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社会福祉法人聖隷福祉事業団 聖隷佐倉市民病院

(千葉県 佐倉市)

小谷 俊明 病院長

最終更新日:2026/03/13

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多職種のチームワークで地域医療に貢献

「隣人愛」を理念に掲げ、地域医療に貢献し続けている「聖隷佐倉市民病院」。前身である国立佐倉病院が強みとしてきた腎臓内科診療を引き継ぎ、がんの早期発見や放射線治療などの専門的な治療にも力を入れる。「地域の方にがんについて知っていただくことも大切だと考えています」と話すのは、2026年より病院長を務めている小谷俊明先生だ。同院では近隣の学校での講演や公開講座の開催を通して、早期発見の重要性や日々進歩するがん治療の情報発信も行っている。2025年11月には緩和ケア専用病棟も再開。スタッフの働きやすさを考えてテクノロジーを活用したり、整形外科診療に心理学的なアプローチを取り入れたりと、「開拓者精神」を大切に歩み続ける小谷病院長に話を聞いた。(取材日2026年2月4日)

現在、特に注力されている分野はありますか?

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がん診療について、当院は健診センターでの予防や早期発見、内視鏡センターによる早期治療、外科系診療科による手術療法、化学療法では外来通院に対応した化学療法治療室の整備、高精度照射が可能な放射線治療、緩和医療科での痛みをはじめとする心身の諸症状の緩和などがん治療の集学的治療が提供できる体制が整っています。がん医療支援センターが中心となり、質の高いがん医療を提供するため、スタッフ教育、市民の皆さんへのがん啓発、がんに関する情報発信、がん診療体制の向上のための取り組みや県や国のがん施策への協力などを行っています。複数診療科の医師や多職種が参加するカンファレンスのほか、心身のケア・生活支援、ご家族のケアなども行えるようにがん看護相談など、がんと向き合うすべての方々が、安心してその人らしい生活を送れるように取り組んでいます。

2025年11月に緩和ケア専用病棟も再開されたと伺いました。

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早くから法人全体で緩和ケアやホスピスの運用に取り組んでおり、当院が緩和ケアを始めたのは2005年です。2007年には専用病棟として改修を行い、2008年には印旛保健医療圏における緩和ケア病棟として稼働を開始。その後は新型コロナウイルス診療の関係で病棟運用を一時休止していましたが、2025年11月より全室個室の16床で再開しています。ご家族用の待機室やキッチンを備え、定期的に季節のイベントを催すなど、ご家族と一緒に笑顔で過ごしていただけるのが当院の緩和ケアの特徴です。ここには一般病棟や健診センターとは違った、穏やかな空気が流れています。緩和医療科や他科の医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、歯科衛生士、ソーシャルワーカーなど、多様な専門職がチームとなって、患者さんやご家族の思いを大切に考えながらケアに努めています。

腎臓内科についても、以前より専門的な診療をされていますね。

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腎疾患には最上流の検尿異常から最下流の維持透析まで一つの大きな流れがあります。腎機能が低下し始めた段階での腎生検から治療、腎不全の教育入院、シャント手術、透析導入、通院透析、合併症治療まで一貫して診る体制は、政策医療として腎疾患の治療を担ってきた国立佐倉病院を前身とする当院ならではです。腎臓病療養や腎代替療法に精通したスタッフが複数在籍し、患者さんにとって最適な選択ができるように支援しています。開設当初からCKD(慢性腎臓病)教育入院を行っているのも特徴です。ここでも多職種が一つのチームとなり生活指導・薬剤指導・栄養指導・身体機能の評価を実施。透析室では、透析治療中に理学療法士がリハビリテーションを積極的に行っています。また、当院栄養科による透析弁当の提供も始めました。患者さんの低栄養予防や体調管理につながるだけでなく、食事づくりを担うご家族の負担軽減にもつながるように取り組んでいます。

先生の専門である整形外科の診療についてもお聞かせください。

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当院には、私を含めて側弯症を専門とする医師が多く在籍しており、他県など遠方からも側弯症の患者さんが来院されています。その他にも、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの脊椎疾患や、股関節・肩関節などの各関節疾患も得意分野です。最近注目しているのは、側弯症治療中の子どもに対する心身のケアです。側弯症の治療では専用の装具を用いるのですが、これが子どもにとっては心理的な負担となることがあります。整形外科の医師や看護師のフォローだけでは不十分なこともあり、小児科医師や心理士など多職種の方々との連携で、側弯症の患者さんに対する心理的なアプローチという、あまり類を見ない試みを始めています。そのほか、専門知識を持つ14人の多職種スタッフを中心に、近隣のクリニックとの連携で進めている骨粗しょう症リエゾンサービス(OLS)の取り組みは、地域との医療連携機能「さくらモデル」として広く知られるようになりました。

多職種連携で地域の方々の健康を守っているのですね。

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当院の特徴である、医師と看護師、メディカル・事務スタッフの距離の近さを生かしたチーム医療が根底にあるからこそ、さまざまな専門性の高い医療へとつながっていると思います。今後、私の病院長としての目標の一つは「職員の笑顔から、患者さんの『幸せ』を創る病院」です。職員が心身ともに健康で、笑顔で働ける環境があってこそ、それが思いやりのある医療が実現できると思います。その一環として、患者さんへの説明や医療従事者間の情報共有にデジタル技術を活用するなどDX化を進めています。医療は一人で完結するものではありません。多職種が互いの専門性を尊重し、チーム一丸となって患者さんを支えることが不可欠だと考えています。当院の理念である「隣人愛」、そして「開拓者精神」を大切に、これからも皆で一丸となって進んでいきたいと思います。

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小谷 俊明 病院長

1994年千葉大学医学部卒業。2004年に同院に入職し、整形外科部長として地域との医療連携機能「さくらモデル」をつくり上げてきた。副院長を務めた後、2026年より現職。開拓者精神を大切に、「チーム医療」と「先進技術の活用」の推進に力を注ぎ、職場環境の改善や業務効率化にも目を向けている。

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