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社会福祉法人聖隷福祉事業団 聖隷佐倉市民病院

(千葉県 佐倉市)

鈴木 理志 病院長

最終更新日:2024/11/14

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地域への感謝を忘れず専門医療を提供

病床200床から始まった「社会福祉法人聖隷福祉事業団 聖隷佐倉市民病院」は、各種部門の開設や建物の増改築を経て、400床クラスの病院へと成長を遂げた。その間、同院の軸にあったのは、地域住民のために自分たちの病院を最高のものにしたいという強い想いと、理念でもある「隣人愛」の精神だ。前身の国立佐倉病院時代から腎臓内科の医師として同院に勤務し、2021年に病院長職を継承した鈴木理志先生は、その歩みをけん引してきた一人。「地域に良質な医療を提供できる最高の病院をめざして、職員みんなが自発的に協力し合う風土が最大の強み」と誇らしげに話す様子からは、同院とそこで働く仲間への深い愛情が伝わってくる。災害で困っている地域、新型コロナウイルス感染症で苦しんでいる人に早い時期から手を差し伸べるなど、自らの背中で「隣人愛」を示してきた鈴木病院長に話を聞いた。(取材日2021年5月6日/情報更新日2024年10月21日)

病院の成り立ちからお聞かせください。

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当院の前身は、政策医療として腎疾患の治療を担ってきた国立佐倉病院です。国立佐倉病院は、腎炎、透析、腎移植を中心に行う腎不全専門の医療機関で、早い時期から献腎移植を実施するなど専門医療を提供してきましたが、国の病院・療養所の再編成の一環で国立千葉東病院と統合することになりました。その際、患者さんたちから存続の強い要望を受け、当院の開設に至っています。私は国立病院時代から在籍していますが、経営移譲の際には腎臓内科の医師が自分一人になる経験もしました。翌年にもう一人加入するまで診療を継続できたのは、赴任当初から私を温かく迎えてくれたこの病院と働く人たちの人柄が好きで、患者さんのためにも守り切らなければならないという思いがあったから。この時、紹介患者さんを丁寧に診てきた積み重ねが、広域から患者さんがおいでになる現在につながっていると思っています。

腎臓内科について、改めて強みをお聞かせください。

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腎疾患には、最上流の検尿異常から最下流の維持透析まで、1つの大きな流れがあります。検尿異常、あるいは腎機能が低下し始めた段階での腎生検から治療、腎不全の教育入院、シャント手術、透析導入、通院透析、合併症治療まで一貫して診る体制は当院ならではのものでかなり珍しいといえるでしょう。慢性腎臓病は、残念ながら治る病気ではなく、長くお付き合いしていかなくてはなりません。患者さんにとっては、自分の状態をよく知ってくれている医師、あるいは病院でワンストップの診療が受けられることは、安心して治療を継続するための大きなメリットではないでしょうか。開院時50床だった透析室も101床まで拡張し、患者さんの生活スタイルが変化しても選んでいただける透析室をめざしています。また千葉県の慢性腎臓病重症化予防対策に参画し、腎機能情報を共有するCKDシール配布数も当院では2000人を超え、先頭を走る思いで取り組んでいます。

腎臓病治療における多職種治療についてお聞かせください。

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当院では開設当初からCKD(慢性腎臓病)教育入院を行っています。医師のほか、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、臨床工学技士、ソーシャルワーカーなどの多職種が患者さんの生活環境を把握・共有し、生活指導・薬剤指導・栄養指導・身体機能の評価を行います。早期から腎臓を守る生活ができるようにご家族を含め指導をしています。また、院内には7人の腎臓病療養のエキスパートといえるスタッフが活動し、退院後も継続して関わっています。腎代替療法に詳しいスタッフも6人在籍しているので、血液透析・腹膜透析・腎移植などその方にとって最適な選択ができるようにお手伝いしております。このほか腎臓病教室を定期的に開催し、腎疾患の啓発活動も行っています。診察室では聞けない基本的な知識からお話ししますので、とても好評いただいています。当院に通院されていない方も多くご参加くださるので、地域の皆さんの興味の深さを実感しています。

がん医療支援センターについてお聞かせください。

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当院は健診センターでの予防や早期発見から、内視鏡センターによる早期治療、外科系診療科による手術療法、化学療法では外来通院に対応した化学療法治療室の整備、高精度照射が可能な放射線治療、緩和医療科での痛みをはじめとする心身の諸症状の緩和などがん治療の集学的治療が提供できる体制が整っています。がん医療支援センターは、がん患者さんの人生においてがんと診断されてから悔いのない時間を過ごすお手伝いをする、身近な存在でありたいと思っています。複数診療科の医師や多職種が参加するカンファレンスの定期開催や、心身のケア・生活支援、ご家族のケアなども行えるようにがん看護相談の充実などにも取り組んでいます。地域の方や医療機関との連携も重要ですので、公開講座の開催やキャンサーレターなどを通して、日々進歩するがん治療の情報発信も継続して行っていきたいと考えています。

他の診療分野でも専門性の高い医療を提供していると伺いました。

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整形外科には、側彎症を専門とする医師が多く在籍しています。日本全国から側彎症の患者さんが手術を受けにいらっしゃいますね。難易度の高い手術なので、術中にCT撮影できる機器を導入して安全性の確保を図っています。この他、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの脊椎疾患や、股関節・肩関節などの各関節疾患も得意分野ですね。また、骨粗しょう症に関する啓発活動にも力を入れています。当院では骨粗しょう症リエゾンサービス(OLS)の取り組みを開始し、専門スタッフ15人を中心に骨折の一次予防、二次予防への取り組みや外来診療を行っています。地域との医療連携機能「さくらモデル」も構築し、他施設からも見学に来ていただけるような活動に発展しています。当院の特徴である、医師と看護師とコメディカル・事務スタッフの距離の近さを生かしたチーム医療が根底にあるからこそさまざまな専門性の高い医療へとつながっていると思います。

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鈴木 理志 病院長

1983年筑波大学医学専門学群卒業。1985年筑波大学臨床医学系腎臓内科入局。1989年国立佐倉病院内科に入職し内科医長を務める。その後、聖隷佐倉市民病院腎臓内科部長、同院腎センター長、副院長を経て2021年より現職。「上から目線」を嫌い、医療者として患者に寄り添う姿勢を何より重んじる。日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本内科学会総合内科専門医。

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