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歴史と実績をもつ呼吸器内科の診療
呼吸器領域は地域医療の拠点に

独立行政法人国立病院機構 奈良医療センター

(奈良県 奈良市)

最終更新日:2026/03/03

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  • 保険診療
  • 喘息
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 肺がん
  • 間質性肺炎
  • 睡眠障害

早くから結核や神経・筋難病、重症心身障害などの政策医療に注力し、長期間の治療や療養を必要とする患者を支え続けてきた「奈良医療センター」。独自の診療環境、豊富な人材、病院文化で、疾患の治療のみならず全身の健康管理や生活支援まで多方面からサポートしている。さらに、呼吸器内科では多岐にわたる専門分野で特殊な検査や先進の治療が可能で、呼吸リハビリテーションにも強みをもつ。そこで、同院の内科・呼吸器内科の現状について副院長で呼吸器疾患センター長を務める玉置伸二先生に、また呼吸ケアを担当する板東千昌先生と、睡眠時無呼吸症候群を専門とする田中小百合先生にも詳しい話を聞いた。(取材日2026年1月8日)

結核や肺MAC症から睡眠障害まで幅広く対応。高度な呼吸器診療と呼吸ケアを融合し、地域医療に貢献

Q貴院の内科診療の特徴を教えてください。

A

政策医療を担う病院として専門的な領域の診療に対応

【玉置先生】内科・呼吸器内科では専門領域に加え、一般的な内科症状を含めた入院患者さんの診療や外来も行っています。最近では奈良県立医科大学附属病院や奈良県総合医療センターで急性期治療を終えた患者さんを受け入れ、入院で継続治療を行う例も増えました。呼吸器疾患に限らず、他の病気や脊髄損傷などで呼吸不全のある患者さんにも、呼吸ケアを含めた包括的なサポートを行えるのが当院の大きな特徴です。なお循環器内科、消化器内科、腎臓内科などでは、地域の先生方からのご紹介患者さんや当院へ通院中の患者さんに、予約制の外来を実施しています。

Q呼吸器内科で強みとする疾患や領域はありますか?

A

呼吸器疾患において豊富な治療実績をもつ

【玉置先生】結核は、現在も奈良県の拠点病院として入院治療を含め積極的に診療しており、最近では外国生まれの方の結核症例も多いです。肺非結核性抗酸菌症、特に肺MAC症の診療経験も豊富で、標準治療に加えリポソーム化アミカシンの吸入治療も意欲的に実施。吸入療法を導入することにより、治療を完遂できた患者さんも増えています。また、重症喘息などでは生物学的製剤での治療や、総合呼吸抵抗装置(モストグラフ)を用いた詳細な評価も行えます。未治療例も多いといわれるCOPDでは、奈良市や民間と連携した対策に取り組み、禁煙に特化した外来を設けるなど診断や治療の窓口も担います。

Q呼吸ケアの特色をお聞かせください。

A

人工呼吸器や酸素療法などさまざまな治療を実施

【板東先生】肺、あるいは脳や神経の病気で呼吸がしにくくなり、日常動作に支障が出る状態を「呼吸不全」と呼びます。当科では、必要な方には人工呼吸器や非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)、ネーザルハイフローなど、酸素療法を活用し呼吸リハビリテーションを組み合わせ、「呼吸が苦しくて食事ができない、お風呂に入れない、話せない」といった日々の不便さの改善をめざします。近年では、脊髄損傷による呼吸不全の患者さんの受け入れも行っています。またCOPDや間質性肺炎など、がん以外の病気でも終末期には呼吸困難に見舞われることがあるため、適量のモルヒネなど薬物を使い苦しさの改善を図る「呼吸の緩和ケア」に取り組んでいます。

Q呼吸リハビリテーションでは、どのようなことを行うのですか?

