医療法人いつき会 守山いつき病院
(愛知県 名古屋市守山区)
遠藤 治樹 院長
最終更新日:2025/11/28


市民が安心できる「よりどころ」をめざして
「守山いつき病院」は2023年に、名古屋市より「守山市民病院」を譲り受け開院。守山地区で一般診療を担う病院として地域住民が安心できる「よりどころ」をめざし、断らない医療を実践してきた。遠藤治樹院長が専門とする循環器内科・総合内科をはじめ、幅広い診療科を備えている同院は、入院や手術だけでなく、訪問診療・訪問リハビリテーションまで幅広く地域の人々の健康を支えている。中でも診療の軸となっている63のベッドを有する透析部門では、同院の強みを生かした透析中に行う運動療法「透析リハビリ」にも注力。また「合併症に対応できるのも当院の強みです」と話す遠藤院長は、その充実した体制構築にはマンパワーが不可欠だと力を込める。病院全体のさらなる体制強化に向け、人材確保と育成といったソフト面の拡充、多職種連携によるチーム医療にも取り組んでいる同院。その成果が少しずつ結果として現れてきていると目を細める遠藤院長に、病院の歩みや地域における役割、診療の特色などを中心に話を聞いた。(取材日2025年9月30日)
病院の成り立ちと地域における役割についてお聞かせください。

名古屋市が運営していた「守山市民病院」の民間譲渡が決定したのを機に当院が譲り受け、2013年に「守山いつき病院」として新たなスタートを切った背景があります。2つの大きな建物のうち病床がある建物のみ内装をリフォームし、今日に至ります。当法人は透析を中心としたクリニックから始まった経緯がありましたので、当院も開院当初より63のベッドを備えた透析部門を設置。また、その他の診療科含め、病院全体として101床の病床を有しています。開院時より内科には各専門の医師が在籍し、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、神経内科など、透析だけでなく各専門の診療科を設置しています。また、透析患者は複数の合併症を抱えていることが少なくないため、整形外科、眼科なども備え、幅広い疾患に対応できる医療施設として親しまれてきました。この周辺地区には急性期病院が限られるため、できる限りその役割も担えるよう取り組んでいます。
病院の特色も教えていただけますか?

地域のすべての方に安心していただけるよう「よりどころ」の言葉を掲げて日々取り組んでいます。診療においても、多くの方の不調やお困り事に対応できる病院でありたいというのは常に考えています。その中の一つとして先ほどお話しした透析部門は当院の大きな軸。透析リハビリの体制も整えていますし、合併症を抱えている患者さんに対応できる環境であることも当院の特色だと言えるでしょう。また、内科に関しても各分野に精通する医師が在籍しているため専門的な診療が可能です。そして骨粗しょう症などの患者さんも多い整形外科、眼科では白内障の手術も数多く実施しています。皮膚科では数多くの外来患者さんを受け入れていますし、2年ほど前には泌尿器科も開始するなど、幅広い疾患に対応できる環境が整っています。このように、透析部門を軸としながらも、それ以外の多くの疾患にも対応できるのが当院の特色であり、強みだと自負しています。
複数の疾患に対し、診療を完結できる環境が整っているのですね。

ええ。できる限り患者さんのご負担を軽減し、安心感を与えらえるような体制は構築できていると感じています。急性期病院で治療を終えた方のリハビリや介護面の調整などが必要だということで紹介状を持って来院されるケースも多く、急性期病院からの受け皿としても寄与できているのではないでしょうか。「断らない医療」を実践してきた結果、今のようなさまざまな疾患に対応できる環境が整っていったように感じます。ここ数年、各部署のリーダーがスタッフを引っ張り士気を高めてくれたおかげで病棟の運営体制、稼働率が大きく変わり、チーム連携、多職種連携もより積極的に行えるようになりました。透析部門、病棟部門、事務部門、リハビリ部門、地域連携室など、さまざま部署が課題などを共有し解決していく非常に風通しの良い現場になっていったことは、私自身非常にうれしく思っていることですし、彼らに学ばせてもらったことでもあります。
訪問診療・訪問リハビリも行われていると伺いました。

これからの時代、在宅医療はより細かく、そして広く求められるようになる医療分野ですので、当院でも非常に重要な医療領域であると位置づけています。訪問リハビリにおいては、運動をせずに体が動かなくなってしまう前に介入できますので、非常に重要視しています。スタッフたちは患者さんのモチベーションにも働きかけながら、情熱を持って担当してくれていますね。私自身、循環器疾患を専門としていますので、訪問診療の経験も積んでまいりました。必要性を感じ身につけた急性期から慢性期まで対応できるスキルは、診療を行う上での強み。それを後進の育成にも役立てていけたらと考えています。また、高齢化が加速する中、老老介護など、ご家族が疲弊されるケースも少なくありません。そのようなお悩みにもレスパイト入院をはじめ全力でサポートしています。疲弊し生活に支障が出る前に、スタッフへご相談ください。
今後の展望や地域の方へ向けたメッセージをお願いします。

開院から十数年でまだまだ発展途上の部分もあり、これからの課題も山積しています。われわれが届けたい医療を一つ一つ実現していくために、ソフト面では新しいものを取り入れるばかりではなく、限られた医療資源や現在の医療制度の中で工夫していくことも大事だと考えています。多くのスタッフが誇りとやりがいを持って働いていけるための工夫もしかり。ハード面においては、以前の建物をそのまま譲り受けた状態でスタートしましたので、改築を目標に掲げています。それを機にわれわれ自身がより安心できる、より納得できる労働環境へ大きく変革していけると考えています。それは患者さんへの安心安全な医療にも寄与できる部分です。専門的なスキルを持つ人員確保・後進の育成も含めたソフト面と、ハード面の充実。その実現に向け、工夫しながら「守山いつき病院」ならではの地域に寄り添った医療を確立していきたいと考えています。

遠藤 治樹 院長
1986年鳥取大学医学部卒業後、心臓病、血管の病気を専門に内科全般の研鑽を積む。「正確な診断と治療」をモットーに臨床を重ね、いつきクリニック石川橋の院長を経て、守山いつき病院の院長に就任。循環器内科、総合内科の診療と並行し、病院全体のさらなる連携体制構築にも取り組む。地域住民が安心して暮らせる医療提供をめざし、訪問診療や訪問リハビリテーションにも力を注ぐなど、幅広い医療の提供に尽力している。





