、それをやりがいにつなげているため、看護師の定着率も高くなりました。医療スキルを発揮できる場だと職員が認識してくれているのだと思います。専門的な技術がありながらも、身近でかかりやすい病院というのが当院の特徴。今後も地域の信頼に応えていきたいと思っています。高齢化が進む将来は、歩いて来院する高齢者よりも介護保険の仕組みの中で受診する高齢者が増えていくでしょう。介護施設の後方支援もまた、当院の役割の一つです。地域の介護施設や医療機関との連携が整っていたからこそ、新型コロナウイルス感染拡大時でも、診療を継続できていました。地域に必要とされる病院であり続けるために何ができるかをこれからも考え続けます。

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大菅 健嗣 理事長

1996年順天堂大学医学部卒業後、自治医科大学地域医療学教室入局。日本各地の無医村を回り、子どもから高齢者までのあらゆる臨床経験を積みながら地域医療に貢献する。2001年大菅病院理事長・病院長に就任。2014年病院長交代にあたり理事長専任となり、総合病院国保旭中央病院にて救急医療の経験を積む。外来では、内科、整形外科、救急科を担当。

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