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学校法人産業医科大学 産業医科大学若松病院

(福岡県 北九州市若松区)

藤本 直浩 病院長

最終更新日:2022/06/21

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大学病院や地域の医師と連携し回復期医療を

北九州市営バス若松区役所前バス停から徒歩3分の場所にある「産業医科大学若松病院」は100年以上続く地域の頼れる総合病院だ。1891年に遠賀郡立若松分院として若松町役場内に開設された歴史を持ち、現在は一般病床133床を備えている。回復期の治療に重きを置き、同院の代名詞となっている整形外科、リハビリテーション科には国内外のアスリートから部活動に取り組む子どもたちまで多くの患者が訪れているほか、生活習慣病や消化器系疾患など内科領域の患者も広く受け入れ、産婦人科や泌尿器科など幅広い診療科を設置。また高度医療を提供する大学病院と、地域のクリニックをつなぐため、在宅復帰に向けた治療を行う地域包括ケア病床を開設するなど、地域医療にも貢献している。「本院である産業医科大学病院やクリニックの皆さんと密に連携を取りながら、地域で完結できる医療をめざしたい。それが当院の使命であり役割だと思っている」と話す藤本直浩病院長に、病院の歴史はもちろん、診療の特徴や今後の展望などについて詳しく話を聞いた。(取材日2022年5月24日)

100年超の歴史を持つ病院としてめざす診療を教えてください。

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当院は遠賀郡立若松分院として開設され、以来長きにわたって公立病院として地域の医療を支えてきた歴史があります。設立当初の若松地区は石炭産業で栄え、当時は近代的な病院として地域住人の自慢だったそうです。2011年には北九州市からの譲渡によって産業医科大学若松病院となりましたが、地域の皆さんからは大学病院というよりは地域の病院というイメージで親しんでいただいているようです。この若松エリアにはほかに総合病院がなく、また高齢化が進みお年寄りが多い場所でもあることから、地域での診療を希望される方がたくさんいらっしゃいます。そのため地域完結型の医療を提供する病院として、対応できる診療には可能な限り応えていきたいと思っています。ICUやロボット手術といった機器設備、心臓血管外科や脳神経外科の診療科などカバーできない部分に関しては、産業医科大学病院と連携しています。

産業医科大学病院との連携も強化していると伺いました。

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病気の急性期で高度な機器や設備による治療が必要な患者さんについては、産業医科大学病院で手術などの治療を行い、そして回復期になったら当院で過ごしていただく。それが患者さん第一のための連携だと考えています。連携の一番の目的は患者さんに最良の治療を行うことですからね。そのためにも患者さんの電子カルテは共有し、両院でともに確認することができるようシステムを整備しました。これまでは積極的に患者さんを紹介し合う体制ではなかったので、転院や紹介における手間を省き簡略化したフローで患者さんを相互に受け渡すことが可能になりました。また人材教育という面でも連携を強化。当院にはスポーツ領域の整形外科をはじめ、大学病院では取り組んでいないような診療もあるので、研修の場としても若いスタッフを積極的に受け入れていきたいと思っています。

確かにスポーツ領域の整形外科は貴院の特徴ですね。

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当院の整形外科には日本全国、そして海外からアスリートが診療に訪れます。それに加え部活動でケガをしてしまった地域の中学生や高校生などにも多く来院いただいていますが、スポーツ領域だけではなく一般的な整形外科疾患でいらっしゃる方もたくさんいます。しかしどんなに良い治療、優れた手術をしたとしても、機能を回復させるためのリハビリテーションがしっかりしていなければ治療することは不可能です。そのため整形外科だけではなくリハビリテーションにも注力し、手術から機能回復までをカバーできるようにしています。それ以外の診療科については、地域の高齢者ニーズが高い内科に関しては消化器や呼吸器、糖尿病・リウマチなど細かく専門家をそろえていますし、産婦人科では骨盤臓器脱や失禁といった割と泌尿器科に近い良性疾患を中心に診療を行っています。私の専門でもある泌尿器科では、前立腺肥大をはじめとした内視鏡手術に対応しています。

地域医療に対してはどういう姿勢で向き合っているのですか?

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福岡県全体で見てみると、急性期に対応できる病院は数多くあるのですが、回復期の患者さんに対応できる病院は意外と少ないのです。ですから当院は地域において回復期の治療を担っていく必要があると考えています。2018年には地域包括ケア病床17床を開設し、術後の退院や転院までの回復期間をリハビリなどでサポートしていけるよう施設を整備しました。急性期の治療が終わって不安なまま帰宅するのではなく、そこにワンステップがあることで安心して帰宅できるようになります。一方で地域のクリニックとの連携も非常に大切なこと。2022年になってからは地域の医師の皆さんと意見交換会を開催し、さまざまな要望を伺うようにしています。「紹介時に時間がかかる」「どの診療科に紹介して良いかわからない」などの意見に対して、連携室の人数を増やして対応したり、総合内科の役割を明確化したりしながら改善を続けています。

最後に今後の展望についてもお聞かせください。

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注力している大学病院や地域との連携については、今後もどんどん進めていきますし、患者さんの紹介フローについてもシステムが機能しているかを適宜チェックし、常に改善していきたいと思います。大学病院が急性期を担い、当院が回復期を担うという役割分担ができれば、両院の空きベッドも有効活用できるのでもっとたくさんの患者さんを受け入れられるはずです。それは結果的に地域への貢献にもつながるのではないでしょうか。地域の方たちはこのエリアで完結する医療を求めていますから、入院を伴う手術に対応できる耳鼻科や眼科の常勤など診療体制の整備などにも力を入れていきたいですね。そして当院には若い職員が多いという特徴もあります。医師をはじめ看護師、メディカルスタッフ、事務職員など働き盛りがそろっているので、実力が発揮できるような環境づくりにも取り組みながら、スムーズかつ迅速に最良の医療を提供できる病院をめざしていきます。

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藤本 直浩 病院長

熊本県出身。1984年、島根医科大学(現・島根大学医学部)卒業。産業医科大学病院泌尿器科に入局し、原三信病院、福島労災病院、市立戸畑病院などに勤務。アメリカのウィスコンシン大学やロチェスター大学への留学では、前立腺がんの基礎研究に打ち込む。2020年より現職。産業医科大学病院副病院長や泌尿器科教授を兼任する。

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