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社会福祉法人ユーカリ優都会 南ヶ丘病院

(千葉県 佐倉市)

長島 誠 院長

最終更新日:2024/11/26

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医療体制拡充の一歩として訪問診療に注力

京成本線のユーカリが丘駅からバスで約10分。水道道路沿いにあるのが「南ヶ丘病院」だ。1987年に開設されて以来、時代の変化に対応しながら地域医療に貢献してきた。2024年から院長として同院を率いているのは長島誠先生。長島院長は、20年以上、すぐそばにある東邦大学医療センター佐倉病院で、呼吸器疾患の手術や感染症の治療、がんの化学療法、緩和ケアなど幅広く携わってきている。院長就任後、院内の医療体制の拡充を図るべく、まずは地域ニーズの高い訪問診療に注力している。また、外来診療についても各分野に特化した外来の開設など充実していきたい考えだ。「実は2026年にユーカリが丘の北に位置する佐倉市青菅に新築移転する予定で、今、いろいろと準備を進めている最中なんですよ」と穏やかに話す長島院長。今後の医療展開や次なるステージに向けた思いなど長島院長に聞いた。(取材日2024年10月28日)

病院の成り立ちについて教えてください。

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当院は1987年に藤原敬悟初代院長が開設したのが始まりです。当初は脳神経外科を中心に救急にも対応する病院でしたが、近隣の高度急性期病院から、重度の後遺症が残る患者さんを受け入れる病院がなくて困っているという話を聞き、急性期治療後の重度意識障害の患者さんを最期まで診る病院として方向転換しました。2018年にはユーカリが丘で福祉の町づくりを推進している社会福祉法人の傘下に入り、福祉・介護施設などと連携を取りながら、地域医療の一翼を担ってきました。地域の方々のニーズや時代の変化に応じた新しい病院に生まれ変わるべく、今、いろいろと準備をしている最中です。その中で、今、私が特に重視して力を入れているのが訪問診療です。

その訪問診療について教えてください。

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今、医療は病院から介護施設あるいは自宅での療養という流れになっていて、自宅で診られるならばできるだけ自宅で診ることが求められています。当院としても、高齢者医療の中で訪問診療は重要と捉え力を入れています。最近では訪問診療を行うクリニックが急増していますが、病院ならではの専門性の高い在宅医療を提供できるのが当院の強みです。また、院内にはCTや超音波検査機器がありますから、すぐに検査をして適切な画像診断ができます。また、必要に応じてすぐに入院することも可能です。今、私を含めて5人の医師が訪問診療を担当していて、今後さらに増員する予定です。私はがんの終末期の緩和ケアにも携わってきた経験もあり、より質の高い終末期医療に努めています。当院には脳神経外科を専門とする医師が数多く在籍していますので、パーキンソン病など神経難病のある在宅の方にも適切に対応できます。

訪問診療ではどのようなことを心がけていますか。

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ご高齢の方や終末期の方々の時間を逆戻りさせることは難しく、だんだんと厳しい状況になっていく中、ご本人やご家族がつらいと感じる時間ができるだけ少なくなるよう、そして心安らかにその時を迎えられるようさまざまな視点でサポ―ト、ケアしています。実は、訪問診療では、多角的な知識や駆使する技術が必要なのですが、このフィールドではクオリティーコントロールがわかりづらいところがあります。例えば、病院の評価については在院日数や手術件数など数値で出るのでわかりやすいですが、訪問診療では質の高さが見えづらいのです。患者さん側にしても、今受けている訪問診療が良いのかどうか他とは比べられないでしょう。ですので、患者さんやご家族の方が不安や後悔を抱くことなく、安心して過ごせるよう心の通った訪問診療に努めています。最近では、退院する患者さんを在宅で診てほしいと、近隣の急性期病院から依頼されることも多くなっています。

外来診療について教えてください。

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外来診療では、専門性の高い外来を充実させていきたいと考え、今、検討・準備しているところです。もともと当院は、開業時から脳神経外科に特化した診療を提供してきていますので、その強みを生かして頭痛や認知症、脳卒中などそれぞれの病気に特化した外来を設置して、専門的に診ていければと考えています。また、私はがんの治療にも長く携わってきていますので、訪問診療で終末期の緩和ケアを行うとともに、外来では、がんの治療に伴う身体的・精神的な副作用で苦しむ患者さんに対するサポーティブケアなども行えればと考えています。また、呼吸器領域では喘息など今では薬でコントロールが望める時代になっていますので、将来的には喘息専門の外来や、肥満症専門の外来などにも対応していければと思っています。また、予防医学にも力を入れて健診体制も拡充していきます。

最後に、地域の方々へメッセージをお願いいたします。

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今後は現役世代の方々には健診を含めた予防医療を、ご高齢で在宅療養なさっている方には質の高い訪問診療を、外来診療では専門性の高い診療を提供していきたいと思います。また、新しい病院には、CTやMRIなど検査機器をそろえますので、大きな病院に行かなくても精密な画像検査を受けられるようになり、地域の方々にとっては利便性が高まると思います。新病院は大きな病院とクリニックとの中間に位置する病院、身近な病院でありながら専門性の高い、質の高い医療を提供する病院をめざしていきたいですね。また、地域のクリニックや介護施設などとも連携をさらに深めることも重要です。当院を運営する法人では「未来の見える福祉の街づくり」を理念に掲げていますが、当院もこの街の社会インフラの一つとして機能できるよう持てる力を存分に発揮しながら、地域の皆さま方に信頼していただける病院としてさらに努力していきたいと思います。

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長島 誠 院長

1987年群馬大学医学部卒業。医学博士。群馬大学医学部附属病院第一外科、国立がんセンター研究所生物学部、アメリカ国立衛生研究所(NIH)客員研究員、東邦大学医療センター佐倉病院院長補佐、感染対策室臨床教授などを経て2024年より現職。日本外科学会外科専門医、がん治療、がんサポーティブケア、緩和ケア、感染症対策、エイジングケアにも詳しい。

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