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最終更新日:2023/11/22

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
QST病院

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  • 千葉県千葉市稲毛区穴川4-9-1
    • 放射線科

放射線科

診療科・部門紹介

放射線診療に特化した病院として、重粒子線治療の臨床・研究に注力。先進的かつ低侵襲な医療の提供をめざす

放射線医療に長年従事し、中でも重粒子線と呼ばれる放射線を用いたがん治療に注力する同院。診療を行いながら研究するというコンセプトに則り、良質な医療の提供とともに、より多種類のがんへの保険適用拡大をめざす。入院・通院のいずれにも対応し、オーダーメイドの治療によって患者の早期回復と社会復帰、QOL(生活の質)の維持に努める。2011年には、重粒子線がん治療専用施設である治療棟を新設。がん腫瘍に対して360度から重粒子線を照射でき、体への負担をさらに減らせる回転ガントリーも備える。また、PET‐CTやCT・MRIを用いた検査と画像診断も実施。事前診断や適応判定、治療後の経過観察評価などに活用している。

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重粒子線治療専用施設。グリーンに覆われた美しい外観で、環境面にも配慮されている

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回転ガントリー治療装置。360度どの角度からでも重粒子線の照射が可能

スタッフ紹介

スタッフ

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石川 仁副病院長

1995年群馬大学医学部卒業。同大学医学部附属病院講師、筑波大学医学医療系教授などを経て、2020年より現職。専門は放射線腫瘍学と粒子線治療全般。日本医学放射線学会放射線科専門医。医学博士。

メッセージ

重粒子線治療には、重粒子の止まった所で最大のエネルギーを放出する特性があり、腫瘍の大きさによる影響をさほど受けずに治療できるメリットがあります。当院ではこれまで多くの患者さんに前立腺がんに対する放射線治療を行ってまいりました。これまでの実績に基づいた技術の更新に努め、治療の短期化や副作用を極力抑えた治療の開発に取り組んでいるのが特徴です。放射線治療は「患者さん参加型の治療」。患者さんの気持ちや行動次第で治療の成果や副作用にも関わってきますので、より良い結果を出すために一緒に頑張りましょう。

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篠藤 誠先生

2003年九州大学医学部卒業。2020年より現職。専門は放射線腫瘍学。日本医学放射線学会放射線科専門医。医学博士。

メッセージ

ある程度進行しないと症状が現れず、早期発見が難しい膵臓がんには手術ができないケースが多いです。そのような中で、当院は局所進行性膵臓がんの患者さんに対する重粒子線治療に積極的に取り組んでいます。放射線を集中させることで、膵臓の周囲にある胃や十二指腸への影響を最大限に抑えつつ、消化管への副作用の軽減が期待できます。治療期間が3週間と短く、抗がん剤などほかの治療と併用しやすいほか、仕事をしながら通院できるのもメリットです。また、放射線が効きにくい難治性のがんにも有用と考えておりますので、重粒子線治療によって根治をめざせればと思います。

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若月 優先生

2002年群馬大学医学部卒業。自治医科大学放射線科教授を経て、2020年より現職。専門は放射線腫瘍学と婦人科腫瘍。日本医学放射線学会放射線科専門医。医学博士。

メッセージ

転移が見られない肝臓がんは、手術や経皮的ラジオ波焼灼療法、血管内治療が標準的な治療です。しかし、がんが大きいと難易度が上がり、根治的な治療ができないこともあります。このような場合に有用なのが、適応条件がありつつも、がん細胞の大きさに制限のない重粒子線治療です。体への負担が少ないため、手術で肝臓を切除した後に再発した症例においても役立つとされています。このように、標準治療では十分に対応できない患者さんに治療の選択肢をご提示するのも私たちの大切な役目です。当院では大型の肝細胞がんのほか、肝内胆管がんに対しても重粒子線治療を行っておりますので、諦めずぜひご相談ください。

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中嶋 美緒先生

2001年信州大学医学部卒業。医学博士。日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医。専門は、放射線腫瘍学と肺腫瘍。大学院での研究をきっかけにQST病院に入職。呼吸器外科での経験と気管支鏡の専門知識を生かした幅広い治療を提案。

メッセージ

早期の肺がんにおける重粒子線治療は、完治をめざして行う治療法としてはとても期待が持てる方法です。ステージ1であれば治療は1日で終了し、日常生活への影響もほぼなく、手術を避けたい人やご高齢の人、心臓や肺の機能が悪いなど合併症のある人にお勧めです。また、間質性肺炎を合併する患者さんも受け入れており、治療をするかどうかを適切に判断しています。進行がんについては化学放射線療法を推奨しますが、ご希望のある場合は可能な限り重粒子線治療の前に化学療法を行うことで対応しています。肺がんへの重粒子線治療が保険適用となるよう尽力するとともに、より短期間で効果が高く安全性に優れた治療をめざしています。

