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痛みの解消とQOLの改善をめざす
股関節や膝関節の人工関節手術

医療法人社団鴻愛会 こうのす共生病院

(埼玉県 鴻巣市)

最終更新日:2024/11/18

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  • 保険診療
  • 関節リウマチ

高齢化に伴い増加しているのが股関節や膝関節の変形性関節症。進行すると強い痛みで歩くことが難しくなり、QOL(生活の質)の低下につながるというから注意が必要だ。その股関節や膝関節の変形性関節症に対し、専門性の高い人工関節手術を安全性に配慮して提供することをめざしているのが、「こうのす共生病院」の人工関節部門だ。同部門には、股関節や膝関節の人工関節手術が専門で豊富な経験を持つ医師が3人在籍。人工関節手術からリハビリテーションまでを地域に密着しながら提供することで痛みの解消を図り、人々の健康寿命の延伸をめざしている。そんな人工関節部門の取り組みについて、織田徹也病院長と田沼優一部門長、金澤貴仁先生に、詳しく教えてもらった。(取材日2024年9月2日)

地域に根差した股関節や膝関節の人工関節手術で、人々の健康寿命の延伸に努める

Qなぜ股関節や膝関節が痛くなってしまうのでしょうか?

A

病院長の織田徹也先生

【織田先生】痛みの原因にはいろいろありますが、代表的なのが股関節や膝関節の変形性関節症です。変形性関節症は、主に加齢が原因で起こります。加齢とともに股関節や膝関節のクッションの役目をしている軟骨がすり減ってしまい、骨同士が直接当たってしまうことで痛みが生じるようになるのです。高齢者に多く、中でも比較的アクティブな人がなる傾向があります。ほかに、関節リウマチや若い頃の外傷などが原因で起こることもあります。進行すると強い痛みで歩くのが難しくなるなど、日常生活に悪影響を与えるようになります。患者さんのQOL(生活の質)を人工関節手術により改善がめざせます。

Q具体的にどのように治療をするのですか?

A

医局長・整形外科部長・人工関節部門長の田沼優一先生

【田沼先生】まずは保存療法です。湿布薬や痛み止めの薬、ヒアルロン酸の注射、リハビリテーション、体重を落とすなどして痛みの改善を図ります。それらを行っても強い痛みがあり歩くことが難しいなど、生活に悪影響がある場合には人工関節の手術を検討します。人工関節手術では、関節の悪くなった部分を取り除いて人工の関節に置き換えることで、関節の機能を回復させることをめざします。症状の原因となっている関節の部分を取り除くので、根本的な痛みの解消が望めるのが特徴です。特に高齢者は、股関節や膝関節の痛みによって日常生活で動かなくなると健康寿命にも悪影響を与えますので、痛みが強い時には積極的に人工関節手術を提案します。

Q手術の流れや注意点を教えてください。

A

整形外科医長の金澤貴仁先生

【金澤先生】基本的に手術の前日に入院します。手術自体は、1時間から1時間半程度です。手術の翌日からリハビリテーションを始めます。手術後の痛みは多少ありますが、痛み止めの服用や神経ブロック注射などで痛みのコントロールを図ります。多くの場合は2〜3週間程度で歩いて退院できますが、手術前に痛くて動けず筋力が低下している方は、3〜4週間かけてしっかりリハビリテーションをしてから退院することもあります。基本的に退院後の日常生活に大きな制限はなく、旅行も行けます。ウォーキングはもちろん、ゴルフやテニス、卓球などのスポーツを楽しむ方もたくさんいます。

Qリハビリテーションについても教えてください。

A

外来エリアと入院フロア両方にリハビリテーションスペースを配置

【金澤先生】当院では、手術前からリハビリテーションの介入をしています。手術前に、手術後のリハビリテーションの内容の説明やリハビリテーションスタッフと顔合わせをしておくことで、手術後のリハビリテーションを円滑に進められるよう努めています。病院によってはより短期間で退院するところもありますが、当院では2〜3週間をかけて歩行がしっかり安定するなど、患者さんが一定のレベルに回復するまでしっかりとリハビリテーションを行うことを大切にしています。退院後も必要であれば、外来や訪問などでのリハビリテーションを受けることが可能です。ほとんどの場合、日常生活に影響のない状態まで改善することが望めます。

Qこちらの人工関節部門の特徴はどのようなところですか?

A

経験豊富な医師がそろい、安全で低侵襲な手術を追求

【田沼先生】当部門には人工関節を専門とする医師が3人在籍しており、主に股関節と膝関節の人工関節手術を行っています。人工関節の手術にもいろいろなアプローチの方法があり、以前は筋肉を大きく切開して人工関節に置き換えていました。しかし、現在は筋肉を切開せずに筋肉と筋肉の間からアプローチして人工関節に置き換えることが可能になり、当院でもその方法で行っています。筋肉を切らないため低侵襲で出血も少なく、痛みも軽度で手術後の回復も早くなったため、手術の翌日から歩行することが可能です。また、以前の方法では多く見られた脱臼のリスクも少なくなりました。

患者さんへのメッセージ

織田 徹也 病院長

2001年埼玉医科大学卒業後、同大学医学部整形外科に入局。同大学国際医療センター救命救急科、同大学病院整形外科病棟医長、丸山記念総合病院整形外科部長、JCHOさいたま北部医療センター整形外科部長などを経て、2020年より現職。日本整形外科学会整形外科専門医。埼玉医科大学非常勤講師。専門は、股関節外科、人工関節外科(股・膝)、骨折治療。再生医療にも注目している。

田沼 優一 人工関節センター長

2008年埼玉医科大学卒業。同大学総合医療センター初期研修を経て、同大学病院整形外科に入局。関連病院に勤務後、埼玉医科大学総合医療センター整形外科人工関節グループを経て、2022年より現職。日本整形外科学会整形外科専門医。埼玉医科大学総合医療センター非常勤医師。専門は人工関節で、主に股関節、膝関節に精通する。

金澤 貴仁 整形外科医長

2011年埼玉医科大学卒業。同大学病院研修を経て、同大学病院整形外科に入局。関連病院や埼玉医科大学総合医療センター勤務など経て、2023年より現職。日本整形外科学会整形外科専門医。専門は人工関節で、主に股関節、膝関節に精通する。

【織田先生】人工関節部門というと、手術だけを積極的に行っているというイメージがあるかもしれませんが、当院では手術を決める段階から患者さんとのコミュニケーションを大切に、リハビリを含め患者さんに寄り添った治療を大切にしています。
【田沼先生】人工関節手術は最終手段のように考えている人もいますが、安全重視で合併症の少ないQOLの改善が望める治療法として、怖がらず前向きに捉えてほしいと思います。
【金澤先生】膝が痛いのに股関節が原因ということがあるように、自分で思ってたところと痛みの原因が違うということも少なくありません。痛みでお困りでしたら、まずは診察を受けに来てほしいと思います。

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