医療法人 吉村病院
(福岡県 福岡市早良区)
吉村 健史 理事長
最終更新日:2026/03/26


断らない・信頼される医療で地域に貢献
かかりつけ医として地域住民に親しまれている「吉村病院」。1946年の開業当時から昼夜を問わない地域の医療拠点として、患者に寄り添った診療を続けてきた 。現在は外科、整形外科、内科、泌尿器科などの診療科を標榜する地域の病院として幅広い診療が可能となり、24時間365日、救急車の受け入れや夜間急患に対応する救急告示病院の役割も果たしている。また骨折などの急性期治療からリハビリテーション、訪問診療による在宅支援まで、切れ目のない医療を提供。今後は総合診療部門の医師の増員やリハビリ部門での予防への取り組みを進め、地域の健康づくりに挑戦していくという。そんな同院が大切にしているのは「断らない医療」と「信頼される医療」だ。4代目理事長に就任した吉村健史先生は「患者さんに寄り添い続けた先代の思いを受け継ぎ、皆さんが困ることのないよう切れ目のない医療体制を構築していきたい」と意気込む。さらなる病院の進化のためにスタッフの思いやチャレンジも応援したいという吉村理事長に、同院の歩みと展望について話を聞いた。(取材日2026年2月17日)
開業から80年続く歴史ある病院ですね。

当院は母方の祖父である吉村欽二が、1946年に吉村外科醫院として開院しました。当時、この辺りは田園風景が広がり医療機関はあまり多くなかったそうで、近隣住民の医療を数多く引き受けていたと聞いています。実際、週末に祖父と一緒に夕食を取っていた時も、急患と聞けばすぐに駆けつけるような人でした。急性虫垂炎の手術が得意だったそうです。患者さんに寄り添う祖父の姿を見てきましたし、同様に地域の皆さんに真摯に向き合った先代たちの思いも受け継ぎ、患者さんが困ることのないよう切れ目のない医療体制を構築していきます。それは理念である「地域密着の医療」と「安心・信頼できる医療」につながるもの。私たちだけですべてに対応できるわけではありませんから、他の医療機関とも連携を取りながら「自分たちが受診したい」と思える病院づくりをめざします。
地域のためにとの思いから「救急医療も断らない」と伺いました。

祖父の代は「よろずや」のような病院で福岡市の救急病院協会にも入り、さまざまな急患を受け入れてきましたからね。現在も毎年たくさんの救急診療に対応し、急性の腹痛や骨折などの整形外科疾患、発熱などの感染症、急性アルコール中毒などの患者さんが運ばれてきます。私自身、断らない医療を実践している済生会福岡総合病院で勤務した経験があり、スタッフにも協力してもらいながら「自分たちの病院で治療できる範囲は可能な限り受け入れていく」スタイルを確立しました。当院ではリハビリ部門や訪問診療も強化しているため、例えば骨折で搬送された方の治療からリハビリ、そして在宅支援までをシームレスにサポートできます。高度急性期病院のように心筋梗塞や脳出血などに直接対応できるわけではありませんが、搬送されてきた方に関しては、当院で治療が難しくとも検査・診断の上で、連携している医療機関に責任を持って送るようにしています。
外来や入院での診療の特徴について教えてください。

当院は外科・内科両面の診療を行っていますが、外来では発熱や外傷でいらっしゃる方が多い印象です。皆さんにかかりつけ医のように利用いただいています。また周辺には学校も多いので、転倒してけがをしたというお子さんもよくいらっしゃいます。入院では胆嚢炎や虫垂炎などの消化器疾患、整形外科疾患、肺炎などの内科疾患の治療をしている患者さんが多くなっています。患者さんの高齢化も進み、複数の合併症を抱えている方も少なくないため、2026年4月からは総合診療部門の医師を2人増員し、幅広いお困り事に対応できるよう体制を整えます。ご高齢の方だけではなく、お子さんからさまざまな世代をカバーできるのではないかと期待しているところです。診療科が細分化され、どの医療機関に行けば良いかわからないという方も少なくないでしょう。祖父のように「よろずや的」な病院として、気軽に相談できる場所にしていきたいですね。
在宅支援を行うなど、多岐にわたる取り組みも特徴的です。

訪問診療については患者さんの要望が大きく影響しています。歩行が困難になり通院できないという方をケアするために始まり、訪問看護や居宅介護事業も充実させているところです。一人暮らしの高齢者が増えていますし、病気の後に自宅で過ごすためにはどんな支援が必要なのかについて、これからもスタッフや行政などと一緒に考えていきます。また看護や介護をする家族のケアも重要なポイントですから、当院では一時入院のレスパイト入院にも対応しています。こうしてさまざまな施策が打ち出せるのも、積極的に新しいことに挑戦するスタッフがいるからこそ。骨折を予防するためのパーソナルトレーニングや産後ケアを開始予定ですし、放射線科ではオリジナルキャラクターをつくって当院を広報してくれるなど、多くのアイデアが形になっています。これからもスタッフの思いを応援しながら、より良い病院づくりを進めていきます。
最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

脈々と受け継がれてきた、「断らない医療」「信頼される医療」という私たちの理念はこの先も変わりません。病院での診療や在宅支援などはもちろん続けていきますが、今後はそれに加えて「予防」も一つのキーワードになってきます。予防に関する施策は広がりつつありますが、これまで大きな病気をしたことがない健康な方にも、予防のためにできることがあると知ってもらいたいですね。当院は24時間開いている病院ですから、何かあればすぐに来ていただいて構いません。仮にその場で診断がつかなかったとしても、基幹病院に紹介するなど途切れない診療を心がけています。病院という名前だけで受診のハードルを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ホスピタリティーあふれるスタッフばかりです。クリニックのようなかかりつけ医の距離感で診療していきますので、どなたでも安心してご相談ください。

吉村 健史 理事長
2005年久留米大学医学部卒業。済生会福岡総合病院で臨床研修後、九州大学病院第二外科に入職。基幹病院にて外科・麻酔科領域で研鑽を重ね、2014年には祖父が開業した吉村病院へ。2025年に4代目の理事長に就任。日本外科学会外科専門医。





