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医療法人財団東京勤労者医療会 東葛病院

(千葉県 流山市)

井上 均 院長

最終更新日:2023/09/08

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必要な医療を差別なく提供することをめざす

流山セントラルパーク駅の前で、地域に必要とされる医療の提供に努めているのが「東葛病院」だ。地域に医療機関を求める人々の願いに応えるため1983年に開院した同院。その後は倒産や規模縮小、全日本民主医療機関連合会への加盟や東京勤労者医療会との合同による再建など何度もの試練を迎え、乗り越えながらも、一貫して流山市の人々の健康に寄り添い支えてきた。現在は、24時間365日体制の救急を含む急性期から回復期、慢性期までの医療に対応するケアミックス型の病院としての診療に取り組んでいる。「患者さんたちのニーズに応えられるよう頑張っていきたい」と話す院長の井上均先生に、同院のことや地域医療にかける思いなどを聞いた。(取材日2023年6月30日)

地域における貴院の役割を教えていただけますか?

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当地域には、循環器や脳神経外科など専門に特化した病院が多い一方で、患者さんを総合的に診ることができる病院が不足しています。専門性の高い治療を必要とする患者さんももちろんいますが、圧倒的に多いのは新患や慢性期の患者さんも含む総合診療的なことが必要なケースです。ですから当院では、まずは総合診療とER式の救急をしっかりと行っていくことを大切にしています。それに、高齢者に限らず急に具合が悪くなった時に、どこにかかれば良いのかがわからないことがあると思います。開業の先生が診ることもあると思いますが、それでもある程度の診断がついていないと、専門の医療機関に相談できないような時、当院に来ていただくか紹介をしてもらえれば、ERや総合診療でしっかり診断して振り分ける。患者さんたちにも安心して受診してもらえるよう、そのような体制をしっかりと整えておくことは重要だと思っています。

特に力を入れていることはありますか?

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人工透析は、この地域で行っている医療機関が非常に少なく、当院で多くの患者さんを受け入れています。外来での血液透析は60床を運用しているほか、入院でも12床の血液透析ベッドを用意しています。しかし、それでも足りていないため、近々サテライトクリニックも開院する予定です。ほかに、地域の高齢化が進んでいることもあって整形外科も力を入れています。骨折などの外傷や膝や股の変形性関節症、それに伴う人工関節手術、脊椎の手術などに対応しています。加えて、比較的若い家族が多いのも当地域の特徴で、そのために産婦人科や小児科も力を入れていることの一つです。小児医療については、本当はさらに力を入れていきたいのですが、医師不足などから縮小気味になってます。ですが、小児に対しても24時間365日体制で外来や救急搬送などの救急患者さんを受け入れています。また、エイズ治療拠点病院としてHIV診療にも対応しています。

地域連携についてはいかがでしょうか?

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近隣のほかの病院と連携し、狭心症や心筋梗塞などで心臓カテーテル検査や治療が必要な患者さんや、当院で対応できる肺や消化器以外のがんなどは、専門の医療機関に紹介をしています。逆にそれらの病院から内科疾患の患者さんの術後の管理で当院へ紹介していただくことも結構あります。また、緩和ケア病棟がありますので、緩和ケアの患者さんや回復期リハビリテーションの患者さんも受け入れています。特に、入院するとADLがかなり落ちてしまいますから、リハビリテーションをしっかり行って落とさない、あるいは改善させてから自宅にお返しすることを心がけています。その際、開業の先生方と連携することとても重要だと考えています。さらに、訪問診療は付属の診療所と連携することで対応していますが、当院には地域包括ケア病棟もありますので、在宅療養中の患者さんたちのバックベッドとしての機能も果たしています。

そのほかに特徴はありますか?

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当院の特徴の一つは、社会的に格差が広がっている中で経済的な弱者の方も含めて、誰でもいつでも安心してかかれるようにしていることです。入院の差額ベッド使用料は一切いただいていませんし、経済的に本当に困っている方には、無料低額診療事業も行っています。無料低額診療は、当院の友の会の方や議員さんが連れてきてくれて受診につながることもあるのですが、それでも地域で埋もれている人が、まだまだいると思います。経済的に困っていて、困っているがゆえに動けないという方もいるかもしれませんが、健康に問題があるときには、ぜひ当院に相談してほしいと思います。同様に、最近では外国人労働者の医療の問題もあります。外国人は無料低額診療事業の対象になりませんが、支援団体からの相談も少なくありません。誰でも必要な医療を受けられるように、制度を改善するための運動にも取り組んでいます。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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今はどこでも患者さんが減っていますが、当地域は人口が急増しています。つまり、医療が必要な人も必然的に増えていきますから、地域の皆さんが困ることがないように医療ニーズに応えるために、医師や看護師、そのほかのスタッフもそろえるなど、体制を整えていきたいと考えています。また、当院では以前から平和の問題も大切にしています。平和だからこそ、医療や介護が成り立つわけですが、近年では国際的にも平和を脅かすような出来事がたくさんあります。ですから、医療や介護、健康を守るために、平和を守っていくことも、地域の皆さんや患者さんと一緒に追求していきたいと思っています。そして、新型コロナウイルス感染症の流行はまだまだ油断できないところもありますが、当院ではしっかりと感染症対策もしながら、患者さんたちのニーズに応えられるよう頑張っていきたいと思っています。今後とも、応援をよろしくお願いいたします。

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井上 均 院長

1987年熊本大学卒業。代々木病院での初期研修を経て1993年より東葛病院に勤務。2003年より代々木病院副院長、2008年より同院長を経て、2016年より現職。

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