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越谷市立病院

(埼玉県 越谷市)

坂本 一博 院長

最終更新日:2025/11/17

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創立から約半世紀。地域の期待に応える存在

埼玉県東部地域の中核都市・越谷市で、創立50周年を迎えようとしている「越谷市立病院」。地域の医療ニーズに合った医療を提供することを重視し、特にがん治療、周産期医療、救急医療の3つの分野に注力している。一方で、紹介受診重点医療機関としてクリニックなど地域の医療機関や、大学病院・大規模総合病院とのスムーズな連携体制を構築している。さらに働くスタッフに対しても、持続可能な医療提供のためにチームワークやタスクシフトの必要性を重視。より良い医療提供のために、スタッフの働く環境を整えることにも尽力している。そんな同院を率いるのは、2025年4月に院長に就任した坂本一博先生。やわらかな物腰と爽やかな笑顔が人をほっとさせる温かな雰囲気のドクターだ。インタビューでは、地域のニーズに合った、安全かつ安心できる医療を提供することへの決意を表明してくれた。(取材日2025年9月1日)

来年には設立から半世紀を迎えられますね。

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病院の設立は1976年。当時この地域は深刻な医療過疎地域であったそうです。現在は、がん治療、周産期医療、救急医療の3つの分野に特に力を入れつつ、地域医療のハブ的存在として、クリニックなどの地域の医療機関や、近隣の大学付属病院や総合病院とも密に連携しながら、地域の方々のニーズに適切に応じながら医療を展開しております。がん治療では早期胃がんや大腸がんに対する内視鏡治療、五大がんなどの進行がんに対して化学療法や放射線療法などを組み合わせた集学的治療を行っていますし、安心してこの地域でお子さんを産み育てていただくために、産婦人科と小児科の協力による周産期医療も充実しております。また近年は泌尿器科の前立腺肥大や結石の治療においてレーザー治療も行っておりますし、神経内科では軽症アルツハイマーに対する抗体治療を行うなど、先端的な治療にも積極的に取り組んでいます。

ハイケアユニット(HCU)を設置された背景について伺います。

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当院では、2023年まで「脳卒中ケアユニット(Stroke Care Unit)」を設置し、急性期の脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの患者さんを受け入れる専用病床として運用していました。また、病棟ごとに疾患別にケアユニットを置き、患者さんの管理をしていました。しかし、2024年6月よりHCU(High Care Unit)を7床設置し、患者さんの疾患にとらわれず重症度に応じて対応できるようにケア体制を強化しました。さらに2023年には患者サポートセンターがオープン。患者さんがご自宅などで日常生活を再開されるにあたり、より良いかたちで生活できるよう、また患者さんに合った医療のケアを継続して受けられるようお一人お一人に寄り添って対応しています。

地域の先生方や他の病院との連携体制も整っているとか。

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当院は紹介受診重点医療機関です。これはかかりつけ医からの紹介による受診を基本とする医療機関であることを示すもので、厚生労働省が制度化し外来機能の明確化と医療資源の適正利用を目的としています。専門性の高い診療が必要だと地域の先生方が判断した場合にご紹介いただき、治療後にまた元の先生に逆紹介して治療を続けていただきます。開業医の先生方や医師会、各種医療機関との連携は大切ですので、常に情報交換し、ごあいさつにも伺っています。また、特定の疾患や病状は大学病院などの高度な医療が必要なこともあり、密な連携が患者さんのために求められます。当院は以前より、私の母校である順天堂大学と関係が深く、多くの診療科において当院は関連施設となっています。また、大学の先生方との行き来や交流があり同大学医学部附属順天堂医院とは密に連携しています。ほかにも埼玉県東部医療圏の大学付属病院や総合病院とも良い関係を築いています。

スタッフが働きやすい環境づくりにも注力されているそうですね。

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全スタッフが生き生きと働いていないと、患者さんに良い医療は提供できません。また、質の高い医療を継続して行うことは私たちの使命であり、地域の住民の皆さんが望まれていることでもあるでしょう。そのために労働環境の整備は大切で、院内保育室もその一環です。病院は24時間稼働していますが、限られた医療従事者では無理が生じます。従って、適切にバトンタッチすることや、ほかのメディカルスタッフへの業務のタスクシフト、チームで動くことを意識し実行することで持続可能な医療ができると思っています。チームワークについては、まずはスタッフそれぞれ顔が見える関係を築くことが必要です。私自身も院長になり約半年かけて全医師と言葉を交わすことができました。今後は診療科や職域を超えたチームをつくり上げていきたいですね。縦と横のつながりを構築し強固にすることで、効率を上げ、より良い医療をお届けできるようになると思っています。

最後に、地域の方々へのメッセージをお願いします。

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地域の医療に対するニーズは、常に変化していくと思っています。人口の推移やその年齢分布、ほかの医療機関との関係など多様な医療環境を見極めつつ、私も病院全体を見回して、地域から求められているものは何か、適切に応えているか、診療科の垣根を越えてバランスを取りながら常に確認し対応していきたいと思っています。そして、地域の先生方にとっても、後方支援として頼れる存在でありたいと思っています。地域の方々に当院があるから安心できると思っていただけるよう、今後も精進してまいります。

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坂本 一博 院長

1984年順天堂大学医学部卒後、順天堂大学第一外科学に入局。同大学医学部附属順天堂医院に勤務。2007年同大学消化器外科学講座下部消化管外科学で先任准教授、2009年同講座の教授に就任。2020年より同大学医学部附属順天堂医院で院長補佐、副院長を務め、2025年4月に越谷市立病院の院長就任。診療では「大切なのは対話」の信念から患者との意思疎通を重視。健康のため日頃からできる限り歩くようにしている。

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