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医療生協さいたま生活協同組合 埼玉西協同病院

(埼玉県 所沢市)

関口 由希公 院長

最終更新日:2023/11/21

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無差別平等の医療で地域を支える

人々が出資金を出し合い、病院や介護老人保健施設を運営、利用する非営利組織である「医療生協さいたま生活協同組合」。その一院として地域住民の健康を支えているのが、「埼玉西協同病院」だ。内科や外科、眼科、整形外科、皮膚科、歯科などの急性期医療から、訪問診療や地域包括ケア病棟の運用、リハビリテーション、健康診断などまで、地域の医療ニーズに応えるための体制を整えている同院。さらには、学習会や子ども食堂などにも利用できる地域交流スペースも用意するなど、地域密着の病院として多彩な活動に取り組んでいる。そんな同院の院長を2022年より務め、「地域の皆さんの生活全般を支える病院をめざしています」と優しい笑顔と穏やかな口調で語る関口由希公(せきぐち・ゆきひろ)先生に、同院の取り組みについて詳しく話を聞いた。(取材日2023年8月21日)

最初に病院を紹介していただけますか?

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基本的には地域密着型の急性期病院です。99床の病床のうち、50床が一般急性期病棟、49床が地域包括ケア病棟です。地域包括ケア病棟はかなり軌道に乗っていて、ポストアキュートをはじめ、レスパイト入院や緩和ケアなど多くの方にご利用いただいています。診療内容は内科と外科、眼科、整形外科、皮膚科、歯科などのほか、訪問診療も行っています。また、新型コロナウイルス感染症の患者さんも入院を含めて多数受け入れてきました。大変ではありましたが、その経験を通じ地域医療に貢献することで、スタッフの力量やモチベーションが上がったのではないかと思います。さらに当院の特徴は入院時の差額ベッド代と入院保証金をいただいていないことです。個室もありますが、病状により振り分けさせていただいています。無料低額診療も行っており、医療費に不安がある方には相談員が対応しています。患者さんの負担をできるだけ少なくできればと考えています。

診療での特徴はありますか?

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「食べる」を支援することに力を入れているのが、一つの特徴だと思っています。歯科は病院の外にあるのが一般的ですが、当院では院内に併設しており、外来で一般歯科・予防歯科などの診療に対応しているほか、入院患者さんのオーラルフレイル対策や造影検査などによる摂食・嚥下機能の評価、リハビリテーションなどにも取り組んでいます。特に、高齢になると活動量が下がり、物を食べてもむせてしまうなどうまく食べられていない人は少なくありません。自宅や施設で療養していた方が誤嚥性肺炎になって入院するケースが多いのですが、摂食・嚥下のリハビリテーションをして口からきちんと食べられるようになれば、元気に退院するところまで回復が期待できる方がたくさんいるんです。加えて、当院の入院患者さんは全員、口の中をチェックして、必要があればベッドサイドまで行って治療を行っています。さらに訪問歯科診療にも対応しています。

ほかに力を入れていることはありますか?

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私の専門でもある糖尿病の診療にも力を入れています。最近では、血糖値を24時間モニターできる測定器があり、当院でも導入しています。新しい糖尿病の治療薬もたくさん出てきていますが、それらも積極的に取り入れています。また、従来は学習入院を通常は2週間で行っていましたが、これからは1週間や週末だけの学習入院も行っていく予定です。やはり、働いている人などが2週間休むのは大変ですから、短期間にすることで、そういう人たちにも、もっと受けてもらえるようにしたいと考えています。糖尿病治療の基本は自己管理ですし、ああしろ、こうしろと頭ごなしに言っても患者さんのモチベーションは上がりませんから、学習入院で病気のことを理解してもらうのは、とても重要だと考えています。さらに、眼科にも力を入れており、多焦点眼内レンズを含む日帰りと入院による白内障手術や、加齢黄斑変性症に対する抗VEGF注射などにも対応しています。

地域の活動にも熱心に取り組んでいるそうですね。

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はい。当院には地域コミュニティールームが併設されています。また、子ども食堂や、家庭で余った食品をフードバンクに寄付する「フードドライブ」の支援などにも、組合員さんを中心に協力を得ながら取り組んでいます。子ども食堂は、本当に必要な方にまだまだ届いていないのではないかという懸念もあり、地道に続けていくことが大切だと考えています。さらに、毎月1回、農家さんやお店屋さんが季節の野菜、お菓子やお惣菜などを販売する「ゆるっと市」を開催しているほか、パソコン道場、スマホ教室、学童を対象とした食育体験の企画なども行っています。

最後に今後の抱負と読者へのメッセージをお願いします。

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地域の皆さんにとって、かかりやすくて親しみやすい病院づくりをめざすこと。加えて、地域の健康づくりです。健康には、病気がないだけではなく、生きがいがあるとか、地域の中で役割があるといったことも大切だと思います。一番心配なのは一人暮らしの方ですが、地域とのつながりや、何かしらの文化的な楽しみを持ってもらったり、クラブ活動のように集まってもらったり、お茶を飲みながら世間話をするだけでも良いと思います。そういう場所に、当院がなれればうれしいと思っています。そうすることで皆さんが住み慣れた場所で、最後まで生活を送れるようサポートする。そうして、地域を住みやすくしていくことにも、皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思います。そして、当院は無差別平等の医療を掲げ、どなたでもかかりやすい生活全般を支える病院をめざしています。健康や生活のことでお困りなことがあれば、気軽にご相談ください。

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関口 由希公 院長

2000年群馬大学卒業。埼玉協同病院での研修後、2002年から熊谷生協病院と秩父生協病院で2年間の勤務を経て、埼玉協同病院で7年間にわたって研修指導。2012年より、さいわい診療所所長。2021年より埼玉西協同病院副院長。2022年より現職。日本内科学会総合内科専門医。日本糖尿病学会糖尿病専門医。

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