医療法人社団威風会 栗山中央病院
(千葉県 四街道市)
山田 浩史 病院長
最終更新日:2023/04/07
安心して信頼してもらえる病院をめざして
東関東自動車道四街道インターチェンジから程近い四街道市栗山の地で、1985年の開設から約40年にわたって地域の人々の健康に寄り添い、支えてきたのが、「栗山中央病院」だ。現在は内科系と外科系などさまざまな診療科を備え、それぞれの分野の専門の医師による幅広い診療を提供している同院。山田浩史病院長が専門とする脳神経内科の物忘れや頭痛専門の外来、人工透析、整形外科、リハビリテーションなどに力を入れている他、医療安全体制の強化にも注力。チーム医療を推進することで、「清く・優しく・温かく」を理念に地域の人々の健康を守り、めざす姿は「安全、安心、信頼される病院」。そんな同院について、山田病院長に詳しく話を聞いた。(取材日2023年2月13日)
まずは、病院を紹介していただけますか?
当院は、現在は名誉病院長である藤平威夫先生が1985年に開設し、39年目になります。当時から地域医療への貢献に取り組んでいます。私が病院長を引き継いだ2021年は新型コロナウイルス感染症流行の直中にあり、医療環境が大きく変化していくタイミングでした。その中で地域医療に貢献することをめざし、職員一丸となってチーム医療を推進することに取り組んでいます。急性期の病院としての診療の他、内科や外科、整形外科、泌尿器科分野の診療科を備えています。外科系では、整形外科や消化器外科の手術に力を入れていますし、地域の高齢化に伴い高齢者も増えていますから、内科では高齢化に伴う病気も含めて幅広く対応しています。また、敷地内に介護老人保健施設もあり連携していますので、当院に入院している患者さんなど、ご自宅にすぐに帰るのが難しい場合には、そちらを経てから在宅復帰をめざすことも可能なのも特徴の一つだと思います。
力を入れているのは、どのようなことでしょうか?
町のかかりつけの病院ですから、基本的にはどのような患者さんでも診させていただくようにしています。そういう意味で私は、総合的な目線で診療をしていますし、藤平名誉病院長も入り口となる総合的な外来で診療を行っています。また、私は脳神経内科を専門にしていて、物忘れや頭痛専門の診療にも力を入れています。物忘れ専門の外来については、私がこの病院に来て間もない2015年に開設し、以来、患者さんは徐々に増え続けています。認知症に対しては、診断や治療といった医療はもちろんですが、進行するに伴い介護保険サービスが必要になってきます。当院には地域連携のソーシャルワーカーがそのサポートを行っています。頭痛専門の外来では、片頭痛の治療に力を入れています。近年、片頭痛に対する予防薬が登場して、大きく期待ができるようになりました。その薬を処方するには、専門的な知識が必要ですので、私の専門を生かして対応しています。
他に力を入れていることはありますか?
泌尿器科ではこれまでも人工透析を行ってきましたが、新たに医師が加わりシャント造設に対応が可能になったことで、導入から維持透析までを継続して行えるようになりました。シャントでの閉塞のトラブルも少なくありませんが、そのようなときでも他院に行く必要がなくなったのは、患者さんにもメリットが大きいと思います。整形外科では、日本医科大学千葉北総病院と連携しながら、腰痛や膝、股などの関節痛、頸部痛、外傷など幅広く対応しています。特に、脊椎の手術や高齢者の転倒による大腿骨近位部骨折の人工骨頭置換術などを得意としています。あとは、リハビリテーションです。20人弱の担当者が整形外科の手術後や、脳血管疾患等を発症した患者さんへの急性期のリハビリテーションなどに取り組んでいます。その後は、必要であれば回復期病院への転院や、難しい場合は併設の介護老人保健施設でリハビリテーションを継続し、在宅復帰をめざしていきます。
病院を運営する上で心がけていることはありますか?
私が常に掲げているのは、「愛ある医療の提供」「常に挑戦する姿勢を忘れない」「医療安全」の3つです。特に、医療安全について私は大学病院にいた頃に推進していた立場だったこともあり、力を入れています。医療を安全に提供するために大切なことの一つは、チーム医療です。例えば薬を処方するにも、医師が処方箋を発行し、それを看護師が受けて薬局に送ります。その内容を薬剤師が確認して、調剤をし、患者さんのいる病棟に届けられていくのです。つまり、一連の業務の中にはさまざまな職種が関わっていて、もし医師が書いた処方が間違えていたら、途中で誰かが、これはちょっとおかしいなと気づかなくてはいけない。間違えたままで患者さんに投与されるようなことがないようにするためには、それぞれが勝手に動くのではなくチームとなり、コミュニケーションを取ることが重要。そういう意味で、チーム医療を強化していくことが大切なのだと考えています。
今後の抱負とメッセージをお願いします。
先ほど挙げた3つの柱によって「安全、安心、信頼される優しい病院」をめざしていきたいと思っています。“優しい”というのは、患者さんやそのご家族に優しい対応をするのは当たり前ですが、職員同士もみんなが気持ち良く、明るく働けるような、活気のある職場にすること。そうすることで、患者さんやご家族が「この病院に来て良かった」「この先生に診てもらって良かった」「この看護師さんに担当してもらって良かった」など、思ってもらえる病院にしていきたいです。また、私の専門の一つであるパーキンソン病をはじめとする神経難病。専門的に診ている医療機関が少なく、地域で行き場をなくしている患者さんもいると思いますので、対応していけたらと考えています。そして、私が病院長を引き継いで新たな体制になっているところもありますが、引き続き地域の皆さまのための病院ですから、健康上の問題がある時には、遠慮なくご利用いただきたいと思います。
山田 浩史 病院長
1999年聖マリアンナ医科大学卒業。2005年同大学大学院医学研究科修了。同大学医学部内科学(神経内科)助手、同助教、同講師、同大学病院医療安全管理室専任、副室長などを経て、2020年より栗山中央病院脳神経内科部長。2021年より現職。日本内科学会総合内科専門医、日本神経学会神経内科専門医、日本老年医学会老年病専門医。医学博士。