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日本赤十字社 足利赤十字病院

(栃木県 足利市)

室久 俊光 院長

最終更新日:2024/12/18

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患者も職員もここで良かったと思える病院に

栃木県と群馬県の県境に流れる渡良瀬川沿いに立つ「足利赤十字病院」は、診療・救急体制はもちろんのこと、防災・環境・セキュリティ・感染症対策などに力を入れ取り組んでいる。2011年の新築移転時には、まるでホテルのような病院を意識し、知らずに付近を通る人の目には一見して病院とわからないような外観も特徴的。内部も落ち着いたインテリアでまとめられ、良い意味で病院らしからぬたたずまいも好評だ。病院の機能面、セキュリティへの取り組みなどについては、国際的な医療機能評価機関であるJCI(Joint Commission International)の認証も取得している。「患者の皆さまがかかってよかった、職員のひとりひとりが勤めてよかった、と言える病院を創ります」を理念とし、日々進化する医療技術に対応し、地域の医療ニーズに応えている「足利赤十字病院」を率いる室久俊光院長は、穏やかな語り口と優しい笑顔が印象的な人物。地域存在する大規模病院としてさまざまな話を聞いた。(取材日2024年11月20日)

まずは貴院について教えてください。

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当病院は70年以上の歴史を持ち、創設以来両毛地域の中核病院として機能してきました。以前は足利市の中心部にありましたが、敷地が手狭となり、地域の医療ニーズに的確にお応えすることが難しくなりましたので、2011年に現在の地に新築移転をいたしました。その際には、当病院の職員と病院建築の専門家からなるチームを立ち上げ、考え得る高水準の機能を実現いたしました。移転から13年経過した今でも、国内外から視察に来られており、高いレベルが維持されているものと自負しております。中でも患者さんのプライバシーに配慮し快適な療養環境を具現化した「一般病床全室個室」は日本では数少ない取り組みでした。照明も従来の蛍光色ではなく温かな電球色を採用。絵画も飾り、より療養に特化した仕様にしました。この個室化は感染症対策上も有用で、患者さんと職員の導線が分離されていることと合わせ感染症にも強い病院となっています。

災害に強く環境にも配慮された病院だそうですね。

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建物自体は免震構造になっておりますが、災害時に重要なのは電気と水の確保です。当病院は栃木県と群馬県の県境に位置していますので、両側から電源を引き込み片方の電源ルートが遮断されてももう一方に切り替えられるようになっています。また両方の電源が使えない事態になっても強力な2基の自家発電設備で、手術や診療用の電源はもちろんのこと、エアコンや電子カルテなどすべての電力を賄える体制が整っており、重油の供給が途絶えなければ長期間の電源ダウンにも耐えられます。重油は優先供給していただけるような体制になっています。水は水源が豊富な立地を生かし地下水をくみ上げております。この地下水は年間を通じて水温約15度が維持されており、冷暖房にも活用することでCO2排出量を半減させることに成功しております。また1階講堂は災害時に約300人を収容でき、壁面に医療ガスを配管、ステージ下に非常用簡易ベットも収納されています。

ロボット支援手術等の先進の医療技術も次々と導入されています。

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ロボット支援手術は医師の高い技術力を要しますが、患者さんの負担を格段に減らすことにつながります。これまで困難であった小さな患部に対する手術も得意ですし、前立腺疾患に始まり現在では適用疾患が広がり、腎臓がん、肺がん、胃がん、大腸がん、結腸がん、最近では肝臓がんに対しても行っています。高い技術力を持つ先生方に加え、幸い若い意欲的な先生方もおられ、後継者の育成や技術の継承にも順調に取組めています。また昨年春より先進の放射線治療装置も導入しました。従来の放射線治療は健康な周辺組織への影響も大きく、治療回数も期間もかかりましたが、この放射線治療装置はピンポイントで効率的に照射ができますので、短期間低侵襲での副作用も少ない治療が可能になりました。栃木県内ではまだまだ導入施設がとても少ない設備でもあり、多くの患者さんの治療のお役に立てるのではないかと思っております。

救急救命や地域連携体制でも地域で重要な存在ですね。

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両毛地区で三次救急医療を担う救急救命センターでは「断らない医療」を掲げ365日24時間体制で診療を行っております。年間数多くの救急車を受け入れ、ドクターカーも運用しています。地域との連携については地域連携室を中心に、各医療機関と綿密に連絡を取り合っています。定期的に連携懇談会を開催し、当病院の各診療科の部長が地域の医療機関を訪問するなど、顔の見える関係づくりにも注力しています。医療は病院だけで完結するものではありません。当病院での治療にめどがつけば地域の先生方のもとへお戻しして、きめ細かな医療を続けて受けていただいています。そうした連携体制には、相互の理解が必要不可欠です。常日頃から地域の先生方とはコミュニケーションを欠かさないようにしております。患者さんにも当病院の効果的な使い方へのご理解をいただければ幸いです。

最後に地域の方々へのメッセージをお願いします。

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地域の中核病院として、CTやMRI、ハイブリッド手術室などの高度医療機器を整え、ロボット支援手術などに取り組む一方で、全病棟にセキュリティシステムや無線LANを導入し安心して少しでも快適に療養していただける環境をこれからも整えてまいります。また高齢化社会においては循環器系疾患を患う方が多くいらっしゃいます。今後はカテーテルによる心臓弁膜症治療など、ニーズの高い医療課題に継続して積極的に取り組んでまいりますし、日々進化を続ける医療技術の導入にも尽力してまいります。当病院の理念である「患者の皆さまがかかってよかった、職員のひとりひとりが勤めてよかった、と言える病院を創ります」に対し、これからもその実現に向けて職員一同励んでまいりますので、変わらぬご支援をお願い申し上げます。

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室久 俊光 院長

1986年獨協医科大学医学部卒業。福田記念病院消化器内科部長、獨協医科大学消化器内科学准教授、足利赤十字病院内科部長、同副院長などを経て、2021年に院長就任。一人の医師として診療では患者の立場に立って考えることをモットーとしている。時間ができたら列車旅行をするのが、当面のあこがれ。

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