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医療法人社団 誠弘会 池袋病院

(埼玉県 川越市)

杉山 政則 院長

最終更新日:2024/12/25

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さまざまなニーズに対応する地域の基幹病院

川越市に開業して60年余りの「池袋病院」は、地域の基幹病院として、人々の健康を守り続けている。これまで、急性期・回復期・慢性期医療、透析医療、リハビリテーションや訪問看護など、地域のさまざまなニーズに応えるかたちで体制を整備してきた。診療科も豊富で、総合的な診療はもちろん、専門性の高い治療にも力を注ぐ。2024年に院長に就任した杉山政則先生は、消化器外科が専門だが、杏林大学外科教授や東京労災病院病院長を長く務めた経験を持ち、総合的視野に立った医療の提供に尽力している。同院はできるだけ多くの救急搬送受け入れをめざし、地域のクリニックからの依頼も可能な限り受け入れるという方針を掲げている。さらに、人工透析が必要な高齢患者の長期療養入院にも対応。「目の前で困っている患者さんやご家族がいるなら、療養入院で対応するのが当院の使命と感じています」と語る杉山院長に、地域における役割、特徴的な診療科、今後の展望について聞いた。(取材日2024年10月17日)

地域における御院の役割についてお聞かせください。

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当院の周りには大学病院が3つありますが、中規模病院が少ない地域です。当院は、小規模病院ですが診療内容から見ると大学病院の次のレベルに位置していますので、地域医療を担いつつ、専門的な医療も行っていく必要があると考えています。例えば、大学病院は高齢者の救急医療を担うことが少ないため、その部分をカバーしたいですね。急性期医療以外にも、回復期、慢性期、生活期の患者さんを診療する必要がありますが、当院は多彩な診療科を備え、専門的な診療を行うことも可能です。地域のニーズに合わせて、当院単独でできること、更に地域の医療機関と連携することも考えていきたいと思います。なお、2024年には訪問看護ステーションを開設しました。訪問リハビリテーションや訪問診療にも力を入れています。また、地域包括ケア病棟、人工透析、健診にも力を入れています。人工透析は外来と入院で対応可能です。

医療を提供する上で御院が大切にしていることは何でしょうか?

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当院の理念は「科学的根拠にもとづく適切な医療を行うとともに、患者さんの権利を尊重し、快適に病気を治す環境をつくります」です。小規模病院ですから、機器やスタッフの数などは大学病院にはかないませんが、科学的精神を忘れず、ガイドラインに準じた、最善の医療を提供したいと考えています。患者さんに最善の医療を提供するためには、安定した経営や職員が満足して働くことのできる環境も大切です。当院では、病院の円滑な運営のためや、更なる発展のために多職種のスタッフによる会議が行われています。議長や書記を交代で担当し、職種や立場の上下に関係なく、活発な意見交換をしています。当然、現場の声は経営陣にも伝わります。理事長である前院長や法人事務本部長が中心となって築き上げてきた組織の骨格がしっかりしています。こうした取り組みが、結果的に医療サービスの質の向上につながると信じています。

診療科について教えてください。

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当院は総合診療を行うとともに、各診療科では常勤の医師と非常勤の大学病院の医師とで専門診療を行っています。例えば、小児外科には3人の医師がいて、小児の鼠径ヘルニアの腹腔鏡手術を行っています。土曜に手術し、日曜に退院することが可能で、学校も休まずに済みます。埼玉医科大学病院より小児を専門とする麻酔科の医師も来ており、大学病院レベルの診療を行っています。消化器外科の中でも肝胆膵外科は私の専門分野です。肝臓がん・胆道がん・膵臓がんは、胃がんや大腸がんに比べて診断が難しいのですが、私は肝胆膵の専門家として長く診療を続けてきましたので、責任を持って診断にあたっています。さまざまな化学療法を当院で行っています。一般的な消化管がんの手術は当院で行っていますが、高度進行がんは適切な医療機関に紹介しています。脳神経外科では以前から認知症の診療も行っており、近隣地域を超えた遠方からも患者さんが受診されています。

地域医療連携にも力を入れていると伺いました。

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当院は小規模病院としては数多くの救急搬送を受け入れています。看護師も増員するなどし、ソーシャルワーカーを中心とした退院支援により病床の回転を上げ、受け入れ率の向上を図っています。地域のクリニックや施設から依頼を受けたら、必ず受け入れる方針を掲げています。土曜の午後など、どこの病院も開いていないときがありますし、大学病院を紹介するほどではない患者さんの受け皿としても機能しています。さらに、人工透析が必要な高齢の患者さんの長期療養入院も受け入れています。長年、外来で透析治療を続けてきた患者さんが病状の悪化などで通院できなくなったとき、「当院では対応しません」というわけにはいかないからです。目の前で困っている患者さんやご家族がいるなら、療養入院でも対応するのが私たちの使命だと感じています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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消化器外科に関していうと、胆石については腹腔鏡下胆嚢摘出術と内視鏡的胆管結石治療の両者を行っています。胆嚢結石の腹腔鏡手術は中・小規模病院でも行っていますが、胆管結石の内視鏡治療を行っている医療機関は多くありません。当院だけで胆石の治療を完結できるよう対応しているため、地域の胆石診療の要を担える病院として皆さんに周知していきたいですね。整形外科は下肢と上肢の専門家が1人ずつ常勤しており、これからは内視鏡手術も導入し、さらに多くの患者さんを受け入れる予定です。健診部門では、外来での丁寧な説明が大きな特色となっています。今後は医師もスタッフも女性だけのチームをつくり、女性特有の健診にも力を入れていきたいです。私たちは医療の原点である「安全で、質が高く、心温かい医療」を提供することをめざしています。地域の患者さんから信頼される病院になれるよう、地域医療に貢献していきたいと考えています。

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杉山 政則 院長

1977年東京大学医学部卒業。東京大学医学部第一外科医局長などを経て、2005年より杏林大学医学部外科教授。2018年東京労災病院院長に就任。2024年4月より現職。専門は消化器外科、特に肝臓・胆道・膵臓外科、胆道・膵臓内視鏡。趣味はカメラで、大学時代は野球部に所属。

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