全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,945件の情報を掲載(2025年2月09日現在)

  1. TOP
  2. 香川県
  3. 木田郡三木町
  4. 高田駅
  5. 国立大学法人 香川大学医学部附属病院
  6. 門脇 則光 病院長

国立大学法人 香川大学医学部附属病院

(香川県 木田郡三木町)

門脇 則光 病院長

最終更新日:2024/11/14

Hf main z60230 20240913 13Hf main z60230 20240913 13

先進的な医療で地域を支える

1983年の開院以来、約40年にわたり香川県内の大学病院として高度医療、教育、研究、地域医療支援という4つのミッションに取り組む「香川大学医学部附属病院」。先進的な医療の提供、高度な医療技術の開発と研修を行う特定機能病院として数多くの先進的な取り組みに尽力している。2016年からは新手術室を稼働させ、ロボット支援手術、ナビゲーション手術、ハイブリッド手術などを提供。病棟、外来においては、高度ながん治療、周産期医療、救命救急医療などに注力し地域医療を支えている。2021年から同病院をけん引する門脇則光病院長は、血液内科を専門に血液のがんに対する高度な免疫療法に取り組みながら、病院内の働きやすい環境づくり、敷居の低い病院をめざした地域交流にも力を注ぐ。多職種がつながり、やりがいを生み出す医療技術部の創設、先進的な医療を陰で支える医療安全管理部を推進するなど、安心して医療を進めるためのシステム維持にも余念がない。「ささえる・つながる・リードする」をキャッチフレーズに、大学病院として多くの機能を担う同院について、紳士的で親しみやすい雰囲気の門脇病院長に話を聞いた。(取材日2024年9月13日)

地域における役割と特徴を教えてください。

Hf 1 %e7%97%85%e9%99%a2%e7%8e%84%e9%96%a22

当病院は大学病院共通の高度医療、教育、研究、地域医療支援という4つの使命を担っています。高度医療に関しては、さまざまな診療科で専門的な治療にしっかりと取り組んでいますし、医学生の教育、卒後臨床研修、高度なスキルを身につける大学院などのほか、看護師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、公認心理師など、幅広い年代を対象にした多職種にわたる教育にも注力しています。研究においては、いくつかの診療科で数多くの治療に取り組んでいるほか、検査や治験の開発研究にも尽力しています。また、地域医療支援では、常勤医と非常勤医を地域の医療機関に派遣。新型コロナウイルス感染症の流行時には、感染制御部から高齢者施設などに看護師を派遣し、クラスター時の対応や実地の指導なども行いました。さまざまな形で地域医療支援を行う、地域にとってなくてはならない病院であると自負しています。

特徴的な診療科や分野は?

Hf 2 %e6%89%8b%e8%a1%93%e6%94%af%e6%8f%b4%e3%83%ad%e3%83%9c%e3%83%83%e3%83%88

当病院の大きな特徴は多くの診療科をそなえ、各科が高い専門性を有していることです。各科が精度の高い治療に取り組んでいますが、この辺りにあまりない医療という観点では、膵臓・胆道センターが挙げられます。膵臓と胆道の病気に関連する消化器外科、消化器内科、腫瘍内科、放射線診断科の4つが協働。予後の悪い膵臓がんなどを早期発見し、適切な治療を行うことを目的に専門家が集まり、高難度医療に取り組んでいます。膵腎同時移植など、全国的にも珍しい高度な医療の実践も大きな特徴です。また、形成・美容外科においては、漏斗胸という胸部が陥凹する先天異常の治療を得意としており、全国から患者さんが来院しています。血液内科では、難治性の血液のがんに対するCAR–T細胞療法という免疫療法に対応しています。患者さんにとっては大きな福音と言えるのではないでしょうか。

他にも特徴的な領域があれば教えてください。

Hf 3 %e3%83%89%e3%82%af%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%83%98%e3%83%aa2

災害医療では、今年の能登地震の際にDMATを派遣しています。当病院はドクターヘリの基地として、香川県立中央病院と交代で対応しています。香川県は小さな県ですが、島しょ部があり、島の急患を運ぶドクターヘリは当初の予想を超えた出動回数で活躍しています。また、香川大学は歴史的に周産期医療に強く、産科ではハイリスク妊娠の緊急帝王切開の件数が多いという特徴があります。ハイリスク分娩で生まれた赤ちゃん自身もハイリスクですので、NICU(新生児集中治療室)とGCU(新生児回復室)を備え、赤ちゃんを見守る小児科の新生児医療にも力を入れています。そして、当病院が注力する領域の一つに高度ながん治療があります。ロボット支援手術に対応しているほか、進化の著しいがんに対する薬物療法など、規模の大きな病院だからこそ取り組める「がん治療」に尽力しています。

病院運営で大事にされていることは何でしょう?

Hf 4 %e6%89%8b%e8%a1%93%e5%ae%a4

職員の仕事に対するモチベーションを上げることです。そのための取り組みの一つとして、医療技術部という新たな組織を立ち上げました。病院では臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士などさまざまな職種が協働しています。現場の声が執行部まで上がらず裁量権も乏しくなりがちな縦割りシステムの壁を取り払い、医療技術部に集約。それによって多職種間の横のつながりができ、皆生き生きと働いています。それは、間接的に患者さんの診療にもプラスになると思います。また頻繁に面談の場を持ち、皆が満足できる職場環境づくりに努めています。地域とのつながりにおいては、当院のマスコットキャラクターであるくーちゃんの名前「KUH(くぅ~):Kagawa University Hospital」を冠した広報誌の発行や職員がチームを組んでさぬき高松まつりの総おどりに参加するなど、より地域に開かれた、敷居の低い病院を目標に活動しています。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

Hf 5 %e7%97%85%e9%99%a2%e5%8f%97%e4%bb%98

今、求められているのは総合診療ができる医師です。日本の高齢化に伴い、高血圧に加えて糖尿病や腎臓疾患もあるなど、複数の病気を患う70代、80代の患者さんが増えています。大学病院ではどうしても医療が専門分化してしまい、医師は自分の領域に終始する傾向がありますが、いくつもの疾患を抱えている患者さんを得意として診る総合診療の医師のニーズが高いという声は、地域の医療機関の先生方からも聞かれます。当病院では、今年から総合診療部門を開設し「総合診療の医師を香川県で育てよう」という目標に積極的に取り組んでいます。また、働きやすい職場環境づくりを実現し、職員がモチベーション高く仕事に取り組み、全診療科で難しい病気はもちろん、身近な病気に対しても丁寧な診療を心がけています。高松市内から少し離れた場所にある当病院ですが、わざわざ足を運んでいただけるだけの医療とホスピタリティーを提供し続けていきたいと思います。

Hf main z60230 20240913 13

門脇 則光 病院長

1986年京都大学医学部卒業。1995年京都大学大学院医学研究科・血液病態学修了後、1996年から米国DNAX Research Instituteポストドクトラルフェロー。京都大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学准教授、香川大学医学部血液・免疫・呼吸器内科学教授を歴任、2021年より香川大学副学長(医療担当)、同大医学部附属病院病院長を併任。日本内科学会総合内科専門医、日本血液学会血液専門医。

access.png