A

少しでも呼吸が楽になる方法を考えて提案している

【板東先生】呼吸がつらい患者さんの多くは、「食べる、話す、歩く」など、体を動かす際に息苦しさを感じます。そこで、リハビリテーションでは実際に体を動かしながらスタッフが運動量や心拍数を確認し、楽に動けるペースや、休息をとるタイミングなどを具体的に体得していただきます。また酸素療法をされている場合には、動作に応じて必要な酸素流量を見極めることも重要です。内容や期間は患者さんの状態に応じて異なりますが、日常的な動作が現状よりも楽になる、あるいはやりたいことに手が届くようになることが目標です。中には、医療的な介入やリハビリテーション、ご家族の協力を含めた環境調整により、ご自宅に戻れる方もいます。

Q睡眠時無呼吸症候群の検査や治療にも、注力しているそうですね。

A

CPAPを開始する際は使い方の説明を丁寧に行う

【田中先生】睡眠時無呼吸症候群は、働き盛りの男性に多い病気ですが、最近では女性の患者さんも増えています。治療で大事になるのは、無呼吸の改善で睡眠の質を高めることに加え、血管が低酸素にさらされる時間を減らし、脳・心血管病変のリスクを減らすこと。当院では、標準的な治療は、CPAPで睡眠時の脳波や呼吸状態を調べる終夜睡眠ポリグラフ検査を1泊入院で実施し、確定診断をつけます。CPAP導入時には、1泊入院で使い方の指導や効果判定を実施。さらに定期的な受診時には全身状態も確認し、必要時には食事指導やメンタル面のサポートなども行います。治療中断を防ぎ、長く健康で過ごしていただけるように努めています。

Q地域医療において、今後どのような役割をめざしていかれますか?

A

睡眠時無呼吸症候群の検査も行っている

【玉置先生】ご紹介した呼吸器疾患では検査環境や先進の治療が充実しており、気管支鏡による肺がんの診断や内科的治療も可能です。確定診断や治療の判定などでお困りの場合には、お気軽にご相談ください。呼吸器内科には多岐にわたる専門性をもつ経験豊富な医師が7人、また看護師や薬剤師、理学療法士、作業療法士、臨床心理士、管理栄養士、臨床工学技士など多数の専門職スタッフも在籍。チームで一丸となり患者さんを支える文化が育まれていますし、リハビリテーションも各患者さんのペースで進めるなど、患者さん本位の診療を大事にしています。呼吸器領域において、身近でありながら頼りがいのある地域の拠点として機能していきたいですね。

患者さんへのメッセージ

玉置 伸二 副院長

1990年奈良県立医科大学卒業。奈良県立医科大学附属病院や関連病院で研鑽を積み、2011年に奈良医療センターへ入職、現在は副院長、呼吸器疾患センター長、地域医療連携室長などを兼任。結核や肺MAC症、肺がんの診療に精通し、感染対策や禁煙治療のエキスパートでもある。日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医など。奈良県立医科大学臨床教授。

板東 千昌 呼吸器科医長

高知医科大学(現・高知大学医学部)卒業。学生時代に季節性の咳を経験したことで呼吸器に関心を持ち、呼吸器内科の道へ進む。大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター(現・大阪はびきの医療センター)などを経て、2016年より奈良医療センター内科・呼吸器内科。日本呼吸器学会呼吸器専門医。

田中 小百合 先生

奈良県立医科大学卒業。2001年より同大学附属病院呼吸器内科で診療に従事し、2003年より奈良医療センター内科・呼吸器内科へ。睡眠時無呼吸症候群をはじめ、レム睡眠行動障害やナルコレプシーの検査や治療にも注力。20年以上にわたり睡眠時無呼吸症候群の治療を担当している患者もいるという。呼吸器疾患や内科一般、重症心身障害者の治療も行う。

【玉置先生】呼吸器疾患では、咳や痰など症状に日々悩まされている方が少なくありません。今のつらさが少しでも楽になる治療を親身になって考えていきますので、安心して受診してください。
【板東先生】特に進行する病気での呼吸ケアや呼吸リハビリテ-ションは、患者さんにとって毎日が貴重な時間であることをチーム全員が意識し、より良く過ごしていただけるよう工夫を重ねています。
【田中先生】睡眠時無呼吸症候群では治療を続けることが何よりも重要です。治療をやめてしまった方、今の状況に満足できていない方にも、ぜひ治療継続への足がかりとして、当科を頼っていただければと思います。

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