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独立行政法人地域医療機能推進機構 九州病院

(福岡県 北九州市八幡西区)

内山 明彦 院長

最終更新日:2023/06/29

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北九州西部医療圏を支える愛と信頼の医療を

1955年、整形外科、外科、内科の3科からなる九州厚生年金病院として設立され、現在では48科575床の基幹病院として高度急性期医療を担う「九州病院」。北九州西部エリアを医療圏とし、「愛と信頼そして納得の医療」という理念の実現をめざしている。小児の先天性心疾患から成人のカテーテル治療まで年齢を問わず診療を行う循環器医療、手術支援ロボットなど新しい医療や緩和ケアを取り入れたがん治療、救急患者の多数の受け入れと、さまざまな領域で地域の医療を支えている。また周産期医療にも注力しており、NICU病床を15床備え疾患を持った新生児の治療や高リスク出産にも対応する。約20年にわたり九州病院に務め、2018年に院長に就任した内山明彦院長は「高度急性期医療を推進していくために質の高い医療を提供することはもちろんですが、患者さんやその家族に納得してもらいながら診療を行うことが大切。医療に対する情熱を持った職員が多いので一丸となって取り組んでいきたい」と強調する。そこで病院の理念や地域で果たすべき役割、診療の特徴などについて、内山院長に詳しく話を聞いた。(取材日2023年5月30日)

まずは病院の理念、地域で果たすべき役割をお聞かせください。

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当院の理念は、2014年の病院管轄機構の移管に伴い新たにつくられたもので、「愛と信頼そして納得」の医療を実践し社会に貢献する、と掲げています。もともと基本的な理念として信頼される医療が定められていましたが、医療を提供するあたり、患者さんや職員に対する愛、あるいは患者さんや家族の方からの理解が必要だと考えました。私自身もこの理念の策定に携わりましたが、ゴールである医療を通じた社会貢献をしっかりとめざしていきたいと思います。当院は北九州の西部エリアをカバーする急性期病院で、特に高齢者が多い地域のため、さまざまな疾患を持つ患者さんがいらっしゃいます。そのような地域において、高度急性期医療を担うことはもちろん、診療科の限りなく幅広い診療に対応していくことが求められている役割だと感じています。熱意を持った人材や先進的な設備機器を含め、病院の総合力をもってこの地域を支えていきたいと思います。

貴院の強みである循環器医療の特徴について教えてください。

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一つは小児の循環器疾患に対応していることでしょうか。先天性心疾患の治療に関しては40年以上前から取り組み、患者さんの中には成人になった方もたくさんいらっしゃいます。先天性心疾患は成長に応じて経過を見ていく必要がありますが、子どもから大人まで診療できる病院が少ないというのが実情です。ですからしっかりと経過を追って治療ができる病院であり続けるということは、私たちの大きな使命になっています。また循環器疾患を持つ新生児の救急については北九州だけではなく山口や大分、佐賀などからの患者さんも受け入れています。成人の循環器医療については循環器内科、心臓外科両面からの治療が可能。虚血性心疾患や不整脈に関するカテーテル治療に積極的に取り組んでいるほか、心臓弁膜症についてもカテーテルによる治療を始めたところ。循環器を専門とする医師数も多く、先進的な治療を行い地域へとお返ししていくという役割を果たしています。

基幹病院としてはがん治療も欠かすことができない領域ですが。

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地域がん診療連携拠点病院となっているため、注力している領域であることは間違いありません。消化器がんや肺がんをはじめ、白血病、泌尿器科のがんなど、幅広い患者さんを治療しています。2015年には手術支援ロボットを導入し前立腺がんなど泌尿器科領域で積極的に活用してきましたが、現在では直腸がん、胃がん、婦人科系の子宮がんなどにも取り入れているところです。また基幹病院では珍しく終末期のケアにも対応しており、2021年には緩和ケア内科を設置しました。がんの患者さんの中には再発や進行により治療ができなくなってしまう人がどうしてもいらっしゃいます。そこで2004年の病院移転の際に緩和ケア病棟をつくり取り組んできました。専門のチームががんの進行状況に応じて適宜介入しながらサポートを行い、がん患者さんやそのご家族が安心して緩和ケアを受けられるよう診療体制を整えています。

救急医療や小児・周産期医療も大きな柱になっていますね。

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当院がある北九州の西側は高齢者が多いエリアですから、やはり救急医療は欠かせないところだと思います。救命救急センターではありませんが、24時間365日患者さんを受け入れる二次救急に対応しています。新型コロナウイルス感染症の流行以降、救急医療を必要とする患者さんも増えていますので、各科の医師がローテーションで担っている部分など人的リソースの課題にも取り組みながら注力していきたいです。小児に関しては一般小児科はもちろん、循環器、周産期、そして小児救急の4つの領域が当院の特徴になっています。小児の先天性心疾患に対応している病院は北九州では珍しいですし、新生児医療についてもNICU病床を15床備えており、地域において大きな役割を担っているところです。またハイリスクな出産に関しても積極的に受け入れています。

最後に今後の展望や読者の方にメッセージをいただけますか?

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今後ますます高齢化も進み、幅広い対応力がなければこの地域の医療を維持していくのは難しいと思っています。私自身、この病院に来て約20年になりましたが、使命感を持った医師、人材がいることが病院の原動力になっているのだと実感しています。ですから、職員が生き生きと働ける環境をつくっていくことが私の仕事ですし、それが結果として良い医療を提供することにつながるのではないかと期待しています。高度急性期医療を担う病院として信頼されるような質の高い医療を提供することはもちろん、同時に患者さんやそのご家族に丁寧に説明を行い治療に対して理解、納得してもらいながら診療を進めていくことが重要だと考えています。地域の皆さんに安心して受診していただけるように、医療関係者、そして地域住民の皆さんからもたくさんの意見をいただきながら、一緒に成長できるような病院をめざしていきたいと思います。

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内山 明彦 院長

1985年、九州大学医学部を卒業。九州大学病院第一外科に入局し、消化器疾患、呼吸器疾患の診療に携わる。浜の町病院など関連病院に勤務し、2004年に九州病院へ赴任。2018年から院長を務める。

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