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社会医療法人宏潤会 大同病院

(愛知県 名古屋市南区)

野々垣 浩二 院長

最終更新日:2021/02/12

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地域と強固な関係を築く高度急性期病院

名鉄常滑線の柴田駅から徒歩3分という好立地にある「大同病院」。名古屋市と東海市の境という土地柄もあり、南区のみならず知多エリアからも患者が訪れ、より広範囲の健康を担う医療機関として幅広い症例に対応している。1939年に大同製鋼病院として、主に製造業に関わる従業員の衛生管理や健康維持を目的として開設。時代の変化を受けて高齢者医療や介護事業所の展開などにも注力し、地域に開かれた病院へと進化した。21世紀に入って以降は、救急医療の強化、各診療科における専門性の向上と人財の充実に取り組んでいったという。2011年に社会医療法⼈化。近年は、地域で診療とケアに関わるすべてのステークホルダーと協働していくため、周辺の開業医ら医療関係者や介護・福祉関係者らとの定期的な勉強会や、地域住⺠向けのイベントを開催している。2018年に現職となった野々垣浩二院長は、地域医療に熱い想いを寄せ、救急・急性期医療のみならず在宅医療まで自ら手掛けるなど、患者にとってシームレスな地域医療を創りだすべく、前進し続ける。その野々垣院長に、同院の特色や地域連携における取り組みについて話を聞いた。(取材日2020年12月7日)

貴院の歴史と特色を教えてください。

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現在、私たちが掲げるビジョンの柱は2本あって、一つは「高度急性期医療を追求する」、もう一つは「最高の包括ケアネットワークを確立する」です。いま「地域包括ケア」と盛んに言われますが、当院はただ急性期医療を提供し、法人内に介護事業所を設置して連携するだけでなく、地域全体のケアプラットフォーム構築をめざしています。この思想は当院開設以来の歴史に芽があるんですね。高齢者医療が重視され始めた1970年代には「老人センター」を設立し、高齢者の健康維持のためにさまざまな活動を行っていました。1989年に介護老人保健施設を、そして介護保険制度導入時には訪問看護ステーションと居宅介護支援事業所を開設するなど、介護分野にも積極的に対応してきました。地域の生活者の健康増進、働く人たちの労働安全衛生に寄与することは設立以来の伝統ですし、その上に21世紀になって急性期という視点が加わったのです。

その後、現在の高度急性期病院へと成長した背景もお伺いします。

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2000年代後半から各診療科の人員や設備を強化してきました。私の専門である消化器内科領域においても2009年に当院に着任した頃にはまだわずかな医師数で診療していましたが、2011年に内視鏡センターが設立され、患者への侵襲に配慮した内視鏡医療に力を入れるようになりました。24時間体制で緊急検査にも対応し、救急医療体制にもリンクしています。また外科においても腹腔鏡手術を積極的に取り入れ、現在、消化器や呼吸器などの手術の大半が腹腔鏡・胸腔鏡を使った傷痕の小さな手術です。手外科や脳脊椎外科といった領域にも力を入れ、大学病院レベルの手術に対応が可能です。また若手医師を育てるために総合内科を中心に、研修医・専攻医の教育に力を入れています。404床という規模の中で、心臓外科を除いた内科・外科領域全般を網羅し、救急も含めて幅広い医療を提供できることは当院の大きな強みです。

数ある診療科の中でも、小児科には一層注力されたそうですね。

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「少子化」の時代ですが、小児医療のニーズは高度化・多様化しています。10年ほど前までは小児患者数が多いにもかかわらず、小児科医師は不足していました。小児救急に対応できる急性期病院も少なかった中で、当院は「24時間365日、この地域を守る」という思いで、どのような症状であっても断ることなく受け入れ、多くの小児患者とその親御さんに向き合うよう努めてきました。初めは数人の小児科医師で診療にあたっていましたが、当院の思いに賛同する若手医師がだんだんとチームに加わり、小児救急からNICU(新生児集中治療室)での治療、在宅医療まであらゆるフェーズに対応する現在の体制ができあがったといえます。また、当院は名古屋市南区の病院でありながら、緑区などの隣接区、東海市をはじめとする知多エリアからも患者さんがいらっしゃいます。周産期医療の提供とも相まって周辺の幅広いニーズに応えていることの表れだと自負しています。

地域連携における取り組みについても具体的に教えてください。

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当院では対応の難しいより高度な医療が必要な際には大学病院、安定した患者さんは回復期や慢性期の病院へスムーズな転院ができるよう地域連携に注力しています。小児医療ならば大学病院で難病治療を受けていたお子さんが地域に戻って生活しながら療養継続する場合に、在宅医療で支援するという流れも作っています。開業医や介護事業所に対しては、地域のお困りごとを先回りして解消できるよう、地域医療連携室のスタッフがこまめに訪問して、顔の見える関係づくりに力を入れています。地域の医師会と連携した勉強会の定期的な開催やさまざまな専門医療に関する情報提供についても、動画やオンラインセミナーを取り入れて積極的に行っています。さらに、地域住民を対象にした糖尿病教室や腎臓病教室、市民公開講座などのイベントにも力を入れてきました。患者さんや地域の人たちと、ともに学びながら医療や健康について考える。そういった姿で取り組んでいます。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

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今後焦点をあてたいのは、「いかに患者さんのニーズを先回りして適切な選択肢を提案できるか、それを医療の最前線でタイムリーに提供できるか」という点です。現状からもう一歩前進して医療の質を高めるには、患者さんの声を常時拾い上げ、院内にフィードバックする仕組みも作っていかねばなりません。そして、患者さんをはじめ、地域の病院、クリニックや介護施設、薬局などさまざまな「医療を取り巻くステークホルダー」の皆さんと共生しながら地域全体の価値を高めていきたいと考えています。当院が患者さんにとって安心かつ満足度の高い医療を提供することで、周辺の医療機関が当院と連携する上での安心感にもつながるでしょう。診療・ケアに関わるすべての人にとってメリットのある関係を築きたいですね。私自身が現場に行く機会は減りましたが、だからこそ患者さんの話に一層耳を傾け、私自身が全力で頑張る姿勢をスタッフに見せていきたいと思います。

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野々垣 浩二 院長

1998年名古屋大学医学部卒業。愛知厚生連昭和病院で初期研修後、大垣市民病院、名古屋大学医学部附属病院で研鑽した後、2009年より大同病院で勤務開始。2018年より現職。内科の中でもより幅広い症例に携わりたいとの思いから消化器内科を選択し、膵臓・胆のう系の疾患に対する内視鏡の診断・治療を専⾨とする。

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