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医療法人友紘会 奈良友紘会病院

(奈良県 北葛城郡上牧町)

林 秀雄 病院長

最終更新日:2024/09/24

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地域のニーズに応える病院であり続ける

近鉄大阪線の五位堂駅または大和路線の王寺駅からバスで10〜15分、服部停留所からすぐの「奈良友紘会病院」は、1988年の開院以来、地域の医療ニーズに応える病院として人々の健康を支えている。当初は救急医療をメインに急性期病院としてスタートしたが、医療環境の変遷や地域の状況に対応して、現在では192床を有する亜急性期病院として地域密着型の医療サービスを提供。内科、外科、整形外科をはじめ、眼科、歯科までがそろう充実した診療科と小回りの利く規模を生かして、一人ひとりの患者に寄り添った対応を実践している。院内の各診療科間のスムーズな連携に加えて、地域の医療機関、介護関係、必要に応じて行政とも連携を取りながら、しっかりと患者や患者を支える家族をサポートするのが特徴だ。地域に根差した病院として「病院の形態に固執することなく、常に地域の実情に合った医療を提供したい」という林秀雄病院長に、同院の診療の特色、地域医療に対する思い、近々予定しているという病院の建て替えも含めた今後の展望などについて語ってもらった。(取材日2024年8月1日)

地域における病院の位置づけや役割を教えてください。

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当院は開院以来、時代ごとの地域ニーズに合わせた医療を提供してまいりました。当初は、ICUも備えて急性期医療を主体としていましたが、病院の役割分担を推進する国の方針などもあって基幹病院が救急医療を受け持つようになり、この10年間ほどは急性期と慢性期をつなぐ亜急性期医療を提供しています。亜急性期とは急性期の治療は終えたものの、療養を主な目的とする回復期病棟に移るには不安がある、まだ治療を必要としているといった状態です。当院の周辺地域も高齢化が進んで高齢者施設が増え、施設に入居されている方が肺炎になったり転倒して骨折したりして、入院が必要となるケースが少なくありません。こうした場合、ご高齢の方は入院日数が長くなる傾向にあるため、急性期病院での受け入れが難しいケースもあります。当院は、そうした方に不安なく入院していただけるような、高齢者施設の後方支援病院としての役割も担っているのが特徴です。

こちらの診療にはどのような特色がありますか?

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特定の領域や疾患に対して専門的な医療を提供するというよりは、総合的な診療を提供しているのが特徴です。このため受診される患者さんの年齢層も幅広く、例えば内科では消化器疾患はもちろん、呼吸器疾患、糖尿病などの生活習慣病、さらに風邪などの感染症についても対応しています。透析施設も備えているので、通院での透析に対応しているのはもちろん、透析治療が必要な方が肺炎など他の疾患を発症した場合も、入院しながら透析治療を続けられるのが利点です。普段は地域の透析クリニックに通っている方に、入院の必要性が出てきたといったケースも紹介を積極的に受けています。私の専門分野の消化器内科では、上部・下部の内視鏡検査やポリープ切除術などを行っています。健康診査で再検査となったケースや、地域の先生からのご紹介で受診されたケースなどで、必要と判断した場合には奈良県西和医療センターといった医療機関につなげます。

新しい設備も導入されているそうですね。

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整形外科では脊柱管狭窄症などの手術に力を入れており、脊椎内視鏡システムを導入しているのが特徴です。実際に脊椎の状態を確認しながら検査、治療できるのが強みで、今後も外傷などの救急患者さんの受け入れとともに、腰部脊椎疾患の手術へも積極的に対応していきます。また泌尿器科では、体の外から衝撃波を与えることで腎結石・尿管結石を粉砕する目的の装置を治療に活用しています。結石を細かく砕くことで、尿とともに排出を促せるのがメリットです。さらに法人ではスタート時点から医科、歯科の両方に対応していたことから、当院でも口腔外科だけでなく、成人、小児の一般歯科の診療を提供しています。また、白内障の手術のために眼科を受診される患者さんも多いですね。近年は、白内障の日帰り手術が普及してきましたが、合併症がある方やご高齢の方、独居の方などは日帰り手術は不安だからと、入院での手術を希望される場合が少なくありません。

地域の医療機関とはどのように連携を取っていますか?

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奈良県西和医療センターをはじめとする病院や地域のクリニックとの連携体制を整えています。この地域では、奈良県西和医療センターが中心となり、開業医、勤務医を対象とする勉強会を年に2〜3回開催しており、参加することで医師としてのスキルアップはもちろん情報交換や親睦のために役立てています。また、当院の場合、基幹病院や高齢者施設、クリニックから転院、紹介の患者さんも多く受け入れます。スムーズな入退院のために、地域連携室が担う役割は大きいですね。独居の方が退院される場合、安心して帰っていただけるように介護職、場合によっては行政とも密に連携を図ります。院内の各診療科間の連携も密で、スタッフが情報共有しながら、診療科の垣根を越えその患者さんに必要な医療の提供をめざします。長年、地域密着型の医療を続けることで、患者さんの生活背景なども把握できます。一人ひとりに寄り添った医療を提供できるのが当院の特徴です。

今後の展望を教えていただけますか?

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開院から35年以上を過ぎて施設が古くなり、現在の基準で見ると患者さんに快適にご利用いただけない部分も多いのが現状です。このため、現在建て替えの計画を進めており、できれば2年以内に着工したいと考えています。すでに基本設計はできあがっており、新しい病院は亜急性期病院としての当院の特色を踏まえて、患者さんがより快適に利用でき、ゆったりと入院生活を送っていただける空間づくりを重視しています。建て替え期間中はご不便をかけることになると思いますが、駐車場に仮の病棟を設置して診療は継続いたしますので、ご安心ください。診療面では、企業などの集団健診をはじめ健診にいっそう力を入れ、地域のニーズや状況を踏まえて訪問看護など在宅医療にも取り組んでいきたいですね。さまざまな診療科を備え、小回りが利く当院の特色を生かして、今後も変化する社会の情勢や地域のニーズにお応えできる医療の提供に努めてまいります。

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林 秀雄 病院長

1981年、近畿大学医学部卒業、近畿大学第2内科入局。1988年、奈良友紘会病院病院長就任。専門は内科、消化器内科。病気だけではなく、一人ひとりの患者自身にしっかりと向き合うことを大切にしている。日本消化器病学会消化器病専門医。健康の秘訣は、ウォーキングとジムでのトレーニング。観劇やバイクなど多彩な趣味を楽しむ。

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