全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,934件の情報を掲載(2025年4月11日現在)

  1. TOP
  2. 千葉県
  3. 佐倉市
  4. ユーカリが丘駅
  5. 東邦大学医療センター 佐倉病院
  6. 吉田 友英 病院長

東邦大学医療センター 佐倉病院

(千葉県 佐倉市)

吉田 友英 病院長

最終更新日:2022/07/01

20220516 main20220516 main

地域医療の要として多様な患者に寄り添う

千葉県北部の佐倉市にある「東邦大学医療センター 佐倉病院」は、東邦大学が持つ3つの付属病院の中でも新しく開設された病院。同院は郊外の緑豊かな丘陵地帯に位置し、印旛医療圏の救急医療・高度医療を担うほか、地域に多いファミリー層や高齢者層に対する幅広い医療も提供している。2021年に病院長に就任した吉田友英(ともえ)病院長は、「人を大切にする医療という考えのもと、当院の職員や地域の先生方との対話を重視し、密接な協力体制で患者さんの健康を地域全体で支えたいと思います」と話す。地域医療の要として、救急で運ばれてくる患者を極力断らず、紹介患者もできる限り迅速に柔軟に対応できるようにしているのだとか。そうした患者受け入れに対する姿勢や、各診療科の専門性を生かした診療により、地域医療機関との連携を深めることで地域医療に貢献していく。「地域の皆さんが病気やけがで困ったとき、ここに来れば何とかしてくれると頼られる病院をめざしたい」と話す吉田病院長に、同院の特色や最近の動き、今後の展開などを詳しく聞いた。(取材日2022年4月13日)

この病院の特色や近年の動きなどをお聞かせください。

20220510 1

2021年9月に開院30周年を迎えた当院は地域に根差した医療機関として、現在は病床数405床、多様な診療科を擁しています。大きな特色は、高度急性期医療を担う大学病院と、皆さんに身近な医療を行う地域医療支援病院という2つの機能を持ちながら、地域医療に貢献している点でしょう。急性期では救急医療、手術・化学療法・放射線治療を組み合わせた集学的ながん治療をはじめ各分野の高度医療を、地域の医療機関と協力しながら提供しています。ここ数年の動きでは、HCU(高度治療室)8床を新たに設け、ICU(集中治療室)をリニューアルして移設し、手術室を2室増やすなど、診療体制を充実させてきました。HCUとICUを隣接させたため患者さんの容体に応じた移行も容易で、手術室からの動線も良くなっています。お待たせすることが多かった手術もよりスムーズに進み、緊急時の対応もしやすくなると期待しています。

2021年の病院長就任後は特に何を大切にされていますか?

20220516 2

東邦大学の付属病院初の女性病院長と言われますが、いまだに「何が違うのだろう」と思案しています。病院長として、きめ細かな気配りを行い、男女を問わず働きやすい職場づくり、患者さんも当院の職員も、地域の先生方も含めた「人を大切にする医療」など、私なりの視点を生かして地域の医療に貢献していきたいですね。現場の考えを大切にするため、就任後は最前線にいる医師やスタッフ、若手の医師、新入職の職員と積極的に面談して意見交換しています。また、私は就任前の6年間は医療連携・患者支援センターの責任者を務め、地域の先生方とのつながりも強めてきました。例えば、安心してご紹介いただけるよう、紹介患者さんの当院での治療内容、退院や転院などの報告、転院先での様子まで、担当した医師からお知らせすることも徹底しました。今後も「顔の見える医療連携」「対話する医療連携」で地域医療の向上をめざしたいと考えています。

診療面での強み、力を入れている分野などを教えてください。

20220511 3

当院は地域医療の最後の砦という意識で、救急の患者さんを極力お断りせず、紹介患者さんは各診療科で、ご予約なしの受診でもなるべく当日対応します。分野としては、消化器内科が潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患を得意とし、高度肥満症に対するチーム医療を行う糖尿病・内分泌・代謝内科には首都圏全体から患者さんがおみえになります。同科では各専門職が密接に協力し、食事療法・生活改善指導・薬物療法といった内科的治療、内視鏡的胃内バルーン留置術、胃切除手術による外科的治療、ならびにメンタルサポートなど多方面からアプローチしています。また、リプロダクションセンターを併設する産婦人科は、生殖医療、内視鏡手術、子宮鏡手術の各専門家が在籍し、妊娠機能の温存にも配慮して内視鏡手術、子宮鏡手術が行える点も特色です。千葉県の地域周産期母子医療センターとして不妊治療から妊娠、出産までトータルにサポートしています。

救急医療やがん治療、循環器治療にはどう対応されていますか?

20220510 4

救急医療は前述のHCU、ICU、手術室による急性期医療の増強に加え、2022年から救急専属の医師を配置して充実を図っています。さらに救急部門で緊急の症状に対処して、必要な場合は専門の医師に引き継ぐという各診療科との連携も強化し、多くの救急の患者さんを診られる体制を整えているところです。がん治療は、手術、化学療法、放射線治療という標準治療はすべてカバーし、外来療法室での抗がん剤治療、緩和ケアチームによる緩和ケアにも対応します。さらに2020年にロボット手術支援システムを導入し、泌尿器科のがん治療で用いていますが、今後は他の診療科での活用もめざしています。循環器はカテーテルによる血管内治療、例えば心筋梗塞や狭心症の冠動脈インターベンション、不整脈のアブレーション治療などを行い、高齢の患者さんを中心とした心不全には治療後に心臓リハビリテーションも実施し、早期回復をサポートしています。

今後の展望や地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

20220516 5

「顔の見える医療連携」「対話する医療連携」を重視し、地域の先生方、病院の職員、地域の皆さんとの連携をさらに強めたいと思っています。例えば、職員と協力して生き生きと働ける職場をめざし、それが患者さんの満足度向上につながる体制を整えるつもりです。また、新型コロナウイルスのワクチン接種にも当院は積極的で、各診療科が連携して地域の健康を守れるよう努めています。現在は佐倉市による小児接種実施計画の実施医療機関として、お子さんの接種に小児科の医師も参加します。もちろん地域医療の要として高度医療・救急医療にも力を入れ、地域の先生方からのご紹介にも迅速に対応するほか、地域の急性期病院が持つ専門性をもとに患者さんを手分けして診る協力体制も進んでいます。こうした連携機能を生かすためにも、地域の皆さんにかかりつけ医をお持ちいただくことで、困ったときに頼れる地域医療支援病院の役割を果たしたいと考えています。

20220516 main

吉田 友英 病院長

1985年東邦大学医学部卒業。現在の同大学医療センター大森病院で研修後、耳鼻咽喉科第一講座に入局。1996年に現在の同大学医療センター佐倉病院耳鼻咽喉科医局長に就任後、同院耳鼻咽喉科准教授、難聴・めまい回復部門長、医療連携・患者支援センター長、東邦大学医学部臨床支援室教授などを歴任。同院副院長を経て、2021年7月から現職。医学博士。日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医。

access.png