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瀧山 博年先生

2008年東京大学医学部卒業。同大学医学部附属病院大腸肛門・血管外科、同大学医学部腫瘍外科などを経て、2018年より現職。医学博士。日本外科学会外科専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医。専門は下部消化管領域における外科治療、重粒子線治療。

メッセージ

局所大腸がんの重粒子線治療は「術後に再発し手術での根治が見込めない場合」について保険適用となりました。当院では主に骨盤内で再発し、ほかの臓器に転移していない場合にこの治療法を採用しています。重粒子線のエネルギーは強大ですので、正常な組織に影響を与えないことが大前提。そのためすべての患者さんの治療が行えるわけではありませんが、再発部位へ集中的に照射を行い根治をめざします。ただし、治療後に脚のしびれなど副作用が起きることも。手術と重粒子線治療、双方のメリット・デメリットを踏まえて、患者さんと一緒に一番良い方法を考えていけたらと思います。セカンドオピニオンもお受けしますので、お気軽にご相談ください。

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村田 和俊先生

2006年群馬大学卒業。同大学医学部附属病院放射線科の勤務後、2019年にはウィーン医科大学へ留学し、放射線治療の臨床や研究に従事。2021年より現職。医学博士。日本医学放射線学会放射線科専門医。日本婦人科腫瘍学会代議員ほか。

メッセージ

子宮頸がんには「扁平上皮がん」と「子宮頸部腺がん」の2種類があり、手術と放射線治療によって根治が見込めます。特に放射線治療は、手術でがんを取りきれない場合に行うことが多く、その進行度によって化学療法を併用するのが一般的です。ただ、放射線治療は扁平上皮がんに対して効果を期待しやすい一方、子宮頸部腺がんには効きにくい側面も。そうした場合に、より良い予後が見込めるのが重粒子線治療です。この治療法は、化学療法を併用しなければ、日常生活を続けながらの治療にも対応できます。近年では、局所進行性の子宮頸部腺がんの重粒子線治療も保険適用で行えるようになったので、選択肢の一つとしてご検討いただければと思います。

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小藤 昌志先生

1996年東北大学医学部卒業、2003年同大学大学院修了。テキサス大学MD Anderson Cancer Center、東北大学病院などを経て現職。専門は頭頸部腫瘍の粒子線治療。日本医学放射線学会放射線科専門医。

メッセージ

手術や通常の放射線治療、化学療法で良好な経過が見込める口腔・咽喉頭の扁平上皮がんに対して、それ以外の頭頸部領域のがんは通常の放射線治療による治療効果を得にくいのが現状です。また、鼻腔や唾液腺のがんは進行した状態で見つかりやすく、手術が困難な場合があります。そうした「口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く頭頸部がん」への重粒子線治療が、2018年から保険適用になりました。4週間16回の照射を通院で受ける患者さんも多いです。紹介元で有効な治療法がないと聞いて、悲観的になっている方もいらっしゃるので、できる限り治療の道筋を見出し、5~10年後を想定して治療内容や副作用を率直にお話しするよう心がけています。

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今井 礼子先生

群馬大学医学部卒業。がん治療に携わりたいとの思いから放射線科へ。2005年QST病院入職。日本医学放射線学会放射線科専門医。放射線腫瘍学、骨軟部腫瘍の専門家として、他の病院の医療者の相談にも応じている。

メッセージ

骨軟部腫瘍とは、骨に生じる「骨腫瘍」や、筋肉・脂肪・血管など骨以外の組織に生じる「軟部腫瘍」のことです。このうち重粒子線治療の対象は、いわゆる肉腫と呼ばれる悪性骨軟部腫瘍です。放射線治療は効きにくいとされていましたが、重粒子線治療であれば効果が期待できるとわかり、他の疾患に比べて早い段階で保険適用になりました。治療の第一選択は切除ですが、腫瘍の発生場所や、年齢、既往症などで切除が難しい症例に重粒子線治療を行っています。希少がんのため、診断された方は治療に関する情報が得にくく不安だと思います。当院には遠方からも患者さんが来院されています。わかりやすい説明に努めていますのでどうぞご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

重粒子線治療(先進医療で行う場合の技術料)/314万円
※保険診療と共通する部分(診察・検査・入院費用等)は公的医療保険をご利用いただけます。

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