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医療法人社団大和会 慶和病院

(埼玉県 越谷市)

大川 章裕 理事長

最終更新日:2020/11/25

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新たな時代に担うべき地域医療の形を追求

東武スカイツリー線・せんげん台駅より徒歩6分の住宅街にある「医療法人社団大和会 慶和病院」。越谷・春日部・吉川など地元に密着した第二次救急指定病院として幅広い診療科目を掲げるエリアの中核病院だ。開院以来30年近く、人工透析治療やもの忘れの外来、訪問診療など各種の地域医療ニーズにも応えてきた。2016年5月から同病院の経営・運営を承継した大川章裕先生は、地域への貢献、他の病院や開業医との連携と、医療の質を担保するための職員教育などの理念はそのままに、新しい時代の地域病院が担う役割として院内手術件数を増やすことで、患者の利便性向上や地域医療の充実にも寄与したいと語る。また病棟の再編成や最新の医療機器の導入などを通じて理想の病院の姿を追求している。インタビューでは同院の特色とともに、めざす方向性について聞いた。(取材日2017年3月31日)

病院の概要から教えてください。

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160床の中規模病院ですが、診療科目はかなり幅広く、一般内科と外科のほか、歯科・口腔外科と人工透析室を持ち、そして整形外科と泌尿器科もある。加えて外科では手術室を拡充すればさらに各科の厚みも出てくるので、すでに整形外科を充実させ、手術件数も増えています。また人工透析の患者さんでは脊椎や関節の障害など合併症も多いですが、それも院内の整形外科にて手術を行っています。越谷市や春日部市などの患者さんの透析の治療件数は多いですが、まだまだ外科対応の可能な病院数は少なくて、しかも合併症の方は透析と別の疾患と両方を一つの病院で治療できるほうが便利ですが、それも少ない。当院がその役割を担っていこうということです。今後は地域構想に基づく病床数の見直しもあり、それを踏まえ現在は160床の再編成を検討中でして、二次指定救急病院でもありますから急性期対応の病室もいずれ備えていく予定です。

幅広い科目を構えられていますが、どの科の患者が多いですか?

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一番多いのはやはり内科系の疾患ですね。それに皮膚科、泌尿器科、整形外科など。また高齢者が多い地域ですので、重症の患者さんの入院が多い傾向にあります。診療科目の特色としては、まず43床の人工透析室があること。そして私の専門分野でもある整形外科でも医師や手術環境を整え、よほど高度で複雑な症例を除いてほぼ院内で手術・治療ができるようになっています。内科では総合内科の医師のほか腎臓病の専門医師、また非常勤ですが消化器の内視鏡の専門医師、大腸・肛門外科の専門医師も大学病院から外来で診察に来てもらっています。くわえて口腔外科を備えるのは、寝たきりの方の口腔衛生を守るためで、外部から歯科医師に往診してもらうこともできますが、それだと回数や、持ち運べる歯科用医療機器も限られます。当院では寝たきりでも1日に1回、歯科衛生士から口腔ケアを受けてもらえることで、誤嚥性肺炎の発症率もきわめて低く保てていますよ。

もの忘れの外来も特色の一つですね。

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ええ、2002年に開設した診療でして、認知症病棟も以前は持っていましたが現在は病棟再編で回復期の病床に転換しています。主に精神科が診療を担当していますので、認知症だけでなく高齢期のうつ病治療にも対応できます。診断では外部の病院でMRI画像を取り、脳機能の検査を行うなど早期発見に努め、防止や進行を抑える治療が中心。また高齢者医療では、入院をきっかけに認知症を発症される方もけっこういますので、そんなときでも、認知症に対応できる診療科があることはご家族にとっても心強いかと思いますね。「一度検査を受けてみますか?」と勧めると、ほとんどのご家族が希望されます。精神科では処方を出し、またリハビリテーションによる認知機能の回復も図っていく態勢です。なお当院のリハビリテーション科には理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が在籍し、面積100平方メートル以上となる2室のトレーニングルームも備えています。

訪問診療・訪問介護についてもお聞きします。

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エリアは越谷市内が中心となりますが、自宅での状態を診て入院していただくこともできますし、自宅で生活ができるまで回復された際の帰宅移行もスムーズですね。訪問診療のチームは専任の医師と看護師、理学療法士が市内を巡回します。入院されて退院された後も自宅訪問しますので、患者さんとのお付き合いも長くなって顔も覚えてもらえますし、いろいろと相談も持ちかけやすいと思いますよ。看取りも行っていますので、いよいよ危ないという際には入院していただく。そうした点が地域の皆さまに喜ばれているようです。さらに高度医療を受ける際には遠くの大学病院ですが、術後の回復期では入院や通院も自宅に近い当院でという役割も担っています。また地域の包括ケアでは、病病連携と開業医同士の横の連携、さらに当院と開業医の連携と3次元でケアシステムを構築。年に1回合同の会議を開いて、地域に不足している医療課題について話し合っています。

今後の展望と地域の方へのメッセージをお願いします。

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役割は地域密着ですが、三次病院に負けないくらいの専門性の高い技術を持つ医師もいますし、院内で95%手術をカバーできれば、地元の患者さんもわざわざ遠くの病院まで手術を受けに行かなくてもすみます。その意味から、より高度な手術ができる体制をつくって手術件数をもっと伸ばしていきたいと考えています。同時に、いずれ研修医を受け入れられる病院となるよう、人材の育成も含めて院内の体制を整えていくことですね。また地域の皆さまへお伝えしたいことは、これまで通り、地域に溶けこみながらその役割を果たしていくこと。やはり困ったときに来院できる病院でありたいですね。私は整形外科の医師ですが、お子さんが頭を打って痛がっている、熱が出たなど、ちょっと本来の整形外科からは外れるようなお悩みでも診察すれば喜ばれますし、何かのときにお役に立てる、頼りにしていただける病院ですので、お気兼ねなくご相談いただければと思っています。

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大川 章裕 理事長

1998年日本大学医学部卒業。医学博士。専門外科は脊椎外科。医療連携・地域医療を重点的に行い、腰痛や高齢者医療についての講演も多数。特定医療法人大坪会「小石川東京病院」院長を経て、2016年5月より「医療法人社団大和会 慶和病院」の理事長・院長に就任。プライベートでは大のビール好きが高じて、ビールの健康効果に関する研究も行い、その成果として2015年には『ビール健康法』(幻冬舎)も上梓した。

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