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医療法人社団明芳会 イムス三芳総合病院

(埼玉県 入間郡三芳町)

田和 良行 病院長

最終更新日:2022/11/15

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信頼の医療で患者満足度の高い病院をめざす

埼玉県南部の三芳町にある「イムス三芳総合病院」は、長らくケアミックス病院として急性期から慢性期に至る医療サービスを提供してきたが、2013年の新築移転を機に急性期医療を中心とする病院に転換。呼吸器、循環器、消化器などの内科および外科、脳神経外科といった多様な診療科で地域の医療ニーズに応え、24時間365日対応で救急医療にも尽力する。さらに手術支援ロボットの導入をはじめ、患者の身体への負担が少ない低侵襲医療にも力を入れる。同院は、首都圏を中心に多くの医療・介護施設を展開する「IMS(イムス)グループ」の一員で、同地域では同じグループの慢性期病院「埼玉セントラル病院」や介護老人保健施設「埼玉ロイヤルケアセンター」「イムスケアふじみの」、隣接する富士見市の「イムス富士見総合病院」と密接に連携。ほかの医療機関とも協力し、「地域の患者さんを地域で診る体制をさらに強化したい」と話す田和良行病院長に、同院の特徴や地域連携について詳しく聞いた。(取材日2022年9月26日)

この病院の地域での位置づけなどを教えてください。

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当院がある三芳町のほか、近隣の地域医療を担う急性期病院で、同じ町の三芳野病院や隣接する富士見市のイムス富士見総合病院と連携し、地域の中で患者さんを診る体制づくりを進めてきました。特にイムス富士見総合病院とは同じIMSグループに属し、当院の脳神経外科や内分泌・代謝・糖尿病内科と、富士見総合病院の心臓・血管分野がそれぞれの強みを生かして患者さんに適切な医療を迅速に提供できるよう協力。救急医療での連携も深く、両院で救急の患者さんを受け入れるほか、脳神経外科などでより専門的な治療が必要な患者さんは当院に送ってもらう体制となっています。また、当院の新たな動きとして2022年から手術支援ロボットを導入し、活用しています。消化器外科で大腸がんの治療から始め、泌尿器科などにも利用を拡大する予定です。手術支援ロボットに限らず、各分野で低侵襲かつ安全性の高い治療を追究しています。

低侵襲治療のメリットや実践例をご紹介ください。

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手術支援ロボットは普及が進む中でサポート体制も確立し、当院でこの手術を行う医師も扱いに習熟しているため、安定した運用が図れるでしょう。患者さんの体に小さな穴を開けて手術することで、従来の開腹・開胸手術に比べて出血が少なく、手術後の早い回復が期待できます。加えて、医師の負担も軽減でき、手術環境の安全性向上につながる点もメリットといえます。循環器内科では、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患の治療を開胸せずに行うカテーテル治療に加え、不整脈の原因箇所を高周波で治療するカテーテルアブレーション治療にも対応します。また、2022年に設置した「バイプレーン型血管造影撮影室」は、血管の様子をリアルタイムに観察する血管造影検査が同時に2方向から実施できる設備で、ここでは脳神経外科領域の脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、脳梗塞の血栓を取り出す経皮的血栓回収術など、開頭せずに治療する低侵襲治療を行っています。

診療面ではどのような特色がありますか?

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一つは、内分泌系の代表的な病気である甲状腺の病気と糖尿病を中心に診療する内分泌(甲状腺)・代謝(糖尿病)センターです。甲状腺の病気は超音波診断装置などで適切に診断して治療し、甲状腺・内分泌外科との連携で腫瘍の手術にも対応します。糖尿病は日本糖尿病学会糖尿病専門医である貴田岡正史先生をはじめ、糖尿病診療やケアの専門知識を持つ医師、管理栄養士、看護師、薬剤師、理学療法士といった多職種連携し、合併症予防に向けた糖尿病教室、透析予防指導、フットケアなども提供。両分野では後進の育成にも努めています。また、消化器内科で胆管炎の内視鏡治療であるERCPを積極的に行うほか、整形外科では骨折の治療、関節の変性疾患に対する股関節・膝関節の人工関節置換術も多く実施しています。このほか、私の専門である肝臓内科も近隣地区に詳しい医師が少なく、重症の肝硬変や肝がんなどの症状は当院にご紹介いただくことが多いです。

地域の医療機関とはどう連携されていますか?

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当院を含め三芳町にある病院は、急性期、回復期、ケアミックスなど、それぞれの特色を生かした連携を図り、患者さんの相互紹介も盛んです。それに、人口約3万8000人の小規模な自治体のため、地域のクリニックや行政とも“顔見知り”の関係が築ける点は強みでしょう。何か依頼があるときは、クリニックの院長から私あてに直接電話がかかってくるほどです(笑)。また、脳神経外科では急性期脳卒中の治療に力を入れ、近隣で救急搬送された脳卒中の患者さんに対し、血栓を溶解するt-PA治療や血栓回収療法を行っています。三芳町の救急隊との関係も良好で、救急医療でもイムス富士見総合病院と連携しながら地域で頼られる病院になっています。

最後に、地域の方にメッセージをお願いします。

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当院が目標としているのは「患者さんに満足していただける医療」です。満足度の向上といっても単にスーパードクターを連れてきて難しい治療に成功すればよいのではなく、治療の過程も含めて十分に納得のいく治療を受けていただくことを大切にしています。そのためにも、患者さんやご家族との丁寧なコミュニケーションを重視し、一人ひとりの考えに即したテーラーメイドの医療サービスをご提供できるような病院をめざしたいですね。新型コロナウイルスのワクチン接種も、三芳町の医師会の適切な対応と各医療機関の連携で接種率を高めることができました。また、地域に必要な医療の一つとして、近隣の医療機関と協力して小児医療を充実させる計画も進めています。今後も地域に根差した病院として、「あの先生がいるから入院してもいい」と思われるような信頼関係をつくりたいと考えていますので、当院へのご紹介となったときも、どうぞ安心してご来院ください。

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田和 良行 病院長

1989年山梨医科大学医学部(現・山梨大学医学部)卒業。1993年同大学大学院医学研究科修了。博士号取得。同大学医学部附属病院でC型慢性肝炎、肝硬変、肝細胞がんを中心とする臨床・研究に従事する。大学の関連病院でも経験を積み、2006年4月にIMSグループ中核病院の板橋中央総合病院に入職。同年10月に消化器部長就任、2012年6月から副院長兼任。2015年4月より現職。日本肝臓学会肝臓専門医。

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