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穏やかに人生を総括するために
帰宅やQOL維持も含む緩和ケア

医療法人光仁会 南部厚生病院

(埼玉県 春日部市)

最終更新日:2022/01/20

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  • 保険診療

現在、がんは早期発見・早期治療を軸に完治もめざせる疾患となっているが、時には治療の効果が思うように得られないこともある。そんなときがん患者が一番気になるのは、「苦しみの中で最期を迎えるのではないか」ということだという。ホスピスという名で呼ばれることもある緩和ケア病棟では、心身ともに穏かに過ごせることを第一の目的に、心豊かに最期を迎えられるよう心を砕いている。百木義光先生が緩和ケア内科部長を務める「南部厚生病院」の緩和ケア病棟では、痛み苦しみの緩和のほか、QOLの維持や一時帰宅での周囲の人々との心の交流なども意識しながら緩和ケアにあたっている。多くの人が興味を持ちつつも、なかなか実情を知ることがない緩和ケアについて百木部長に聞いた。(取材日2021年9月22日)

より実りある最期のひとときを迎えられるようスタッフが総力を結集

Qそもそも緩和ケアとはどのようなものでしょうか?

A

患者に寄り添い、さまざまな痛みへ寄り添う

緩和ケアそのものは、がんと診断されたときから始まります。抗がん剤などの副作用の緩和から、がんと診断されたことによるショックの心理的なフォローまで広く含まれます。治療初期においては出番は多くありませんが、外科手術や放射線治療、抗がん剤治療などによる一連の治療の後、再発や転移などがあり積極的な治療が困難になってくると、治療における緩和ケアの割合が多くなってきます。がん患者さんには、体の痛みのほかに、がんになってしまったという心の痛み、仕事や経済的なことなどの社会的な痛み、自分の存在意義や死への恐れといった魂の痛みなどがあり、そのすべてに対応します。

Q具体的にどのようなケアが行われるのですか?

A

一般的にはホスピスという言葉のほうが知られているでしょうか。ホスピスは末期がんの患者さんを対象にした存在ですが、当病院の緩和ケア病棟はまさにそのホスピスにあたります。医療用麻薬のほか放射線療法などによって体の痛みのコントロールを図るほか、精神腫瘍学を専門とする医師や看護師、医療ソーシャルワーカーなど、さまざまな職域のスタッフが力を合わせて、患者さんとそのご家族の痛みや苦しみを取り除くためにサポートしていきます。心や魂の痛みには、患者さんご自身の言葉で話していただいてご自分の人生の足跡やこれまで生きてきた意義を感じられるようお手伝いしたり、時には向精神薬などを用いることもあります。

Q患者さんの生活の質(QOL)も意識されているのですか?

A

定期的にカンファレンスを行い、患者のQOLにつなげる

当病院の緩和ケア病棟では、最期まで「その人らしく」人生を全うしていただけるよう多方面からアプローチします。そのためには患者さんご自身やご家族がどのような最期を迎えたいかということが重要になります。患者さんのご希望に沿い、介助してもらいながらもトイレに行ける、自分で食事が取れるなど、できるだけ現状でできることを維持できるようなリハビリテーションを行ったり、介助方法などをご家族や介助者の方にアドバイスしたりもします。具体的には、寝たきり状態になりお食事をご自分で取ることができない時に点滴で栄養を入れる、というケアは緩和ケア病棟では行いません。最期まで人としての尊厳を大切にしたいと思っています。

Q一時帰宅にも積極的に取り組まれています。

A

慣れ親しんだご自宅で過ごしたい患者さんは多くいらっしゃいます。しかし一方でご家族のご事情やご心情も複雑なものがあることでしょう。当病院では、地域の訪問医療・看護・介護などに携わっている方々と協力して、医療ソーシャルワーカーが中心となり、できる限りご家族の負担になりすぎずにご自宅で看護できるようさまざまな提案もさせていただいています。ご家族にとって一番の心配は、患者さんの容体が急変することでしょう。そんな時はいつでも当病院が受け入れるという安心感があれば、一時帰宅にチャレンジしようと思ってくださるご家族は多いと考えています。数日間でもご自宅で多くの人々と自由にふれあうことは有意義だと思います。

Qこちらの緩和ケアにおいて一番大切にされていることは何ですか?

A

緩和ケアについて語る、百木部長

「患者さんとご家族がやりたいこと、やれることをサポートし、一日一日を大切にします」を理念に、患者さんが希望すれば少々難しいことでもできるだけ実現できるようあらゆる手を尽くすことにしています。また、患者さんが心穏やかに、ご自身やご家族のことをゆっくりと考えることができる時間を持っていただくことも大切だと考えています。当病院の良さは、大きな家族のような温かさと患者さんとの距離の近さにもあると思います。ホスピタリティーと言ってしまえば簡単なようですが、スタッフ一人ひとりが患者さんやご家族のために何ができるかということを考え、丁寧に接しています。

患者さんへのメッセージ

ご家族や身近な方ががんを患われると、ご本人はもちろんのこと周囲の方も戸惑いが大きいことでしょう。当病院ではできる限りご要望をかなえる方向で、親身に対応させていただいています。近年、急速に地域医療の体制が整いつつあり、訪問医療も充実しています。終末期の患者さんにとってもご家族にとっても1日でもご自宅で過ごせるのは、たいへん意義深いことだと思います。そんなご自宅での時間も含めて、しっかりバックアップさせていただきますので、いつでも気軽にご相談ください。本人とご家族にとってより良い道を一緒に考えていきましょう。

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