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社会医療法人社団 千葉県勤労者医療協会 船橋二和病院

(千葉県 船橋市)

松隈 英樹 病院長

最終更新日:2020/11/25

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地域の社会的弱者のサポートも一つの使命

船橋市北部地域の医療拠点として機能している「社会医療法人社団千葉県勤労者医療協会 船橋二和病院」。2014年から病院長として同病院を率いているのが松隈英樹先生だ。同病院では開設当初より腎疾患と透析に注力しているのが一つの大きな特徴。「慢性腎臓病には心筋梗塞や脳卒中などを合併することが多いことが知られています。高齢化が進む中、慢性腎臓病対策を進めて透析や心筋梗塞や脳卒中なども予防することが大切になってきます」と腎臓内科を専門とする松隈院長は指摘する。同病院は、急性期から回復期、療養期、さらに在宅まで幅広く地域住民のニーズに対応している点も特徴だ。加えて、経済的あるいは社会的な弱者を支えていくことも病院の理念として重要なことと松隈院長は話す。シングルマザーや働く母親の増加といった社会的背景もあり、2019年からは産婦人科での分娩を再開する予定という。地域からの期待がますます高まる同病院、その特徴や強みなどについて松隈院長に話を聞いた。
(取材日2018年4月18日)

こらちの病院の成り立ちと理念について教えてください。

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この病院は1981年、誰もが安心してかかれる病院がほしい、という地域住民の強い要望と資金協力によって開設されました。当時、新京成線の沿線には大型団地が立ちはじめ、首都圏のベッドタウン化が進む一方、船橋北部地域では医療機関が不足していました。それで住民の間で病院建設運動が広がり、それによって当病院が誕生したのです。それ以前に船橋市内では同様に市民の協力によって南浜診療所が開設された経緯があり、当初は南浜診療所から来た医師やスタッフが多く従事していました。病院周辺の住宅地の発展とともに、これまで3度の増床を経て今は299床の総合的機能を持つ地域に密着した病院となっています。理念は簡単に言えば.地域住民の健康を守る、誰もが安心・安全な医療を受けられる、お金の有無ではなく平等に医療を受けられる病院ということです。

病院の特徴について教えてください。

2

「予防からリハビリまで、赤ちゃんからお年寄りまで」を合言葉に、健康診断から急性期、回復期、療養期、在宅医療まで幅広く対応できる医療体制を整えています。救急では船橋市の二次救急医療機関の役割を担っています。病院内には急性期後、在宅や施設復帰へ向けた医療や支援を行う回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、もう少し療養が必要な療養病棟があり、それぞれの段階にあわせた支援を行っています。さらに在宅医療にも対応しており、地域連携センターを中心に当院附属のふたわ診療所にある訪問診療やグループ内の訪問看護ステーションなどと連携しながら地域に暮らす方々をサポート。また、当病院は、基幹型臨床研修病院の指定を受けていて初期研修では総合内科、内科、外科、小児科、産婦人科など診療科のローテート及び関連医療機関をローテートすることで、研修後、ある程度は判断できる総合力のある医師を育てています。

診療内容での特徴、強みはどんな点でしょうか。

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まず腎臓や透析の治療が充実している点です。私は腎臓専門ですが、透析は病院開院後すぐ、私が赴任した当初から実施しています。当時は透析を行っている病院は、この辺りでは当病院と国立佐倉病院(現・聖隷佐倉市民病院)だったのですね。当初は佐倉病院での受け入れが多かったのですが、当病院も徐々に患者数が増えてきて、現在は、外来透析ベッド数は50床にまでになっています。船橋市の透析導入患者さんの数は年間80~100人程度といわれていますが、当院でも多くの方を受け入れています。透析の患者さんは、船橋市内に限らず鎌ケ谷市や白井市など遠方からも来ていますね。また、透析は心臓や足の血管疾患を引き起こしやすいため、初期段階から循環器の専門の医師が治療にあたっています。

他の診療科での特徴はどんなことがあげられますか。

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循環器から消化器内科、内分泌代謝、リハビリテーション、外科や小児外科、整形外科など主要な部門でそれぞれ専門の医師が診察・治療にあたっています。中でも特徴的なのが、船橋市内では数少ない小児外科の存在です。担当の新保和広先生は、千葉大の小児外科で研鑽を積んでいて、当病院には当初は外科で入られたのですが、ここで小児外科も必要ということで週に2回診療を行っています。また、乳腺専門の診療では船橋市の乳がん検診の診断にあたってこられた長谷川純先生を中心に早期発見早期治療に努めています。一昨年、産婦人科の分娩は一時停止したのですが、地域からの要請も多く、助産師も再度集結してくれるとのことで、2019年初頭から再開する予定です。最近ではシングルマザーや経済的な問題で出産できないという女性も増えていて、社会的に弱い立場の女性を助けるという点でも当病院の役割は大きいと思います。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

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ここ4~5年の間には病院の建て替えが必須だと考えています。建物内部にはもう30年以上たっている場所もありますので、まずは建て替えですね。それとともに地域のニーズに応えられるようさらに診療体制を充実していきたいですね。地域には認知症や発達障害などさまざまな症状を抱えた方が多くおられて、そういった人々の医療ニーズにどのように応えていけばよいのか、今もいろいろと模索している最中です。当病院は、地域とともにある病院です。地域の方々の健康を守るために、今後さらに地域連携を深める必要があると思います。在宅と大病院との間をつなぐ立ち位置で、そして地域の方々の最後の砦として、これからも最善の努力をしていきたいと思います。

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松隈 英樹 病院長

1980年千葉大学医学部卒業。同法人の千葉健生病院で研修を受けた後、船橋二和病院勤務。その後南浜診療所所長。南浜診療所の建て替えに尽力。再度、船橋二和病院勤務。腎臓や透析の分野で数多くの腎疾患や透析患者の治療にあたる。2014年より現職。日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医。

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