全国の頼れる病院・総合病院・大学病院を検索
病院・総合病院・大学病院7,983件の情報を掲載(2024年4月18日現在)

  1. TOP
  2. 千葉県
  3. 八千代市
  4. 勝田台駅
  5. 一般社団法人巨樹の会 八千代リハビリテーション病院
  6. 妻鳥 元太郎 院長

一般社団法人巨樹の会 八千代リハビリテーション病院

(千葉県 八千代市)

妻鳥 元太郎 院長

最終更新日:2020/11/25

20190729 main20190729 main

チーム医療の実践で専門スタッフが力を発揮

東葉高速鉄道東葉勝田台駅と京成電鉄勝田台駅から車で約15分。自然豊かな環境にある「八千代リハビリテーション」病院は、2006年4月に巨樹の会グループがオープンさせた病院だ。グランドピアノが置かれた、まるでホテルのような雰囲気のロビーをはじめ、院内には明るく光が入り居心地の良さが感じられるような空間が広がっている。また、スタッフたちがチーム一丸となって患者たちの自宅復帰をサポートしていく体制が整えられている。豊富な人員、充実した設備といったリハビリテーションに特化した病院ならではのメリットを生かしたきめ細かなサービスを提供している同院は、2020年にはさらに60床を増床する予定なのだそう。今後、ますますニーズの高まる回復期医療について、院長の妻鳥元太郎先生に話を聞いた。
(取材日2019年7月9日)

病院の概要を教えてください。

42008 ma 1 1450344678

当院は、下関が発祥の医療グループ「巨樹の会」が関東でリハビリテーション病院の運営をはじめるにあたり、その第1号病院として2006年にオープンしました。その役割は、脳卒中や骨折、心臓疾患などの術後の患者さんを急性期病院からできる限り早く引き受け、自宅に帰れるようにリハビリテーションをしていくことで、在宅復帰に導くのが目標です。なるべく重症の人も受け入れた上で、しっかりと計画を立てたリハビリを提供しています。近隣の病院からご紹介される患者さんはもちろん、埼玉や東京の大学病院から移って来られる方もいらっしゃいますね。周りの急性期病院の先生方とは、顔の見える付き合いをさせてもらっていて、実際に病院を見学してもらったり、受け入れた患者さんの状態を報告する連携会の場を設けたり、密な連携が取れるようにしています。2018年には180床に増床し、病院機能もさらにアップしました。

充実したリハビリ環境が整っているそうですね。

42008 df 1 3 1450235203

トレーニングルームが新しくなり、広々としたスペースで在宅復帰に向けての実践的なリハビリができるようになりました。車の運転を再開するための設備として、ドライビングシミュレーターや車の乗り降りを訓練するための車も配置しています。例えば高次脳機能障害で片側の視野に気づけなくなった方が、見えていないことでどのような危険があるかを把握できるようにしたり、トレーニングによって気づけない視野をカバーできるようにしていきます。オープンキッチンでは、麻痺によって動作が不安定になった患者さんが、料理をするときにどのような動作をすればよいのか、体を動かしながら実践的に身につけていきます。他にも全周200mの屋外外周路で、退院後の生活を考慮した踏切や砂利道、バスの乗降訓練などを実施。常に患者さんの状況を把握しながら、自宅や職場など病前の生活に近い状態で戻れるようにサポートしています。

どのような疾患や症状の方が多いですか?

42008 df 1 1 1450235203

最も多いのが脳卒中の患者さんで約6割を占めています。次に多いのが、大腿骨頸部骨折などの整形外科系の患者さん。手術治療を受けた患者さんが、歩けるようになるまでリハビリ治療をするケースです。症例としては少ないですが、廃用症候群といって、治療によって寝たきり状態が続いたことで運動機能が弱ってしまった方も受け入れています。患者さんによって障害の程度やできることが違いますから、一人ひとりの患者さんに応じたリハビリを提供することが重要。当院では理学療法士、言語聴覚士、作業療法士、合わせて約130人のスタッフが、それぞれの専門性を生かしたサポートを提供しています。特にチームワークには気を配っていて、医師、看護師、リハビリスタッフの緊密な連携が強みです。多職種がプロ意識を持って協力し合うことで、患者さんにとって最善の医療を提供できると考えています。院長としてスタッフの意見はどんどん聞いていきたいですね。

先生はもともと海上自衛隊の医官でいらっしゃったとか。

20190729 4

長年、医官として臨床に携わってきました。専門は外科ですが、臨床の現場では幅広い疾患に対応するプライマリケアが基本です。リハビリテーション病院へ入職前はその経験を生かし、防衛医科大学校で学生たちに防衛医学を教えていました。アメリカではリハビリまで含めた総合的な学問として軍事医学があります。日本とアメリカでは状況は違いますが、けがを負った人々が社会復帰するための医療と、病気でリハビリが必要な人たちへの医療はつながるものがあります。アメリカで深刻な問題となっているm-TBI(軽度外傷性脳損傷)について基礎研究をしていたのですが、実際にリハビリテーション病院で医療を実践するようになり、同症状の高次脳機能障害の患者さんを多く診るようになりました。m-TBIは爆発の衝撃派が脳に障害をもたらすもので、脳卒中による高次脳機能障害とは原因が異なりますが、起きている病態はほとんど同じではないかと思っています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

20190729 5

2020年4月にはさらに病棟を60床増床する予定で、規模が拡大します。これまで通り幅広い患者さんの受け入れ病院として機能しながら、新たに当院ならではの特徴も出していきたいと考えています。そのために準備しているのが、脊髄損傷の患者さんのためのトレーニングです。すでに専用のトレーニング設備は整っているので、今後は専門スタッフを増員するなど、受け入れを増やすための体制づくりを進めていく予定です。また当院にはお車でいらっしゃる方が多いので駐車場の拡張や、より利便性が良くなるように送迎バスの運行本数を増やすことなどを検討しています。病院の規模は大きくなりますが、これまで通りのスタッフ同士のチームワークは維持していきたいですね。ご相談や分からないことなどがあれば、お気軽にお問い合わせください。これからも地域の皆さんの暮らしを支える存在でありたいと思います。

20190729 main

妻鳥 元太郎 院長

1983年防衛医科大学校卒業。海上自衛隊の医官として勤務、自衛艦隊司令部医務長、自衛隊大湊病院長、自衛隊佐世保病院長などを歴任。2009年に防衛医科大学校の教授に就任。防衛医学講座を受け持ち、医官の基礎教育に尽力。2017年に蒲田リハビリテーション病院へ入職、赤羽リハビリテーション病院での勤務を経て、2019年4月から現職。専門分野は外科だが、幅広い疾患を診療するプライマリケアを長年実践してきた。

access.png