医療法人社団友愛会 岩砂病院・岩砂マタニティ
(岐阜県 岐阜市)
岩砂 智丈 理事長
最終更新日:2026/04/24


内科、産婦人科を軸にリハビリや在宅医療も
岐阜市北部、山並みを望むのどかな地域に「岩砂病院・岩砂マタニティ」は立つ。明治時代から代々続く歴史ある病院で、内科の診療所に始まり、平成になって産科クリニックを開設、2012年に病院と産科クリニックが統合されて現在の名称になった。産婦人科と内科の両方を有する民間病院は全国的にも数が少なく、同院の特徴の一つといえる。VR機器を導入したリハビリ、在宅医療といった強みもあり、まさに、命の誕生から最期までを支える病院として地域になくてはならない存在となっている。岩砂智丈理事長は大学卒業後、九州の病院に勤務。産科の医師がNICUにも関わるという土地柄で、次の勤務地では新生児科の医師として働いた経験を持つ。そのため母子の安全管理を徹底し、専門的な診断で出産に向き合う。「命の誕生にはロマンを感じます。その子がどんなふうに育つのか、未来が楽しみ」とほほ笑む岩砂理事長は親しみやすく話しやすい人柄。生まれ育った地域に「貢献し、必要とされる病院でありたい」との志を持つ岩砂理事長に、地域や患者に対する真摯な思いを聞いた。(取材日2026年2月3日)
こちらは歴史ある病院と伺っています。

明治時代、1896年に私の曾祖父が内科の診療所を開院したのが始まりで、2026年で130年になります。続く祖父の代では、雨の日も自転車を走らせて患者さんのご自宅へ往診に伺うなど、地域の方々と向き合ってきました。その姿を見て育った父が産科を開設し、今日まで続けてこられたのは、地域の皆さまが寄せてくださった信頼のおかげです。2012年に岩砂病院と岩砂マタニティが統合し、新たに「岩砂病院・岩砂マタニティ」としてこの地に新築移転した次第です。現在は、私のいとこで内科医である岩砂淳平先生が院長を務めています。地域のニーズに答えるべくリハビリにも力を入れ、今年度からは専門の医師による在宅医療も始めました。また、当法人内には介護施設、グループホームなどがあり「生まれてから人生の最期を迎えるまで寄り添う」というスローガンどおりの体制が整ってきたと思います。
先生のご専門である産婦人科について教えてください。

婦人科は1階で産科は2階と、プライバシーに配慮しフロアを分けています。女性を含む複数の医師がおり、帝王切開、子宮頸管縫縮術といった専門手術、切迫早産の長期入院、無痛分娩などに対応します。なお、当院はNICU(新生児集中治療室)に携わった私の経験から、お母さんと赤ちゃんの安全を優先し、必要な時にだけ、適切なタイミングで介入する「安全な自然分娩」を重視しています。そのため帝王切開率が低いです。また、妊娠糖尿病などを合併している妊婦さんを内科でフォローしたり、切迫早産で入院中の妊婦さんにリハビリを行ったりできるのも当院の特徴です。お母さんが孤立せず、健全な環境で育児ができるよう産後のサポートにも注力しており、必要に応じて行政につないでいます。また、「産後ケア」はお子さんが1歳になるまで受けることができます。助産師相談の外来もありますので、医師に話しづらいこともご相談ください。
内科の外来や訪問診療についても詳しく伺えますか?

内科には10人ほど医師がおり、風邪、発熱、生活習慣病の診療をはじめ人間ドック、健康診断、予防接種を行うほか、神経内科の外来も設けています。各種検査も可能で、CT・MRI検査、エコー検査、胃・大腸の内視鏡検査といった内容に対応しています。訪問診療は当院にとって新たな取り組みです。「住み慣れた場所で、自分らしく暮らしたい」という要望に応えるべく、2025年から専門の医師とスタッフで365日24時間体制の対応にあたっています。病院の訪問診療ですから、ご自宅では難しいCTやMRIなどの検査もスムーズに行うことができます。入院が必要となった際には、当院の病床をご案内できるため「入院先が見つからない」という心配がありません。また関連事業所に訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所があり、法人全体で患者さんの在宅生活を支えています。
リハビリの体制も充実させているそうですね。

当院には脳疾患や整形外科疾患の回復期リハビリの入院も多く、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士らが多種多様なアプローチを提供しています。運動機能の維持・向上、家事や入浴といった日常動作の訓練、精神面に働きかける軽作業、摂食嚥下や発音・発声の機能訓練など内容は多岐にわたり、ご家族への介助や環境調整のアドバイスも行います。リハビリには、脳卒中リハビリなどに用いる、筋肉が動く際に出る微弱な電気信号を読み取り運動を自動アシストする「随意運動介助型電気刺激装置」など、先進機器を活用しています。またVR(仮想現実)技術を応用したリハビリ用医療機器もあります。ゲーム感覚でリハビリをしながら、歩行動作、バランス能力などの改善をめざしていきます。患者さんの「もう一度○○したい」に寄り添うため、看護師、管理栄養士、社会福祉士など多職種連携のもと患者さんをサポートしているのも大きな特徴です。
先生のお話から、地域への深い思いが感じられます。

当法人では「地産・地育・共創・友愛」というビジョンを掲げ地元で生まれた命を大事にすること、健全な子育て環境づくりをすること、地域のためにいろいろな人たちと共同して創造し、地域の人を愛し、貢献していくことをめざしています。このビジョンを軸に、岐阜市北部というこの地域において、当院が果たせる役割は大きいと考えています。私たちが地域の中心というわけではありませんが、地域のためにできる活動は積極的に形にしていく。その想いから当院では、子どもから大人まで誰もが参加できる食堂の運営や、各専門スタッフによる地域講座など、医療の枠を超えた取り組みを広げています。できることは限られているかもしれませんが、地域に対する志は強く持ち続けています。これからも地域の皆さんに必要とされ、信頼される病院でありたいと願っています。

岩砂 智丈 理事長
2001年東京医科大学卒業後、宮崎医科大学入局。産婦人科の診療に加え、新生児医療にも携わり、船橋中央病院周産期母子センターでは新生児科に勤務。その後、宮崎市郡医師会病院、長良医療センター、岐阜大学医学部附属病院などにて主に妊娠、出産に携わり、2013年岩砂病院・岩砂マタニティへ。2016年医療法人社団友愛会理事長就任。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/3万800円~





