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医療法人社団愛和会 産科・婦人科 愛和病院

(福岡県 古賀市)

松尾 直裕 病院長

最終更新日:2024/08/29

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母子に寄り添った切れ目のない手厚い支援を

1986年の開院以来、約40年にわたり地域医療の一端を担ってきた「産科・婦人科 愛和病院」。自然分娩と母乳育児を基本とし、産前だけでなく、産後の充実したケアにも力を注いでいるのが特徴だ。周囲のサポートが得られず育児に疲弊する母親を救済すべく、産後ショートステイやデイサービス、さらには育児相談窓口「愛和ホットライン」を開設するなど、子育てしやすい環境づくりに尽力。2022年より院長を務める松尾直裕先生は、「出産後もしっかりサポートできるのが当院の強み。古賀市だけでなく、福津市、新宮町、宗像市、福岡市など幅広い地域から多くの方が来院されます」と、手厚いサポート体制と母子に寄り添った取り組みを耳にし、遠方からも多くの患者が訪れていると言う。ライフステージにおいて妊娠・出産は、まさにビッグイベント。少子化が進む今、最初の出産を、第2子、第3子にもつながる充実したものにできるよう、今後もさまざまな取り組みを推進していきたいとほほ笑む松尾院長に、これまでの歩みを振り返ってもらいながら、同院の特徴や新たな試み、今後の展望などについて話を聞いた。(取材日2024年6月27日)

病院の成り立ちからお聞かせいただけますか。

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1986年に母体である「古賀中央病院」より独立して開院したのがそもそもの始まりです。当初は「愛和クリニック」という名称でスタートし、1989年に現名称となりました。古賀市はお産できる施設が少なく、お困りの方が多かったことから開院に至った背景もありますので、近隣にお住まいの方が安心して妊娠・出産に臨める努力を常にしてまいりました。今では、古賀市を中心に、福津市、新宮町、宗像市、福岡市と幅広い地域から来院されます。開院から約40年たちますが、半数のスタッフは15年以上勤務しているので、患者さんが久しぶりに来院されても顔見知りのスタッフがいることに安心感を持ってもらえているようです。当院では「自然分娩と母乳育児」を基本方針としていますが、経産婦さんに関しては無痛分娩にも対応しています。できる限り、患者さんのニーズにお応えできる環境を整えています。

産前産後ケアにも力を入れているそうですね。

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当院ではマタニティーヨガをはじめ、パパママクラス、骨盤ケア、ベビーケア、ベビーダンス、ベビーマッサージ、離乳食教室など充実したマザークラスに加え、育児相談窓口「愛和ホットライン」も設置。母親が孤立しない環境構築に注力しています。以前より母乳育児に特に力を入れてまいりましたので、その点においても頼りになる助産師ばかりです。この地域では母乳の悩みに対応できる施設が少ないため、当院で分娩されていない方も母乳のトラブルでおみえになるケースが多々あります。母乳に限らず、助産師が1時間ほどかけてじっくりとお悩みやご不安なことなどをお聞きするサポートも実施。このように助産師が寄り添うことで、妊婦健診で医師が拾いきれなかった患者さんの悩みやご不安を解消するきっかけになればと思います。われわれも助産師たちに助けられています。連携しながら、患者さんが安心してお産に臨めるようにサポートすることをめざしています。

無痛分娩についても詳しくお聞かせいただけますか。

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今は無痛分娩も特殊なお産の方法ではなく、バースプランとして希望される方も増えてきています。当院の基本方針は自然分娩ではありますが、経産婦さんに関しては無痛分娩に対応するようになりました。ただ、麻酔を使用しながらの分娩になりますので、そのリスクについてもしっかりとご理解いただいた上で実施するようにしています。そして出産はゴールではなく、スタート。ご家族のサポートが得られず、日中は母親だけで育児をする方も多くいらっしゃいます。産後はホルモンが急激に変化し、産後うつになりやすい状態でもありますので、そうならないためのレスパイトケアとして、退院後もお子さんと一緒に宿泊できるサービスを行っております。また、日帰りの産後デイケアも実施しています。今すぐ気持ちを吐き出したいときは「愛和ホットライン」にお電話ください。助産師が対応いたします。

スタッフ体制や取り組みなどもお聞かせいただけますか。

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今、総勢約45人体制で診療やサポートにあたっています。情報共有が重要になってきますので、医師、助産師、看護師だけでなく検査部門、調理部門とも改善点などを持ち寄り、全体で解決することを心がけています。入院中の食事に関しては母乳に良い食材を取り入れ、手作りスイーツなども工夫を凝らしています。また、ご近所などのつながりが希薄な世の中ですので、われわれが患者さんと近い存在でありたいと思うのと同時に、当院での出会いがそのきっかけになればと思い、同時期に出産されたお子さんのお誕生日会の開催を始めました。親御さんたちも出産までは顔を合わせることがあっても、出産後はなかなか会う機会がないそうで、お誕生日会に参加し久しぶりの再会をしていただけたらと……。このイベントをきっかけに情報交換したり、悩みを相談し合ったりできたらと願っています。もちろん、われわれもサポートは惜しみませんのでいつでもご相談ください。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

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当院は産科を主体とした診療体制ですので、患者さんの多くは妊婦さんですが、外来では婦人科疾患に関する診療も行っています。ただ、緊急帝王切開がいつ発生しても対応できるよう手術室は空けておかなくてはならないため、万が一、婦人科疾患の手術が必要な場合は高次医療機関へご紹介させていただいております。とはいえ、医師の数も増え、内分泌系に関する知識に長けた医師も在籍していますので、婦人科疾患や更年期障害についてもご相談ください。近年、当院で生まれた方が今度は自身の出産で来られるということも増えました。このように、これからも親から子へとバトンがつながれていく病院でありたいなと思っています。少子化問題もありますが、より産前産後ケア、また第2子、第3子につながるようなサポートに注力し、講演活動なども積極的に行ってまいりたいと思っています。

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松尾 直裕 病院長

1981年に福岡大学医学部卒業後、産科・婦人科の幅広い研鑽を積む。2009年に入職。以来、地域に根差した診療を行う。副院長を経て、2022年より現職。地域における産科・婦人科医療の受け皿となるべく、さまざまなニーズに対応できる環境づくりに尽力。また、産前だけでなく、ショートステイやデイケア、育児相談窓口の設置など、産後も母子に寄り添った環境づくりに力を注ぐ。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。

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