全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,944件の情報を掲載(2025年2月03日現在)

  1. TOP
  2. 福岡県
  3. 北九州市八幡東区
  4. 八幡駅
  5. 社会福祉法人恩賜財団済生会支部 福岡県済生会八幡総合病院
  6. 古森 公浩 病院長

社会福祉法人恩賜財団済生会支部 福岡県済生会八幡総合病院

(福岡県 北九州市八幡東区)

古森 公浩 病院長

最終更新日:2023/08/03

20230614 main z50764 20230515   45 20230614 main z50764 20230515   45

先進的な手厚い医療で地域の健康と命を守る

国道3号線沿いの春の町五丁目交差点よりすぐの場所にある「福岡県済生会八幡総合病院」は1927年に発足。長きにわたり、地域の中核を担ってきた病院だ。「24時間365日断らない」をモットーとした救急医療体制を構築し、脳疾患をはじめ動脈瘤や閉塞性動脈疾患など、一刻を争う急患の受け入れにも数多く対応している。2022年より病院長を務める古森公浩先生は血管外科分野の専門家。特に大動脈瘤ステントグラフト術に関するエキスパートだ。その技術でより多くの命を救うべく、後進の育成にも力を注ぐ。また、寝たきりや認知症の進行を防ぐための早期医療介入、在宅復帰にも注力するなど、多角的に診ることができる総合病院ならではの連携体制が整っていることも同院の大きな強みだ。2024年10月頃に移転も控え、「整形外科部門では膝関節治療にも力を入れるなど、今後は先進機器も多く導入し、より専門性に特化した治療にも取り組んでいきたいです」とほほ笑む古森病院長に、同院の歴史、地域における役割や診療の特徴、めざす医療、そして来年の新たな出発に向け、思い描く今後の病院像についても語ってもらった。(取材日2023年5月15日)

病院の歴史と特徴について教えてください。

1 46448 20230508 %e5%85%ab%e5%b9%a1%e7%b7%8f%e5%90%88%e7%97%85%e9%99%a2 %e5%a4%96%e8%a6%b31

済生会は明治天皇の「済生勅語」を受け、1911年に創設されました。当院に関しましては、1927年に発足し、まもなく100年目を迎えます。西日本でも早くから胃の集団健診に取り組んできた歴史を持つ病院で、基本理念である「病む人への思いやり」「職場同僚への思いやり」「地域の人への思いやり」「地球・自然・命への思いやり」といった4つの思いやりを掲げ、地域に根差した医療を提供してまいりました。数多くある診療科の中でも救命救急搬送の血管外科疾患をはじめ、脳外科疾患などの先進的医療、腎疾患では血液透析など、当院で担える技術と設備で地域に貢献してまいりました。その一方で、高齢者急性期ケア病棟では、寝たきりや認知症の進行を防ぐための早期医療介入と在宅復帰にも取り組んでいます。このように、小児から高齢者まで総合病院ならではの多角的に診ることができる連携体制の構築も大きな強みであり特徴だといえるでしょう。

腹腔鏡下手術や血液透析も早い時期に導入されたそうですね。

2 z50764 20230515   30

腹腔鏡下による胆嚢手術や胃の切除術など、その時代時代の先進的な医療に目を向け、地域に提供してきたと自負しております。また、血管外科疾患においては私の専門でもありますので、腹部大動脈ステントグラフト術や自身の足の静脈を用いてバイパスを作成する下肢バイパス術などの手術にも対応しています。腎疾患においては、血液透析(バスキュラーアクセス)も行える体制づくりをしておりますので、透析患者さんにおいては十分な血液量が確保できるように、静脈を動脈につなぎ合わせるシャント手術にも力を入れております。万が一、血栓が詰まる・手が腫れる・穿刺部が減って困っているなどのトラブルが起こったとしても、血管外科の専門医師が処置にあたることができますので、どのような状況にも迅速に対応することができます。

診療体制における特徴についてもお聞かせいただけますか?

3 z50764 20230515   8

救命救急にも対応し、専門性を要する症状に関してはオンコールで症状に長けた医師につながる体制も構築しています。特に高齢者は、症状の原因がわかりづらいことが多く、豊富な診療科と医師がいる強みを生かした連携で診療を行い、CT・MRIなどの放射線診断は、24時間専門の医師による読影体制を整えています。包括的かつ多角的に診ることができるのは当院の大きな特徴ですね。脳外科においても脳腫瘍や脳血管疾患、水頭症などの機能性疾患や救急搬送にも長期に対応してきました。整形外科分野では医師6人体制で、骨折や膝関節治療などに注力しています。高齢者は膝疾患のお悩みが多く、より手厚い医療をご提供できるでしょう。腹腔鏡下手術では、胃・大腸がんはもちろん、肝臓・膵臓がん、鼠経ヘルニアなど対応可能な疾患の幅広さも特色です。当院は30以上の診療科と340病床を備え、地域住民にとって安心材料になっているのではないかと思います。

地域における役割についても教えてください。

4 z50764 20230515   34

特に救命救急の役割は大きいですね。24時間365日断らない救急医療体制を整えていますので、予期せぬ事態に対応し得る点では地域の皆さまの安心にもつながっているのではないでしょうか。また、この辺りは高齢者が非常に多い地域になりますので、専門性の高い医療だけでなく、地域包括ケアシステムを構築し、地域で完結できる高齢者医療提供の取り組みも行っています。このような取り組みは、まさに地域に根差した医療の提供に直結しているといえるでしょう。超高齢社会となった今、病院完結型医療から地域完結型医療へとシフトしなければ、より多くの方を救うことはできません。一刻を争う救急搬送の対応、そして病院内外で多職種連携を活発化させ、地域の健康をお守りすることが、現時点におけるわれわれの大きな役割だと思っています。地域医療連携室が中心となり、退院後のサポートも実施しています。このような連携体制を今後も強化してまいります。

来年は移転も予定されています。今後の展望をお聞かせください。

5 z50764 20230515   24

現在、1階に新病院の完成模型を展示していますので、期待の声も多く寄せていただいているようです。病室の約8割は個室というように、プライバシーが守られる造りになっておりますので、より快適に入院生活を送っていただけるのではないかと思っております。また、2027年には福岡県済生会八幡総合病院創立100周年を控えています。医師、看護師をはじめ、医療スタッフのさらなる充実を図るとともに、より高度な検査や治療が行える医療機器の導入も積極的に行ってまいりたいと考えております。そのためには、医師やスタッフの育成も重要です。ありがたいことに、当院には各専門性に長けた人材が多数在籍しておりますので、その技術や知識を後進の育成にも役立てたいと思っています。新病院への移転を機に働きやすい環境しかり、新しい風を吹かせたいですね。地域になくてはならない病院として、住民の方にさらなる安心を与えられるように精進いたします。

20230614 main z50764 20230515   45

古森 公浩 病院長

1982年九州大学医学部卒業後、同大学医学部第二外科入局。大動脈瘤や閉塞性動脈硬化症に対する外科治療とステントグラフト内挿術など血管外科が専門。メイヨークリニック留学や九州大学大学院消化器・総合外科学(第二外科)助教授などを経て、2002年より名古屋大学血管外科教授。2022年4月より現職。日本血管外科学会名誉会長、日本脈管学会理事長、日本心臓血管外科学会名誉会員。

access.png