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医療法人慈桜会 瀬戸病院

(埼玉県 所沢市)

瀬戸 裕 理事長

最終更新日:2020/11/25

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女性の生活・出産をトータルサポート

2019年で70周年を迎える「瀬戸病院」は、開業当初から、地域の周産期医療を支えてきた病院だ。不妊治療からエコーによる検査、出産や育児の悩みを相談できる助産師相談室、母親同士が交流できるよう工夫された各種教室など、出産前から産後の全期間において、心身共にケアしてくれるトータルサポートが特徴。また、婦人科や乳腺外科、小児科、内科も設けており、婦人科疾患の治療・検査のほか、糖尿病の治療・予防、乳幼児発達や小児心臓など専門的な治療にも対応している。庭園を囲むように建てられた病棟は新しく、まるでホテルのような居心地。地域全体の周産期医療の充実にも尽力する理事長・瀬戸裕先生に話を聞いた。(取材日2019年4月22日)

病院全体がとてもおしゃれで、ホテルのような居心地の良さです。

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ありがとうございます。開院は1949年ですが、何度かリニューアル工事を行い、2014年の耐震化増改築工事を経て現在のような形になりました。病院の造りやインテリアは、緑の森や湖といった自然が残る所沢のイメージから、「緑」と「風」と「光」をテーマにしたもの。病室の家具や待合室のソファなどのインテリアは、家内が勉強して選んでくれたもので、若い女性や若いご夫婦の好みに合うようにシンプルモダンで統一しています。西側は森の緑が見え、晴れた日には遠く富士山も望める場所なので、最上階はレストランにして、出産での入院や切迫早産での安静入院、婦人科の手術入院の方に朝食ブッフェや産後のディナーを楽しんでいただけるようにしました。午後2時から4時は、本日のスイーツが人気のカフェタイム。出産後の体に優しいカフェインレスのドリンクなどもご提供していて、お見舞いに来たご家族やご友人と一緒によく利用してもらっています。

内科や麻酔科、小児科、乳腺外科もあるのですね。

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ええ、内科では糖尿病、小児科では新生児内科が専門の先生にも常勤で来てもらっています。助産師さんも多いですが、お互いに連携することで、婦人科健診から不妊治療、相談、出産、産後のケアまでトータルでサポートしています。今は昔と違い、地方から引っ越してきた方が所沢で妊娠・出産される方も増えていますが、一人ぼっちは心細いですよね。だから、お母さん同士が仲良くなってもらえるよう、院内にお母さんたちが集まれる多目的ホールを作って体操教室を開いたり、お互いの不安や悩みを話せる場を設けたりもしています。これから赤ちゃんが欲しい方たち向けには「こうのとりレッスン」を開いていて、そちらでは、どういう家庭を作りたいかや、苦労話やうれしかったことを話してもらったり。そういう医学以外の部分も力を入れて取り組んでいます。社会が良くなるために、何より重要なのは家庭が幸せであること。そのためのサポートをしたいと思うのです。

心のサポートにも力を入れていらっしゃるのですね。

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ええ、そこは大切にしていて、助産師による相談室なども設けています。お産にあたり不安や恐怖があると体も緊張し、痛みも強く感じてしまいます。予め「こういうふうに呼吸すればいいんだよ」「こういう気持ちでいるといいよ」とわかればリラックスして出産に臨めますし、なじんだ助産師さんがお産に立ち会うことで、安心できると思います。体を診るだけなら医師でいいかもしれませんが、助産師さんによる心のケアもとても大切です。また、当院では超音波を専門とする医師が3人おり、超音波検査で、赤ちゃんの異常を早い段階で確認していきます。ただ、それは異常があるから中絶というのではなくて、家族の心も医療上も準備ができていれば受け入れられるということ。ダウン症の子どもを持つお母さんのグループもありますし、例えば、消化器や心臓に異常があって生まれるとわかれば、小児外科の先生に待機してもらう、というふうに活用したいと思っています。

地域の医療のために、積極的に活動して来られたと聞きました。

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そうですね。所沢市医師会で周産期医療問題協議会というものを立ち上げ、地域の周産期医療の安定のために活動してきました。医療を地域で完結できず、東京の病院に送らないといけない時期もありましたが、今はだいたい県内で完結できるようになってきましたね。埼玉県産婦人科医会では、看護師さんに分娩監視装置の見方や母体救命法、新生児蘇生法などの専門技術を教える学校も作りました。残念ながらもうその学校はありませんが、先の3つについては毎年講習会を開いています。また「所沢准看護学院」と「所沢看護専門学校」の運営委員にもなっているんですが、看護師さんの育成・教育にはとても力を入れています。

最後に、今後の展望について一言お願いします。

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これまでは、周産期医療は、産婦人科の医師と看護師、助産師が専門的に行うものでした。でも今は、小児科や麻酔科、精神科といった他科、市の保健センターなどの機関とも力を合わせて、一緒にやっていく時代が来ていると思います。所沢地域の高次医療機関として防衛大学校病院がありますが、同院が「新生児のすべてを診ることまではできなくても、母体救命での搬送は必ず受け入れます」と言ってくれていること、また医師の偏在を防ぐために、東京大学や帝京大学の先生がこの地域に来て一緒に医療をやってくれると決まったことなどは、非常に心強いですね。地域の周産期に関係する先生たちとは、12年以上にもおよぶ医師会の周産期委員会での活動を通じて顔の見える関係があり、「みんなで周産期医療を支えていこう」というシステムができつつあるし、しっかり支えていきたいですね。

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瀬戸 裕 理事長

1978年、帝京大学医学部卒業。同大学産婦人科に入局し、医局長を務めた後、父・瀬戸玄次医師が開いた瀬戸病院に入職。1994年に院長就任、2000年より理事長を務める。日本産婦人科学会産婦人科専門医。診療内容の充実と看護師・助産師の育成に力を注ぐとともに、地域医療の発展にも尽力。特に埼玉県西部地区における周産期医療問題について、地域と行政の橋渡し役も担っている。

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